モーニング娘。のカップリング曲を語る企画。今回は2000年から2005年始めの曲です。
「通学列車」
この曲が収められたシングル「I WISH」のジャケット写真は、私がモーニング娘。シングルのジャケットで一番好きなジャケット。昔、ヤグチがラジオで、私はジャケットにはうるさいんですと前置きして、このシングルとアルバム「No.5」を挙げていました。
一点の光に向かってメンバーが指を向けている。まるで、モーニング娘。新時代へと導いていくかのように。
I WISHではセンターが後藤真希さんと四期メンバーだった。なっちがグループの顔であった時代が一旦終わり、石川梨華ちゃんが翌年クローズアップされ、そして「ミニモニ。」ブームの幕開け直前。そんな時期にリリースされたこの曲は、「通学の途中見かける素敵なあの人」を歌った、あまりに普通な日常ソング。
そんな日常ソングの普通っぷりが心地よい。その普通っぷりに似合うボーカルは、新エースごっちんでも、スーパー中学生辻加護でもなく、実はよっすぃ~だった。
音が大好きな系統だから個人的には中毒曲。映像は2008年のものです。
「ポップコーンラブ」
国民的アイドル時代のモーニング娘。のサウンドはファンキー路線。そのファンキー路線はイコールで「お祭りソング」とイメージ定着されているけれど、実は青春ソングなナンバーもある。その代表がこの曲。
30を超えた男性が書いたとは思いたくない甘酸っぱい歌詞に、それに似つかわしくないファンキーサウンド。しかし、不思議と違和感はない。むしろ、そのサウンドで爽やかさ倍増なフシギ。
こういう曲こそ、今のハロプロ、特にベリキューに歌わせるべきと思います。今年の℃-ute(アルバムも含む)は割とポップコーンラブな世界観を歌い上げている曲があったけれど、ヘリには無い。こういう曲は適齢期があるから、メンバーの入れ換えが基本的には無いグループはタイミングを逃すと出来なくなる。
モーニング娘。はこの曲を2001年にリリース後、なかなかステージ披露せず、タイミングを逃したまま月日は流れたけれど、吉澤ひとみリーダー時代に甦った。六期メンバーがドンピシャ適齢期だったのでした。
亀の甘い歌声、れいなのシャキっとした歌声、サビの結びの腕をぐるぐる回す振り付けで人一倍オーバーアクションなさゆ。六期のおかげで、ポップコーンラブが持つ世界が再び日の目を見た。次、日の目を見るのはいつだろう。誰が表現してくれるだろう。
この曲、元々はモーニング娘。がレギュラーを務めていた音楽番組「musix」で歌われていたものをCD化したもの。その映像も貼っておきます。
http://www.youtube.com/watch?v=asHhiJsSSZw&fmt=18
「恋ING」
私が、モーニング娘。カップリング曲で一番好きな曲。ファンに好きな娘。曲でアンケートをとったら、かなり上位に来るのではないでしょうか。まだ聴いた事がないという人は、是非タイトルをクリックして聴いてみてほしい。(二番が初デートを歌った歌詞と、ストーリー仕立てになっていて、二番の歌詞がとても良いのですが、映像は残念ながらショートバージョンです)
この曲が発表された当時、ソロパートが三人分しかない事が賛否両論になった。高橋愛、藤本美貴は良いとして、なんで亀井なんだ?と疑問視していた人が多かったような記憶があるのだけれど、聴いてみても違和感はない。それどころかハマっている。
けれど、この曲の主役は高橋愛で間違いない。ラストの「恋愛進行形~」という部分は身震いするほど、ボーカルとメロディと歌詞が一体化している。
当時、2003年秋はモーニング娘。の人気に陰りが見え始めていた頃。東京ドームでハロプロスポーツフェスティバルを開催出来た時代だけれど、CDセールスは落ちていた。
大勢でボーカルを回す娘。スタイルはそろそろ飽きられ始め、曲をじっくり聴きたい気分な頃に、三人だけがソロパートを回す曲が現れたのだから、気に入るなというのが難しい。曲に現在進行形でホレた。
なっちの卒業が迫っている娘。だけれど、これからの顔は高橋愛かもしれない。そう確信出来たこの曲は、実はミキティが初めて活躍した娘。曲でもあります。ミキティが娘。メンバーである事に、まだ違和感を感じていた時代の話です。
「出来る女」
敢えて選んでみました。
モーニング娘。カップリング曲の中で、もっともカップリング曲らしいナンバーかもしれない。とりあえず、絶対タイトル曲にはならないタイプ。それだけでも、カップリングである事に大きな意味がある。
つまり、初めからカップリングである事を前提にした潔さがある。
映像は2007春ツアーのもの。このステージで卒業するよっすぃ~の何とマイペースな雰囲気。これぞプロ。これがカップリングの醍醐味。
「ファインエモーション!」
実はモーニング娘。は夏の曲が似合う。この曲はそんな事を再確認させてくれる一曲。
最近のハロプロ曲に欠けている要素の一つである季節感。きっとコンサート会場の観客が冬でも半袖ヲタTだから、歌で季節を出しにくいのかもしれない。なんて事を言ってみたり。
元々はミキティの低音ボーカルがバックと巧くハマっている曲で、その映像を引っ張り出して来ようかと思ったけれど、ジュンジュンとリンリンが輝いているこの映像を貼りました。2009年春ツアーの映像。
春に夏の歌を歌ったりしているから、ますます季節感がおかしくなるのがハロプロ。
「ラヴ&ピース! HEROがやって来たっ。」
モーニング娘。二代目リーダー飯田圭織さんの在籍ラストシングル「THEマンパワー!」のカップリング曲。「愛と平和」は飯田さんの好きな言葉。保田圭ちゃんはカップリングに卒業ソング「Never Foget (Rock Version)」を収録してもらったのに、飯田さんは無しかと思いきや、ちゃんとそういう配慮はされていた。
しかし、歌自体は卒業とかほぼ関係ないポジティブタテ乗りソング。そのタテ乗りゆえに、コンサートでは大盛り上がりになる曲になり、(振り上げる)腕と、(跳びはね過ぎて)足腰にダメージを与えるナンバーに昇華されていきました。
二階席でこの曲を味わうと、会場の造りによっては客席の揺れを味わえます。仙台サンプラザ公演では一階席が揺れたのも体験しました。
ふと思う。この曲は本当はシングルのタイトル曲だったのではないか? 諸般の事情で、THEマンパワー!にその座を譲ったのではないか?
シングルのカップリングに甘んじていながら、どこか誇らしげに「モーニング娘。の代表曲」みたいな風格があるのは、コンサートで大人気曲となり、何度も歌われてきた実績がそう感じさせるのでしょうか。
なんとなく五期メンバー活躍曲に思えるこの曲に相応しい映像は、リンクに貼った2006年春ツアー。モーニング娘。メンバーとしてのラストツアーとなった舞台で輝き弾けるコンコンとマコ。ステージが愛と平和に溢れています。
~次回に続く~