ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 



清水灯台
静岡県静岡市清水区三保2109
2014(平成26)年11月28日

清水灯台(三保灯台)は三保の松原の「羽衣の松」から2.5km程北にある。付け根から北へ延びる三保半島が西へ曲がる所で、清水港へ向かう船はみなこの灯台に向かって進むことになる。灯台のある半島の曲がり角は「吹合ノ岬」という地名がある。
清水町(現静岡市清水区)は、町の発展は清水港に寄る、ということで明治後期から国にも働きかけて清水港の整備を進め、その関連で灯台の建設にも熱心だったようだ。清水灯台は1912(明治45)年3月1日点灯式が行われた。逓信省航路標識管理所の設計施工で、日本初のRC造の灯台。高さ約18mで八角形平面をした割と小さな灯台だ。
2009(平成21)年2月に経済産業省の「近代化産業遺産」に指定され、2010(平成22)年11月には、「土木学会推奨遺産」の認定を受けている。そして2022(令和4)年9月に国の重要文化財に指定された。
清水区情報誌イノセント>平成24年3月しみず灯台』によると、建設当初の光源は「石油白熱灯」(石油を燃やすものだろうか?)、大正6年に電灯化された。光源を回転させる装置は、ワイヤの先に重りを付けたものが落ちる力を使っていたが、昭和29年に電動化した。灯台守はいろいろと忙しかったようだ。1995(平成7)年3月に無人化された。灯台の横に官舎があり、灯台守は家族でそこで暮らしたようだ。絵はがきに見られる官舎は、洋風の平屋の民家である。取り壊すこともなかったように思うが、勝手に住む人が出てくるのを恐れるのだろう。

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