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とぎれとぎれの物語

瀬本あきらのHP「風の言葉」をここで復活させました。小説・エッセイをとぎれとぎれに連載します。

「お帰り」と言いたい

2013-11-25 15:11:02 | 日記
「お帰り」と言いたい




 JR出雲市駅構内に新しく建てられた出雲阿国像。台座が低いので、像の姿の仔細がすべてよく分かる。私は先日初めてこの像を見ることができた。やっと出雲に・・・。ありがとう、お帰りなさい。私は一人の女性に話しかけるようにそう口の中で呟いた。大社に設置された像とともにこれから出雲の新しい守護神として末永くこの地をお護りください。そう祈って写真を撮らせていただきました。



 この像は以前も掲載したことがある。京都南座の近くに建てられている像である。私はこのアングルから見る阿国像が好きである。男物の陣羽織を着け、大刀を担いで、頭を上げて南座の方角を眺めている姿勢である。この顎を上向きにしたところに作者の個性というか技を感じる。ほのかな色気を醸し、しかも気の強い性格を感じさせる。ほれぼれするような表情である。他の作品は「美慶Home Page」(http://www.jam-bikei.com/bikei-yamazaki/kotenyamasaki.htm)をご覧ください。魅力的な女性像が見られます。
 作者は京都の彫刻家山崎正義氏。昭和4年生まれである。京都芸大美術科を卒業して、朝倉文夫の内弟子として5年間指導を受けた。日展17回連続入選。京都芸大教官を経て、京都教育大学教授となり、平成6年日輝会美術協会会長、京都教育大学名誉教授となる。平成7年から平成9年にかけて高校野球優勝メダル、楯を制作。平成8年紺綬褒賞受賞。像の建立設置は全国に及ぶ。京都では国宝千本釈迦堂のお亀多福像、出雲阿国像を設置。その他新潟弓の名手板額御前像、大横綱双葉山像、親鸞上人像、弘法大師像、道元上人像など多数制作。現在、京都市在住。(経歴は上記HPより引用しました)


 「二人の阿国」の脚本が出来上がったという話を古賀所長から聞きました。何とその作者は里見多歌さんでした。その他のスタッフ、キャストも決定したという話です。


 所長さん、その脚本を私に見せていただけませんか。

 いや、私は持ってないですよ。部外秘ということでもないようですけれど、脚本を不用意に担当者以外に渡さないことになっているみたいです。私が数日前に始まったばかりの練習を見に行った時に松江監督から直接聞きました。湖笛所属の脚本家の長山さんは多歌さんと膝突き合わせて練り直していたようです。勿論、喜多川さんもアドバイスしてたみたいですね。それから両劇団の代表が加わって完成しました。里見多歌作となっているのはどうしてか私には分かりません。彼女のカラーが強く出ていたからかも知れません。

 それで、キャストなんですが、雪月花すべて出演ということですか。

 いや、これも松江さんから聞きましたが、すべてのスタッフが集まって協議して評価した上で、・・・やはりキャリアから言って麗華が主役です。これは喜多川さんからもとっくに認められていました。

 すると二人目の阿国は笙子さん・・・。

 いや、練習不足です。彼女は、育児という大きな仕事がありましたから。

 じゃ、佐久良さんが・・・。

 そうです。

 すると、笙子さんの役は・・・。

 彼女がやりたかった静御前です。

 し、ず、か・・・。

 そうらしいです。脚本ではそうなっているらしいです。静御前の物語を挿入してあるみたいです。

 で、二人の阿国というのは・・・、例えば偽ものが現れるとか・・・。

 読み合わせの練習を聞いていましたが、そういうことではなく、どちらも本物です。

 そんな・・・。

 ですから、例えば一人の人間の陰と陽とかいろいろあると思います。

 陰と陽・・・。

 そうです。これから稽古をときどき私と二人で、いや、長柄さんも一緒に見学しましょう。ほかにもさまざまな仕掛けがあるみたいです。里見多歌の世界は壮大なフィクションの世界です。殊に心理劇が得意ですから。

 心理劇、そりゃ面白い。

 そうです。今度の劇は東の方面にも進出しますから。

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