3.11以後の日本

混迷する日本のゆくえを多面的に考える

2020.4.17 バルコニー便り 100年前のスペイン風邪

2020-04-17 14:38:29 | 日記
100年前に流行したスペイン風邪についての内務省衛生局の報告書の復刻版が注目されている。
その情報の正しさ、世界の流行の様子を伝えている内容はきわめて精度が高い。アメリカやドイツの豊富な科学的論文を駆使してスペイン風邪の正体、それだけでなく、各国の取り組み、予防や看護の方法、治療の方法にいたるまで詳細にかかれている。驚愕する内容である。100年前にこれほどレベルの高い報告書があるとは!
当時の内務省の官僚や学者たちは欧米に留学をしている。世界学会等に出席し貪欲なまでに学び、自国の保健衛生、感染症対策に生かそうとしたのだろう。
https://www.heibonsha.co.jp/files/tybk0778ss(1).pdf

今のほうがはるかに医療は進んでいるはずであるが、100年前の人びとが未知の感冒にどう立ち向かったかをみると今とまったく遜色ない。
同じような議論がなされ、市民にマスクをするようにとかうがいをたくさんしろ、とか混んだ電車にのるな、遊技場などにはいくな、とか書いてあって、われわれの行動様式はまったくこの100年変わっていないことを知らされるのである。
第1次大戦後、わが国は二次大戦に突っ込んでいく前のほんのわずかの間であるが、豊かで高度な文化を開花させていた。
コロナがやってくる前とはすべてか変わってしまったのでどこへ行こうとしている見えないが、そんなときにまとめられたこの報告書はわれわれに歴史を知ることの重要さを改めて知らしめるのである。歴史のなかにこれからのわれわれが目指すべき道は示されているのかも知れないと思うのである。



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