ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




同發菓子工場。横浜市中区山下町95。2009(平成21)年7月26日

本町通りの西の裏通りになるシルク通りの東端にある倉庫だったと思われる建物。写真左に行くとすぐ中華街で、同發菓子工場の後は「横浜中華街パーキング」という大きなビルの駐車場。「中華菜館 同發」は横浜中華街の広東料理の大型店。中華菓子や点心の売店もある。「同發菓子工場」というから月餅や肉まん等を作っていると思われるが、よく分らない。
週刊 横濱80’s>同發菓子工場が「工場」の建物について詳細に調べていて、昭和2年頃に建てられたナブホルツ商会の生糸倉庫だった可能性があるとしている。『横濱80’s』が参考資料の1つにしている『開港のひろば第59号、「横浜の外国商館」展余話』(横浜開港資料館発行)』に「山下町95番地に1887年(明治20年)から1931年(昭和6年)まで生糸の輸出と時計の輸入製造販売を行っていたスイス系商社のナブホルツ商会(Nabholz & Co)」という記述があるそうだ。1931年以降は、「絹・人絹織物の輸出を行っていたインド系商社のキシンチャンド・チェララム商会、ジ・ラムチャンド商会、ウトマル・エンド・アスダマル商会の三社」が進出する。
開港のひろば第127号』には、横浜の政財界が関東大震災で神戸へ去ったインド商人を呼び戻すべく、「横浜市の低金利融資を受けた日本絹業協会が、住居・店舗・倉庫一体型で、すぐに商売を始められるインド商人専用の建物を建設した」とある。同發菓子工場の建物がその1棟かもしれない、ということだ。
「シルク通り」の名称は生糸の貿易商がこの通りを中心に多数あったことによるのだろう。写真の建物が同發のものになったのは1970年代前半という。

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