ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




旭プロセス製版。台東区谷中3-7。2007(平成19)年12月1日

不忍通りの千代田線千駄木駅そばにあるNTT駒込電話局の裏手、よみせ通りにのこぎり屋根の工場だった建物があった。撮影時は旭プロセス製版という製版会社が使っていた。この建物については『月刊のこぎり屋根』というサイトでわりと詳しく知ることができる。
のこぎり(鋸)屋根という言葉は俗語のような感じがするがちゃんとした建築用語らしい。日光を室内に取り込むための形である。それなら屋根の窓は南に開いているのだろうとぼくは思っていたが誤解だった。安定した明るさが必要なので窓は北向きに開いている。
1911(明治43)年に建てられた「千代田リボン製織」という織物工場だった建物で、その会社は1954年(昭和29)に廃業したが、工場は1966(昭和41)年まで操業していたらしい。建物は3×7間の小屋を南北方向に5棟並べた木造の構造。古い航空写真を見ると東に隣接して12間幅くらいのやはり5棟の鋸屋根工場が写っている。産業遺産として保存活動があったが、2013年9月に取り壊され、今はマンション建設計画が問題になっている。


旭プロセス製版。谷中3-7。2007(平成19)年12月1日

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