ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



娯座楼
静岡県浜松市中区肴町317
2019(令和元)10月7日

肴町(さかなまち)通りの中程にあった「娯座楼」という料理店。写真の建物は2020年に取り壊されて、店は2021年4月に建て直されたビルでリニューアルオープンした。
かなり古風な外観である。平らな屋根の屋上があるのでRC造と思える。1階正面は前に出ていて、その上はベランダ、その手すりの中央にモルタルの飾り板が付いている。タイル貼りの壁、2階の窓の縁取り、1階の浅い庇と持送り。
『日本近代建築総覧』に「植村紙店、肴町、RC2」というのが載っている。ヤフー地図に娯座楼の後に「㈱植村屋紙店」がある。そのさらに後が「植村屋ビル」という3階建で飲食店が数軒入っているビルである。『総覧』の植村紙店が写真の建物ということはないだろうか?

娯座楼の左にちょっと写っているのが「メルカートビル」で、看板の「メルカート マブチ」は酒屋。看板には「間淵商店」とも書いてある。この建物が令和3年に「浜松地域遺産」に認定された「間淵商店主屋」と思われる。『中日新聞2021.03.22』の地域遺産の記事に、「江戸中期から続く酒類販売店「間渕商店」が一九二七年に建てた本社ビルは、日本初の鉄筋コンクリート造りの商店を建設した竹中工務店(大阪)が手掛けた。重厚な造りの社屋の社長室には、シャンデリアやステンドグラスが当時のまま飾られている。」とある。外観はきれいなので普通に新しい建物と見てしまい、昭和2年建築とは思わず写真も撮らなかった。浜松市の空襲と艦砲射撃から残ったのなら、隣の娯座楼も同じく、と考えがいってしまう。


間淵商店主屋。浜松市中区肴町317。ストリートビュー(2019年7月)より

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