ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 





東京大学史料編纂所。文京区本郷7-3
2019(平成31)年4月18日

建物は「東京大学総合図書館」で、その正面から見て右後ろに伸びている横側が「史料編纂所」という部署が使っている。つまり「設計者=内田祥三、施工者=大林組、建設年=昭和3年(1928)、構造=RC3階建」になる。
東京大学資料編纂所』によると、料編纂所は「古代から明治維新期にいたる前近代の日本史史料を研究する研究所です。国内外に所在する史料の調査・収集と分析をおこない、これを日本史の基幹史料集として編纂・公開しています」ということだ。
『東京大学本郷キャンパス』(東京大学出版会、2018年、2800円+税)には「(総合図書館の)隣の史料編纂所は大日本帝国の公的な歴史を編む場所であった。/その真下に位置する明治新聞雑誌文庫(1927年開設)は少し変わった存在で、大日本帝国のあり方に再考を迫った法学部教授吉野作造を中心に1924年に結成された明治文化研究会の後押しによって生まれた。いわば獅子身中の虫のようなところがあり、文庫の世話役には宮武骸骨というそれにふさわしい在野にして反骨のジャーナリストが雇われた」と説明されている。戦前は、史料編纂所は日本の歴史を肯定的に見るのに対して、明治新聞雑誌文庫は反対の立場だった、ということだろうか? 

史料編纂所の反対側、総合図書館の正面から左後ろに伸びている横側は「情報学環・学際情報学府」と「社会学研究所」が使っている。
『東京大学本郷キャンパス』には、「社会科学研究所は1946年8月に創設され、図書館の2階の5室で活動を開始。1954年4月に現在の建物が完成し、引き渡された。新聞研究所は1949年の創立、1953年図書館に隣接する場所に拠点を得た」とある。新聞研究所が現在の情報学環だ。総合図書館として一体の建物に見えるが、東南の部分は戦後の増築で、1953(昭和28)年に完成した、ということだ。
さらに、南側の教育学部の建物は1955年に完成したようだ。また、図書館の中庭には今では2棟の高層のビルが建っている。これら一連の建造物群は「図書館団地」と総称される。


東京大学教育学部。2019(平成31)年4月18日

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