ぼくの近代建築コレクション
東京の都心と下町を中心に、戦前に建てられた古い建物の写真を投稿していきます。
 




蔵前変電所。台東区蔵前2-9
2003(平成3)年11月16日

蔵前というと大相撲が連想される、などと言っても今ではほとんど通用しないだろうが、その蔵前国技館があったところは東京都下水事務所(蔵前ポンプ所)になり、その北に東京電力の蔵前変電所がある。写真の建物は1933(昭和8)年に竣工した建物。事務所棟には見えないから、中に変圧器などを収めた建屋なのだろう。今も機械が入っていて働いているのどうかは分からない。
ここは東電の前身、東京電燈株式会社が1895(明治28)年に浅草発電所を建てたところである。そのさい、ドイツのAEG製交流発電機を導入したが、それが交流50Hzの始まりだという。関東大震災で倒壊した後は、発電所は千住に新設して移された。
建物のデザインはもしかして、1930年代に流行ったというか、幾つかの実作がある「新古典主義」だろうか。第一生命相互館(渡辺仁+松本与作、1938年)、国鉄上野駅(鉄道省、1932年)、日本劇場(渡辺仁、1933)などと共通する気分を感じる。
『Clocks & Clouda>蔵前変電所(2012.12.08)』には、『東京電燈株式会社五十年史』(1936年)から、発電から消費の流れの中で第二次変電所として、竣工まもない蔵前変電所の写真が紹介されている。

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