海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

軽量三脚と雲台選び

2022-10-30 | 使える中国製カメラ機材

LEOFOTOのLS-224C +ライカ雲台FOOMI

 

日本でカメラマンとして仕事の撮影や作品もずっとZITZOの三脚を使ってきたし、今でもZITZOは最も信頼しているので、仕事の撮影であれば絶対に使う三脚だ。手元にある2本のZITZOの三脚も30年以上使っているが、今もトラブル無しで現役で使える優れもの。

私の年齢的な問題もあるが、カメラをミラーレスに変えて仕事以外で撮影する機材はなるべく小型で軽い方が良いので、昨年から様々な軽量三脚を使ってテストしてきた。そして、先月から使い始めた三脚は、中国製LEOFOTOのLS-224Cだ。上海では、まったく無名のブランドのようで、上海人のカメラ屋に聞いても誰も知らないし否定的な答えしか返って来ない。否定的なのは、中国人が中国製ブランドの三脚を誰も信用してないからだ。知り合いのカメラ屋曰く、1年か2年使うのなら安くて良いとの事。

今世紀に入って、BENROというブランドの三脚が安くて良いという事で有名になり、一時期爆発的に売れた時代があった。その後、全く同じデザインの三脚を複数の会社がコピーし一時期のフォトキナで、まったく同じデザインの三脚を複数の会社が展示し世界中から失笑を買った年のフォトキナがあった。12年前に私もそのブランドのカーボン三脚を2本買ったが、2年で元アシスタントの元へ予備機材として渡した。

昨年からベルボンのカーボン三脚ウルトレックUTC-53IIASを使っていた。この三脚の売りは、コンパクトに収納出来てワンタッチで足をロック出来るのが特徴。ただ、センターポール内蔵タイプの為、折り畳んでバックパックタイプのカメラバックに取り付けるとかさばる。私が普段使いで三脚を使う場合の全高は自分の胸くらいがメインなので、自分の目線までカメラアングルを上げる事は稀。という事で、新たに買った三脚は中国製のカーボン三脚LEOFOTOのLS-244C(脚のみ)と外付けセンターポール。この三脚の重量は脚のみで715gとびっくりするほど軽い。脚を全部伸ばしても意外としっかりしていて、ベルボンのUTC-53IIASと同等の安定感。そして、稀に自分の目線まで高さが欲しければ、100gのカーボン製センターポールを取り付ければ問題ない。この三脚にライカの雲台の中でも一番小さいFOOMIに載せ替えて、ハッセルのクイッククランプ(アルカスイス規格のクイックシューが嫌いなので)を装着しミラーレス専用に使っている。これで、総重量は1.1kg弱という軽さは助かる。それと、この三脚の良いところは、三脚部の取り付けネジが小ネジと大ネジ両方に対応できる事。これは、昔のライカの雲台の一部機種が採用していたもので、これはとても便利。

一眼レフカメラや中大判カメラ(フィルムカメラ)が姿を消し、カメラはミラーレスが主流になった今、その周辺機材も大きく変化した。今、カメラ以外の周辺機材で日本製品に元気がないし、今後もまったく期待出来ないのはなぜか。日本のカメラ周辺機器メーカーの考え方が古くて、時代に追従してないのが大きな理由かもね。

☆LEOFOTOブランドの製品は、まだ使い始めたばかりなので耐久性は未知数だが、おそらく問題ないと思うのが素直な感想。カメラに手ぶれ補正が標準装備になっている昨今なので、通常三脚は必要ないという人の声も理解できるけど、旅などでの撮影内容によっては持って来て良かったと思う時も必ずある。この1kg前後の三脚は、そんな人にもお勧めかな。今のところね。

☆このLS-224C +ライカの小型雲台FOOMIにGFX50SIIを取り付けて1/15秒のスローシャッターを切る時に、あえてカメラを軽く叩いて振動を与えて撮影したが、カメラ内蔵のスタビが効果を発揮しブレはなかった。凄いねぇ、今のカメラは。

☆カメラと雲台の間に使うクイックシューは、ハッセルか梅本のクイックシュウーが一番良いと私は思っている。今はアルカスイス方式がスタンダードになってしまったが、私にはこの良さが理解できない。ただ、梅本製はもう少しミラーレス用に小型軽量化出来るのではないかと思うのは私だけかなぁ。

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今も二日に一度PCR検査が続く上海

2022-10-28 | 写真日記

自宅の窓から

 

行きたいところもあるのだが、何だか気が進まない。下手な場所に行くと濃厚接触者扱いになるからね。挨拶がわりに行きたい飯屋が数軒あるのだが、どうも腰が引きるのだ。という事で、近所で食料を買い目的を達したら即退散。外食も激減しテイクアウトし家で食べる習慣が染み付いた。上海では基本的に自炊がメインなので、人が多い大きなスーパーは避けたく近所の小さな店で食材を買うが、品数が少なくいつも同じ物を買ってしまう。

数日前、食材を買った帰りに家に向かっていると、警察車両2台と防護服を着た集団が目に入った。場所は、自宅と小さな河を挟んだ向側のマンションなので歩いて3分の距離。私が時々テイクアウトする料理屋の前だ。その後、私の携帯にSMSが届き近所で感染者が一人出たので注意しろという内容。その大きなマンションの住民は、今も行動制限を受けている。

今も私が住む敷地内でも二日に一度は集団PCR検査が続いているので、私はこの敷地内で検査が始まる夕方6時開始と同時に検査を受ける事にしている。以前から変わってないが、PCR検査は一つの試薬で10人分のサンプルが検査されるごった煮検査なので、敷地内からあまり出ない老人が多い時間帯を狙うのだ。この10人分の試薬で陽性反応が出ると、陽性者を特定する為に10人は再検査となり、この間は自宅隔離になる。

北京の大きな会議が終われば大きく変わるだろうという噂があったが、今のところ変化なし。

☆すでに来年の事を考えていて、こんな状況が続くのであれば上海に居る意味があまりないからね。

 

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ELMAR 65mm f3.5シルバーとブラックの描写違い

2022-10-25 | GFX+オールドレンズ

シルバーとブラックのELMAR 65mm f3.5

 

ELMAR 65mm f3.5前期シルバー開放で撮影

 

ELMAR 65mm f3.5後期黒開放で撮影

 

ELMAR 65mm f3.5前期シルバー開放で撮影100%切り出し

 

ELMAR 65mm f3.5後期黒開放で撮影100%切り出し

 

ELMAR 65mm f3.5前期シルバーf8で撮影 

 

ELMAR 65mm f3.5後期黒f8で撮影

 

上海人の友人から比べて欲しいと預かった、エルマー65mm f3.5のブラック(後期)と私のシルバー(前期)を簡単にテスト。どちらのレンズもキズやクモリは無くクリアーな個体。世間の噂では後期のブラックの方がシャープだという人もいるが、この二つの個体で比べる限りシャープネスは、ほんの僅かに後期型がシャープに見える程度。レンズを見て大きく違うのは、コーティングの色が前期はブルー系で、後期はアンバー系+赤が混じっているので、当時のライカのRタイプに見られるコーティングと同じと思われる。

前期と後期の画像をGFXの44x33サイズで比べてみると、撮影時にカメラも三脚も固定したままだったが、若干前期タイプの方が画角が狭かったが、これは海外のレンズによくある話。そして、後期タイプは前期タイプに比べて、色の傾向が若干Rにシフトしていて、前期の方がYにシフトしている。白い物を撮影した画像を比べると、前期のYシフトと後期のRシフトの差はとても少ない。コントラストが低い分、前期型の方がトーンのつながりは良いが、後期型の方がコントラストが高い分シャープに見えるのかも知れない。という事で、この2本の個体の差は、微々たるものと思って良い。ピント合わせは、ライブビューを使い拡大してピントを合わせたが、コントラストが若干高い後期型の方が合わせやすかった。

このELMAR 65mmf3.5の描写は素晴らしく、GFXで使ってもケラレが発生しないので、私はGFXの標準レンズとして任命しているくらい信頼している。ただ、このレンズはライカのビゾフレックス専用のレンズなので、今のデジカメで使う場合は複雑なマウント構成になる。このレンズ、最近は昔ほど人気が無いようだが、一本持っておいて絶対に損は無い名玉だと私た思っている。

☆GFX50S II+"039"ブランドのLED電球Sh50Pro-V(光量可変タイプ)+1灯ソフトボックスで撮影。GFX50SIIのRAWで撮影し、C1を使いフィルムシュミレーションはプロネガスタンダードに設定し現像。そして、このレンズの最短撮影距離で撮影しモニターで100%で表示し切り出した。

☆同一ブランドのカメラレンズで同じ焦点距離のレンズでも、海外のレンズは若干の違いがある。前世紀にハッセルのプラナー120mm3本を比べたら、3本とも画角が違っていた。

☆古いライカのレンズは、個体差が結構あった。最近は、専門知識がない人がメンテナンスしている物も出回っているので注意が必要。私は今所有のHektor 135mm f4.5に行き着く前の2本はハズレだった。そして、古いレンズはOH代金が高くても専門知識のある修理技術者を選んだ方がイイね。

☆前期のシルバータイプの重量は121gで後期のブラックは122g。一番の違いはフィルターサイズで、前期がズマリット50mm f1.5と同じ41mmで、後期のブラックはシリーズ6でフィルターを使うにはアダプターリングが必要。

☆このエルマー65mm f3.5には、ヘリコイドOTZFO(16464K)が必要で、さらに各カメラに付ける場合は、それ専用のマウントアダプターが必要。

☆関連記事→コレ

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やっとみんなに会えた

2022-10-23 | 写真日記

元アシスタントのナミ夫妻 ナミの旦那は稀にみる気の毒なくらい優しい人

 

運転代行を呼び家まで送ってもらう

 

いつ撮ったか覚えていない画像が

 

元アシスタント二人と以前在籍した組織の制作が集まり5人でちゃんこ鍋を。もっと早くみんなに会いたかったが、コロナの影響もあり延び延びになっていた。特にお礼を言いたかった元アシスタントのナミ夫妻は、二ヶ月のロックダウン時に毎週食料を送ってくれた恩人。

ナミの実家は国境に近い地方だが、両親が住む地域はすでに3ヶ月間もロックダウン状態だそうだ。ニュースにはならないが、そんな地方都市って結構多いのかも知れないね。ここの5人は2ヶ月のロックダウンをくらった経験があるが、3ヶ月には唖然。

呑み屋は、行きつけの”ちゃんこ玉海力”だ。広州ロケから上海に戻ってきたばかりの元アシスタントの車で呑み屋に向かったが、ビルの地下の駐車場ではなく外の駐車場を探したのは、そのビル内で感染者が発覚すると、ビル全体が封鎖され車が出せなくなるからだ。呑み屋を出た後は、運転代行を呼び私の自宅まで送ってもらった。後でデジカメを確認するとグルングルンの画像が。

☆調子が悪かったX100Fは、一度全ての設定をリセットしたら絶好調。予定調和なマルチ測光から中央部重点測光に変更。

 

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上海市内から嘉定区の工場へ

2022-10-21 | 写真日記

地下鉄3号線大柏樹駅前 

 

こんなに多くのシェアサイクルの群れを見たのは初めて(午後12時)

 

延々と続く無機質なマンション群を見ながら上海へ

 

帰りはトラックの群れに囲まれて

 

先日、大型LED照明機材のアドバイスでお世話になっている会社の老板(社長)に会う為に、上海の郊外の嘉定区へ車で向かった。彼とは本社と旧工場で過去2回会っているが、新しい工場で会うのは初めて。待ち合わせ場所は、初めて降りた地下鉄3号線の大柏樹駅。駅を降りるとシェアサイクルの群れに遭遇。ここが、いかに通勤客が多いかよくわかる。延々と続くマンション群を見ながら、工場まで高速道路を走り約1時間で到着。

この会社は、世界中の空港の滑走路などに使われている誘導灯や高度計などを製造する業界では世界的に有名な会社。ここの老板は、前世紀に早稲田大学に留学していた人で、当時は大学近辺に住みたかったが、節約の為に千葉の行徳に住み早稲田に通っていた。当時住んでいた行徳という名前が気に入り、その後に社名として今も使っている。

新しい工場の中心部には庭があり、日本からわざわざ取り寄せた大きな植木(とんでもなく高価)や桜の樹が無数にあり雰囲気がとても良い。工場内はもちろん撮影禁止なので画像は無いが、品質向上と信頼を得る為には製品内部の数ミリのパーツやダイキャスト部分など、多くのパーツは日本企業に頼らざるを得ないとの事。そのパーツメーカー名を見たが、すべて私の知らない会社。すべてのブースを見学させてもらい、防水技術や強度試験など厳しい条件でテストしているので世界中から信頼されていて、約8年ほどで世界シェア6位から現在は2位へ。

嘉定区は上海エリアなので、外国人の私も健康QRコードは問題なく使え、約1時間ほどで上海市内に到着したが、上海に向かう高速道路は乗用車よりトラックの方が多いのにびっくり。

☆前世紀の話だが、滑走路の誘導灯など点滅する灯はすべてストロボだった。日本では、プロのカメラマンなら誰でも知っているストロボメーカーのミニカムがそれを製造していたが、現在はすべてLEDになってしまった。ストロボは、発光チューブの寿命が短かったが、LEDに変わり圧倒的に製品寿命が伸びた。タングステン(電球タイプ)の照明機材も同様に消えて最近はタングステンのタの字も聞かないし、映像の現場でも一部の除いて今後は高価なHMIから大光量LEDにとって変わると私は思っている。

☆現在の上海でシェアサイクルは3社が競っているが、この大柏駅付近では黄色いシェアサイクルが圧倒的に少ない。ここ数年、私が住む長寧区は黄色いブランドの方が多いのだけど、縄張りがあるのかなぁ。

☆普段いつも持ち歩いているカメラはX100Fだが、最近調子が悪い。この日も誤作動が続いていたので、家に戻り全ての設定をリセットしたら復帰。たまにあるよね、デジカメは。

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