ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




藤村屋。台東区谷中7-3。1990(平成2)年9月16日

谷中霊園のほぼ中央を南北に通っている桜並木のメインストリート(中央園路、さくら通り)を南から入ると、お茶屋が6軒、集中している。どれも古い日本家屋で、映画村にでも来たような感じになるおもしろい景観だ。一般には「花屋」ということが多いと思うが、『 谷根千7号(1986年発行)』の「墓地の茶屋」を読んでみると、谷中霊園では「お茶屋さん」というのが慣習らしい。
藤村屋は『東京都の近代和風建築』(東京都教育庁編集、2009年)では「藤村屋、店舗一般住宅、木造2階建瓦葺、建築年=明治」で、『谷根千7号』では明治8年の建築。また、ネットでは「明治28年創業」とある。勘定が合わないが誤植かインプットミスだろうか。1階の庇の角、木の枝の間に見えるのはガス灯。貴重なものだと思うが、当初からの位置なのか、雨ざらしの外に出ている。今は下見板の壁を黒く塗っている。


藤村屋。台東区谷中7-3。1990(平成2)年2月18日



金子屋。谷中7-3。1990(平成2)年2月18日

金子屋は平屋の住居のようなお茶屋。『東京都の近代和風建築』では「金子屋、店舗一般住宅、木造2〈ママ〉階建瓦葺、建築年=明治42年」。『谷根千7号』では、明治16年創業。「店内に大正の軒燈と五重塔内陣欄間の焼け残りがある」という。




坂本屋。台東区谷中7-3
上:1990(平成2)年9月16日
左:1990(平成2)年2月18日

総2階建て入母屋屋根のお茶屋。『東京都の近代和風建築』では「坂本屋、店舗一般住宅、木造2階建瓦葺、建築年=昭和9年」。現在は下見板の壁がモルタル壁に改修されている。

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