ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




東京中央郵便局。千代田区丸の内2-7。1986(昭和61)年9月23日

『日本近代建築総覧』では「建築年=昭和8(1933)年、構造=SRC5階建、設計者=吉田鉄郎、施工=銭高組/大倉土木」。竣工時の住所は「東京市麹町区丸ノ内2-3」である。
2006年5月に日本建築学会が日本郵政に出した『保存要望書』で、もう少し細かく見ると、建物が竣工したのは1931(昭和 6)年12 月25日、地下1階塔屋付きというが、塔屋がどれになるのか判らない。機械を据え付けるなどの内装工事に手間取ったのだろう、竣工のちょうど2年後、1933(昭和8)年12月25日に営業を開始した。
土木建築工事画報昭和7年12月号』の「東京中央郵便局新築工事概要」によると、基礎工事が銭高組、建物が大倉土木の施工になるようである。
「要望書」を見ると、東京中央郵便局が、郵便物の集配と仕訳、配送という物流センターとしての機能という、一般の事務所ビルにない機能があったことに改めて気が付く。一方で、東京駅前広場の景観を受け持つファサードのデザインにも意を凝らしていることも重視している。ぼくは東京中央郵便局に特にこれという感慨はもったことはなかったのだが、今になって「吉田鉄郎の傑作、代表作」という目で見るようになった。
1-3階と4-5階ではその高さが異なる。1-3階は仕訳や集配送などの業務の空間であるためで、それが窓の大きさに現れている。4-5階の間の軒の水平線によって、視線が横にいってしまうことで、その高さの違いに気が付かないという効用があるような気がする。


東京中央郵便局。1986(昭和61)年9月23日


左:1992(平成4)年3月8日
右:2003(平成15)年1月4日

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