海上撮影家が見た上海2

上海で撮影活動をしている海原修平のBlog。「海上」とは上海の逆で、新しい上海という意味。更新は不定期。

ギャラリープロジェクトから外れる事に

2016-12-11 | 淀山湖プロジェクト

今年から関わってきた上海郊外のギャラリープロジェクトはアジア圏の多国籍で進められているのだが、日本人の私だけが撤退する事に。理由は様々あるのだが、一言で言えば船頭が多くなり過ぎて、本来の目的からすでに逸脱してしまったのが最大の理由。

 

移築した建物

 

このプロジェクトは中国の郊外の過疎と少子高齢化問題もあり相当複雑な問題が絡んでいる。私は日本の同様の事例を前世紀から仕事で見てきた経緯があるが、実際は実体験の無い都会の人達が先頭に立っている事が多く多額の金が動き、そのほとんどが机上の空論で失敗例も沢山見てきた。

偶然だが、先月帰国した時に親しい友人からもらった「神山プロジェクトという可能性」という本は、とても面白い取り組みだと思うし、地方創生はこうあるべきと共感できる例だ。今後、この徳島県の神山プロジェクトが今後どうなるのか興味は尽きないが、未来を考えると地に足が着いている数少ない一つの実例だと思っている。

 

 

 

 

一番お世話になった船頭のおじいちゃん

 

村の集会所で会った おばあちゃん

 

今年の11月に私は還暦を迎えたのだが、数年前から60歳を迎えたら決めていた事がありそれは以下。

  1. スジの通らない依頼撮影はやらない。
  2. 自分の写真に対してはわがままに生きる。
  3. 写真で名声や名誉を求めない。
  4. 写真に頼らず死ぬまで自立出来る生き方をする。
  5. 還暦は人生が一巡したのと同等なので、もう一度思春期を迎えるような生き方をする。
今回のプロジェクトから撤退した理由は1番目の理由。
 
☆この淀山湖プロジェクトのテーマは「共生」だそうだ。それをテーマに、私は今の小さな村の写真なんて絶対に撮れない。「共生」なんて、誰でも言える抽象的なお手軽な単語としか私には思えないからだ。ハコモノは、博打より難しいぞ。
 
☆先週に会ったとある中国人の先生が一言。「成功も失敗も過去の日本から学ぶべきで、昔の中国にはそれがあったが今の中国にはそれが無い」と。

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村人の規則正しい生活リズム

2016-10-20 | 淀山湖プロジェクト

 村人の生活リズムは規則正しい。朝5時に起床し、村の集会所近くに朝市が出るのでその日の食材などを買い、その後朝食を。そして、畑に出る人や太極拳を1時間ほど毎日やる人もいる。皆それぞれの仕事や畑仕事を終え、夕方5時が夕食時間と決まっている。そして、夜8時過ぎには床につくのが生活パターンだ。

 

私も真似たが足が痙りそうに

 

太極拳をやる人はなぜか女性ばかり

 

ここで太極拳をやっている人達は、朝の七時から約一時間軽く汗を流す。上海市内で流行っている変なダンスなんてやらないのだ。湖の辺りの大きな樹の下で呼吸を整え毎日太極拳をやり一日が始まる。世界共通かも知れないが、総じて女の方が元気で明るい。

人それぞれ様々な境遇で生きているのだが、都会の生活はもしかしたら一番体に優しくない生き方なのかもしれないな。

★電通の社員自殺問題の記事

電通の件で色々な事があぶり出されてきたようだが、この件がきっかけになり日本の一部の会社では就労規定が少しは改善されるかもしれない。でも改善しようにも出来ない職種も多い。特に筆頭はマスコミ関係者。以前2012年にブログでも書いたが、大陸の日系企業は現地スタッフに「日本人は時間にルーズ」と言われている。それは、朝の遅刻は厳しいくせに終業時間が見えにくい事。この昭和の染み付いた慣習の垢が、なかなか取れないのが大陸の日系企業。こんな会社に対しては、上司に対して忙しいフリをしながら残業代を取るくらい図々しく生きた方が体の為だ。

★何事も臨機応変に自分で対処しながら自分を守る生き方をしないと、ただ流されるだけ。

★日本は他国に比べ住むにはすばらしい国だが、最近ちょっと息苦しい。

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村は超高齢社会

2016-10-19 | 淀山湖プロジェクト

たぶん80歳を超えている

 

畑で会ったおばあちゃん

 

上海から100kmちょっと離れた農村に行くと、村の老人たちは普通語が通じないし上海語でもない言語を話すので私の通訳もお手上げ状態。そして、ここからまた100kmほど行くとまた違う言語を使う人々(老人)がいる。中国は広く56の民族で構成されているので、同じ中国語でも数え切れない言語が存在していると思ってよい。ちなみに上海語と北京の普通語の人が会話するとまったく意思疎通が出来ない。そこで生まれたのがピンイン(ローマ字表記)なのだが歴史はまだ浅い。なので、戦時中見方同士でも意思疎通が出来ず悲劇も生まれたと聞いている。

この日、朝の5時過ぎから村を徘徊し朝市にも行ったが、やはりここもかと思うくらい若者の姿をほとんど見ない。これは日本の村も同じようなものなのだが、中国の場合は一人っ子政策の弊害もあるのだろう。ただ、私が知る限り大都市から遠く離れた違う地では、一人っ子政策に厳しい地方があったり、そうではない地方もあり、この問題は一括りにして話す事は出来ない。

 

署名に同行撮影

 

この村にある小さな寺を修復する為の同意書にサインをもらうために村を回ったのだが、言語が通じないのと文字を書けない人も結構多いので難航している。人に寿命があるように、人が住む村にも限界がある。人が住まなくなった場所は、草が生えた廃墟になるだけ。高齢化が進みすぎた村を活性化させ若い人が戻ってくるようにする為には、その村の人達では絶対に無理な場合が多い。この村の近くにも観光地化された施設などがあるが、どれも中途半端で人が集まらないようなものばかりなので、テーマパークのような箱物も今は廃墟になっている。人を集める発想が安易な日本と同じ現象とも言える。

撮影する私が日本人なので村民に受け入れられるかどうか少し不安もあったが、どうも取り越し苦労だったようだ。

★気になる中国の写真業界ニュース

私が関わっている写真業界の会社の事だが、今年に入って廃業や倒産の件数が異常に増えている。国の内外で物が売れないのも一つの理由だが、悲惨な会社はコピーするしか能が無い会社と下請けの工場が今のところ多い。昨年まで普通に売れていた商品が、今年は1/10に減ったなんて話はよくある話。来年はさらに厳しい世界が待ち受けていそうな雰囲気。

 

 

 

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河と共に生きる生活 上海郊外

2016-10-18 | 淀山湖プロジェクト

河で洗濯

 

移動も舟で

 

上海郊外の水郷の村では、いまだに河で洗濯や洗い物をしている人もいるし夏は水浴びをする人も。淀山湖では、私も時々移動で舟を使うのだが、舟はコンクリート製で4人まで乗れる。専任の船頭は村のおじいちゃん。時間に追われない生活は一日が長く、緑に囲まれた湖をゆっくりと移動するとアヒルやトンボとも友達になれる。

★日本の田舎の世間体社会がイヤなニュース

黒石よされ写真コンテスト」で、最高賞を受賞した写真に自殺した生徒が写っていたので受賞取り消し。その遺族は受賞作品公表に同意の記事。「波風立てない方がよい」というコンテスト実行委員の言葉に呆れる。世間体を気にした結果、波風立てているのはお前らだったというアホな結果に。

★日本は他国に比べ住むにはすばらしい国だが、地方都市はちょっと息苦しい。

 
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毎年夫婦二人の結婚写真を撮影してくれるそうだ

2016-10-17 | 淀山湖プロジェクト

新婚ではない二人

 

最初にこの写真を見た時は晩婚の二人なんだなと思っていたら、これはお上から村の住民へのサービスで、毎年の結婚記念日に二人の結婚写真を撮ってくれると聞いてびっくり。毎年写真を撮ってくれるというのはとても良い贈物だと思うのだが、毎年ウエディングドレスというのはちょっと考えた方が良いような気がするのは私だけだろうか。この二人の写真を年代ごとに数十年並べてみたい気がする。

 

★萎縮する組織が多すぎる日本

一般市民から数人という小さな単位のクレームでさえ敏感に反応し萎縮し物事を取り止める組織が多すぎる日本。今回は「岩下の新生姜ペンライト」が標的になったようだが、これがダメならバナナや胡瓜や茄子の形をした商品は一切作れなくなる。この件以外でも、学校と保護者の関係や地方公共団体と市民との関係も同じ事が言える。世の中みんなすべての人が正しいと思える物や事はほとんどないし、それは時代と共に変化するもの。

★日本は他国に比べ住むにはすばらしい国だが、最近ちょっと息苦しい。

 

 

 

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