goo

信念

 今日もいつもの通勤電車。
これまたいつも通りに、3人掛けの端っこに座りました。
僕と、空間をひとつ挟んで反対の端に男性が一人。

 うつらうつらしていると、
会社と家の中間あたりの駅で、
ご婦人が三人組で乗り込んできました。
年の頃は70代半ばぐらいかなぁ。

 走り出してすぐに、
ご婦人達はドアの手前辺りに移動。
少し楽しげに雑談を始めました。

 ここで、最初の状況。
3人掛けのシートの反対には男性が一人います。
 この状況が解っていたので、
最初は”三人組”のご婦人に
席を譲るのを躊躇っていたのですが、
見て見ぬ振りは出来なかったんです。
 つい居ても立ってもいられなくなりまして…
ご婦人のうち、お一方の腕に触れた上で

「お座りになりますか?」

 と問いかけると、少し悩んだあと
ご婦人がた、「ありがとう御座います~」と
嬉しそうに座ってくれました。

 そして、まず座られたお二方に
「お二人だけしか座れなくてごめんなさい」

 更に、立って残られたかたに
「なんか申し訳ありません…大丈夫ですか?」

 などと謝りました。
ご婦人方は、笑いながら”ありがとう”と言って下さいました。

 
 ここで、これ以上の事は僕にできませんので
反対側のドア前に立つことにしました。
この後も、ご婦人方の楽しそうな談笑が聞こえて
『楽しそうだ、良かったなぁ~』などと思います。

 ここで、自分の善意を
他人に押しつけるのはどうかとも思うのですが
ちょっと腹が立った、というか
大変に残念な気分になったのはシート端の男性。

 年齢は、30代半ばぐらいでしょうか、
ちょっと不潔…というかんじの臭いのするかた。
髪はボサボサ、ちょっと無能なサラリーマン風。
仕草を見ていると、ご婦人方には気づいて居たようですが
典型的な”見て見ぬ振り”なのですよね。

 それとも、
『なんだあいつ、余計な事しやがって…』ぐらいでしょうか。

 僕が彼に対して憤る理由もありませんし、
彼にしてみれば怒られる理由もないのでしょう。

 でも、とても残念です。
日本ってこういう国なのかなぁ。
日本人ってこういう人種、民族なのかなぁ…。

 でも、僕が逆だったら、
やっぱり見て見ぬ振りはしたくないんです。

 偽善なのかもしれませんが、
僕はこういう”自分の中の正義”に嘘は吐きません。
だって、自分に嘘をついたらそれで終わりでしょう?

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする