松浦亜弥さんの秋ツアーが先日終わりました。「しばらくツアーはしない」という宣言を受けてのツアー。最終日の札幌公演は大変盛り上がったようです。
松浦さんがこれからどんな活動をしていくのかは、ただ見守るしかありません。CDをどんどん出してテレビに出る機会を増やしていきたいという彼女の言葉を信じて、じっと待つのみ。
松浦さんはデビュー二年目くらいにアイドルとして全盛期を迎え、その凄い存在感とキャラは、パーフェクトアイドル、アイドルサイボーグのように言われてきました。
しかし、自我を表に出すようになるとともにアイドルとしての人気は下がっていきました。アイドルが「自分」を持つ事、それを余分なもの「ぜい肉」に感じるか、パーソナルを強めた「筋肉」と見るか、アイドルファン的には前者と見る人が多いのかもしれません。
そして、松浦さんは、自己表現をしていきたいという想いを強く持ち始めます。松浦さんのラジオに松任谷由実さんがゲストで来た時、「作詞をしたい」という松浦さんにユーミンは、「作詞がしたいと言って詞を書くのなら、作詞は止めなさい」とアドバイスをします。
(ハロプロの)外と仕事上で交わる機会が多かった松浦さん、いい大人との出会いに恵まれていたではないですか。
ちなみに、私もユーミンの意見に同感です。自分も「ブログを書くために」文章を書くような気持ちになったら、このブログは終了させます。
アイドル全盛期の松浦さんは、笑顔のイメージでいっぱいです。明るいあややです。
それも好きではあったけれど、今の松浦さんの横顔が好きです。そこには、明るい笑顔で覆われた顔とは違う、喜びも悲しみも受け止めてきた深みが表れてくるような趣きがあります。自分は、サイボーグより人間が好きです。
事務所の先輩、谷村有美さんの曲「今が好き」に、こんなフレーズがあります。
「汚れなく笑えた昨日よりも 傷つく事 知ってる今が好き」
http://www.youtube.com/watch?v=mOZQOqo592c&feature=related&fmt=18
先日行われた秋ツアー東京公演のステージで、松浦さんは最後に、涙をうっすら浮かべながら強い視線で遠くを見つめていました。
人間、好調な時にチヤホヤしてくる人よりも、苦しい時に側にいてくれる人が本当の味方。松浦さんは客席を見渡しながら、拍手を送るファンを見つめる。その瞬間、強い視線から優しい瞳に変わっていきました。
「本当のファン」なんて言葉は辞書にはないかもしれないけれど、「本当の優しさ」はリアルに存在している。多分、これからも松浦さんは歩いていける筈。一人ではないから。
あなたに出逢えて
この曲は、松浦さんが2007年にリリースしたシングル「笑顔」のカップリング曲「あなたに出逢えて」の原曲。谷村有美さんのアルバム「圧倒的に片想い」の一番最後に収録されています。タイトルからすると、素敵な人が見つかったという幸せソングに思えますが、アルバムのタイトルで察しがつくように、片想いという遠い存在だけれど自分に近い場所にいる「あなた」への想いを歌った曲。
アイドルとファンというものも、いわば「圧倒的に片想い」な関係であるけれど、決して気持ちが通い合っていない訳ではない。この曲の通り、谷村さんが「あなた」に出逢えて本当の涙を流したり、本当の優しさを考えたように、ファンも松浦さんに出逢えて色んな事を想い、喜び、もしかすると傷つき、でもステージやテレビやラジオなどで、松浦さんのファンへの気持ちを受けとってきたのです。
これからの日々も、あなたに出逢えて良かったと思えるような日々である事を期待します。たくさんのファンが、あなたを待っているのだから。