ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




山北駅。神奈川県足柄上郡山北町山北。2016(平成28)年4月22日

JR御殿場線の山北(やまきた)駅は東海道線の駅として1889(明治22)年に開業した。1934(昭和9)年12月に丹那トンネルが開通するまで44年間、日本の大動脈たる東海道線の全列車がこの田舎駅に停車した。この駅で山超えのための機関車を増結し、石炭と水を積み込んだのである。昭和初期には「山北機関区」で働く職員は650人にもなったという。旅客列車が着くたびに鮎寿司弁当や山北産のみかんは飛ぶように売れたのではないかと思う。
今、その賑わいをかろうじて伝えるのは、駅構内の広さと駅前広場に向かって建つ2棟の洋風看板建築くらいだ。
駅舎は関東大震災で大破した後、1924(大正13)年に建て直されたもの。
御殿場線歴史的痕跡探訪記 ~國府津-山北間編 明治頌歌』に『山北町史』に拠るとして、関東大震災の被害が引用されている。それによると、液状化現象によると思われるが駅構内が水浸しになり、構内にあった貨車29両が転覆し、荷役停車中の貨物列車が脱線したという。



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