ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




キッコーマン稲荷蔵。千葉県野田市野田250。2006(平成18)年3月18日

県道17号流山街道沿いのキッコーマン本社の裏側には茂木本家・茂木七左衛門邸や古い仕込倉が残っていて、その茂木本家母屋を中心に周囲の古い建造物がまとめて平成22年に国登録有形文化財に登録された。写真の巨大な木造建築が「旧仕込倉」ではないかと思う。『 千葉県>千葉県教育委員会>茂木本家住宅母屋ほか』によると、大正前期の建造で木造平屋建、瓦葺。現在は倉庫に使っているという。
「稲荷蔵」は『 時空散歩>野田散歩;醤油醸造の文化遺産を辿る』などで知った名称。観光地図などにある名称だろうか。そばに稲荷神社があるのだろう。千葉県教育委員会のサイトには「(茂木本家母屋の)西側に旧仕込倉や旧米倉、稲荷神社」とある。本稿はその旧仕込倉として話を進めているが「旧米倉」だったということはないだろうな。


キッコーマン稲荷蔵。2006(平成18)年3月18日



キッコーマン旧本社跡。野田市野田339。2006(平成18)年3月18日

稲荷蔵の向かい側には古い門と塀が残されている。キッコーマン本社があったが場所である。1999(平成11)年に流山街道沿いの今の場所に新社屋が竣工して移転した。旧本社の建物は『日本近代建築総覧』に「キッコーマン醤油K.K.本店、野田市野田339、建築年=1927(昭和2)年、木造2階建、設計=佐藤良吉、施工=直営」とある。『千葉県の近代産業遺跡>失われた近代建築>キッコーマン旧本社』でその写真を見ると、木造とは見えず、色の具合でスクラッチタイル張りのRC造のビルに見える。設計者の佐藤良吉は千葉県教育委員会のサイトに、茂木本家邸の設計者で「宮大工の流れを汲む建築家」と説明されていて、白漆喰の城のような「御用醤油醸造所」も彼の設計。
『千葉県の近代産業遺跡』では、旧本社の東に洋館が建っていたのが判る。社長の自宅だったものだろうか? 上写真中央に見える門は、その洋館のものだったようだ。

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