2015.9.12、の日経新聞から
英国の最大野党・労働党は、臨時党大会を開き、強硬左派の下院議員ジェレミー・コービン氏(66)が新党首に選ばれたと発表した。同氏は反緊縮や格差是正を訴え、党員らの6割近い支持を得た。1990年代以来中道路線を取ってきた同党の大きな転換となる。キャメロン首相率いる保守党の市場経済を重んじる経済政策や欧州連合(EU)離脱の是非を巡る交渉にも影響は及びそうだ。
選出後の演説でコービン氏は「金融危機を利用して、人々に過大な負担を与えた」と現政権の緊縮策を批判。今の英国が一部の富裕層ばかりを遇しているとし、「人々はグロテスクなまでの不平等にうんざりしている。よりよい社会を作ろう」と呼びかけ、党員らから大喝采を浴びた。
コービン氏は選挙戦で、鉄道再国有化や高所得者層への課税強化、核兵器廃絶などを主張。これに対して、90年代にブレア労働党政権下で市場経済とのバランスを重視する「ニュー・レイバー」を掲げてきた労働党幹部らは猛反発した。ブレア元首相自ら「コービン氏が党首になれば労働党は破滅する」と訴えたが、中道路線で保守党との違いがなくなったと感じる人々や生活苦に直面する若年層の不満を集め、人気はかえって高まった。
コービン氏は1983年に下院初当選の大ベテランで、トレードマークは自転車とノーネクタイ。キャメロン首相など40代の若いエリート層出身のリーダーが目立つ最近の英国にあって、庶民出身の“泥臭いリーダー”像を体現する。
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大きな政府のイギリスに回帰するのか。
鉄道の国有化、高所得者層への課税強化。
ブレアは中道路線をとってきたし、キャメロンも結局そういう路線だった。
しかし、いわゆる格差は拡大の一方で、「グロテスクまでの不平等」にうんざりしている国民。
歴史は繰り返すのだろうか。
市場化によって経済危機を乗り越えようとしたが、もう限界で、次なる手は大いなる福祉国家、イギリスの誇りである福祉国家である。
いいなあ。
こういう展開は誰も予想していなかったのかも。
市場経済を重視するのは右も左もそうだったのだから、古くて新しい考え方。
これだけ、格差が拡大すれば、不満もたまり、税金で国民生活の基本は保証するというやり方はすぐれた歴史的英知かもしれないと思われる。
日本も、市場化してお客様は神様などと言わずに最低生活は国家が保障する、医療、福祉、教育、住宅、雇用はとにかく心配いらないという社会の在り方を追求するのはかえって新しいやり方かもしれないのである。
使いきれないほど儲けている人がいる、金持ちだが幸せでない人もいるのだし、そういうお金は税金として取り立てて、教育福祉医療などの社会保障に回しましょう。
子どもの頃、社会で習ったイギリス福祉国家、しかし、その後、アメリカと一緒に弱者切り捨てで経済を立て直してきた。この期に至って、にっちもさっちもいかなくなり、やはりかつての福祉国家の枠組みを新しい形でリフォーム、現代の生活にマッチしたやり方で作り替えれば、けっこうやれると思ったのではないか。
コービン氏は66歳、団塊の世代より少し下の世代。ちょっと期待してしまう。キャメロンなんて40代の若造でしかもエリート。人生も生活もわかっちゃいない。あんな奴に何がわかるっていうんだというところだろうね。
グロテスクなまでの不平等、はやりそうなセリフである。
英国の最大野党・労働党は、臨時党大会を開き、強硬左派の下院議員ジェレミー・コービン氏(66)が新党首に選ばれたと発表した。同氏は反緊縮や格差是正を訴え、党員らの6割近い支持を得た。1990年代以来中道路線を取ってきた同党の大きな転換となる。キャメロン首相率いる保守党の市場経済を重んじる経済政策や欧州連合(EU)離脱の是非を巡る交渉にも影響は及びそうだ。
選出後の演説でコービン氏は「金融危機を利用して、人々に過大な負担を与えた」と現政権の緊縮策を批判。今の英国が一部の富裕層ばかりを遇しているとし、「人々はグロテスクなまでの不平等にうんざりしている。よりよい社会を作ろう」と呼びかけ、党員らから大喝采を浴びた。
コービン氏は選挙戦で、鉄道再国有化や高所得者層への課税強化、核兵器廃絶などを主張。これに対して、90年代にブレア労働党政権下で市場経済とのバランスを重視する「ニュー・レイバー」を掲げてきた労働党幹部らは猛反発した。ブレア元首相自ら「コービン氏が党首になれば労働党は破滅する」と訴えたが、中道路線で保守党との違いがなくなったと感じる人々や生活苦に直面する若年層の不満を集め、人気はかえって高まった。
コービン氏は1983年に下院初当選の大ベテランで、トレードマークは自転車とノーネクタイ。キャメロン首相など40代の若いエリート層出身のリーダーが目立つ最近の英国にあって、庶民出身の“泥臭いリーダー”像を体現する。
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大きな政府のイギリスに回帰するのか。
鉄道の国有化、高所得者層への課税強化。
ブレアは中道路線をとってきたし、キャメロンも結局そういう路線だった。
しかし、いわゆる格差は拡大の一方で、「グロテスクまでの不平等」にうんざりしている国民。
歴史は繰り返すのだろうか。
市場化によって経済危機を乗り越えようとしたが、もう限界で、次なる手は大いなる福祉国家、イギリスの誇りである福祉国家である。
いいなあ。
こういう展開は誰も予想していなかったのかも。
市場経済を重視するのは右も左もそうだったのだから、古くて新しい考え方。
これだけ、格差が拡大すれば、不満もたまり、税金で国民生活の基本は保証するというやり方はすぐれた歴史的英知かもしれないと思われる。
日本も、市場化してお客様は神様などと言わずに最低生活は国家が保障する、医療、福祉、教育、住宅、雇用はとにかく心配いらないという社会の在り方を追求するのはかえって新しいやり方かもしれないのである。
使いきれないほど儲けている人がいる、金持ちだが幸せでない人もいるのだし、そういうお金は税金として取り立てて、教育福祉医療などの社会保障に回しましょう。
子どもの頃、社会で習ったイギリス福祉国家、しかし、その後、アメリカと一緒に弱者切り捨てで経済を立て直してきた。この期に至って、にっちもさっちもいかなくなり、やはりかつての福祉国家の枠組みを新しい形でリフォーム、現代の生活にマッチしたやり方で作り替えれば、けっこうやれると思ったのではないか。
コービン氏は66歳、団塊の世代より少し下の世代。ちょっと期待してしまう。キャメロンなんて40代の若造でしかもエリート。人生も生活もわかっちゃいない。あんな奴に何がわかるっていうんだというところだろうね。
グロテスクなまでの不平等、はやりそうなセリフである。