永遠女子高生・22
《渡良瀬野乃・13・どないしょう!?》
京橋たこ焼きタイトルマッチ!!
商店街のポスターが目に留まった。
早食いとフィギュアの二部門がある。早食いは規定の15分でどれだけたくさんたこ焼きが食べられるか。フィギュアは、いかに美しく面白く楽しくたこ焼きを食べられるか、それを芸術点や技術点で得点をつけるようだ。
《渡良瀬野乃・13・どないしょう!?》

京橋たこ焼きタイトルマッチ!!
商店街のポスターが目に留まった。
早食いとフィギュアの二部門がある。早食いは規定の15分でどれだけたくさんたこ焼きが食べられるか。フィギュアは、いかに美しく面白く楽しくたこ焼きを食べられるか、それを芸術点や技術点で得点をつけるようだ。
「やあ、こないだあやめちゃんといっしょに食べに来てくれた子やんか!」
ポスターを貼り終えたおばちゃんが声をかけてきた。
「あ、たこ焼屋のおばちゃん!」
「会長さん、この子、この子!」
肉屋の前でポスターを貼っていたおっちゃんが振り返る。
「せや、あんたや。あんたのお蔭でアイデア浮かんでな。たこ焼きタイトルマッチにフィギュアを入れることになってん!」
「どないやろ、これもなんかの縁。タイトルマッチに出てくれへん?」
「え、あたし!?」
「うん、あんたやったら、別にエキシビジョンにしてもええよ」
いつのまにか、商店会の役員やら子どもたちが集まり、買い物客のオバチャンたちも振り返り、なぜかカメラと音声さんを先頭にテレビクルーまでやってきた。
「京橋商店街街おこしイベントの取材に来ておりましたが、おりよく京橋たこ焼きタイトルマッチの出場者第一号決定の現場に出くわしました! ただ今から、そのホットなニュースをお伝えしたいと思います」
アナウンサーが、人垣をかき分けて野乃に近づいてきた。
どないしょう!?
頭の中に秀一とあやめの姿が浮かんだ。きのう屋上のダクトから秀一とあやめがスキンシップしているのを聞いてしまった。
二人はいとこ同士だけども、深い愛情で結ばれていることが分かった。いとこ同士は結婚もできる。もう、自分が割って入る隙間なんかない。そう感じた。
いまさら少女像のモデルを辞めるわけにもいかないが、負けと分かりつつ続けるのは悲しかった。秀一の前で明るく振る舞うのも難しいように思う。
そうや、元の自分にもどろ! マニッシュ野乃や! しおらしい女子高生なんかヤンペや!
「はい、たった今、京橋たこ焼きタイトルマッチ、ノミネート第一号になりました。京橋高校2年の渡良瀬野乃です。出場するかぎり、優勝はあたしです! 我と思わん人はかかってきなっさいー! そこのたこ焼き食べてる小学生、一個投げてくれる!?」
京橋界隈は、大人も子供もノリがいい。野乃の意図を瞬時に理解して盛り上がった。
「おネーチャン、いくで!」
小学生がランドセルを揺すりながら、たこ焼を日本女子バレーのようにサーブした。
「おー、まかしときいー!」
野乃はフィギュアスケートのように空中三回転ジャンプし、見事にトトロのように口を開けてたこ焼きをキャッチした!
商店街のオーディエンスからは盛大な拍手が起こり、そのさまはライブでテレビ中継されたのだった。
ポスターを貼り終えたおばちゃんが声をかけてきた。
「あ、たこ焼屋のおばちゃん!」
「会長さん、この子、この子!」
肉屋の前でポスターを貼っていたおっちゃんが振り返る。
「せや、あんたや。あんたのお蔭でアイデア浮かんでな。たこ焼きタイトルマッチにフィギュアを入れることになってん!」
「どないやろ、これもなんかの縁。タイトルマッチに出てくれへん?」
「え、あたし!?」
「うん、あんたやったら、別にエキシビジョンにしてもええよ」
いつのまにか、商店会の役員やら子どもたちが集まり、買い物客のオバチャンたちも振り返り、なぜかカメラと音声さんを先頭にテレビクルーまでやってきた。
「京橋商店街街おこしイベントの取材に来ておりましたが、おりよく京橋たこ焼きタイトルマッチの出場者第一号決定の現場に出くわしました! ただ今から、そのホットなニュースをお伝えしたいと思います」
アナウンサーが、人垣をかき分けて野乃に近づいてきた。
どないしょう!?
頭の中に秀一とあやめの姿が浮かんだ。きのう屋上のダクトから秀一とあやめがスキンシップしているのを聞いてしまった。
二人はいとこ同士だけども、深い愛情で結ばれていることが分かった。いとこ同士は結婚もできる。もう、自分が割って入る隙間なんかない。そう感じた。
いまさら少女像のモデルを辞めるわけにもいかないが、負けと分かりつつ続けるのは悲しかった。秀一の前で明るく振る舞うのも難しいように思う。
そうや、元の自分にもどろ! マニッシュ野乃や! しおらしい女子高生なんかヤンペや!
「はい、たった今、京橋たこ焼きタイトルマッチ、ノミネート第一号になりました。京橋高校2年の渡良瀬野乃です。出場するかぎり、優勝はあたしです! 我と思わん人はかかってきなっさいー! そこのたこ焼き食べてる小学生、一個投げてくれる!?」
京橋界隈は、大人も子供もノリがいい。野乃の意図を瞬時に理解して盛り上がった。
「おネーチャン、いくで!」
小学生がランドセルを揺すりながら、たこ焼を日本女子バレーのようにサーブした。
「おー、まかしときいー!」
野乃はフィギュアスケートのように空中三回転ジャンプし、見事にトトロのように口を開けてたこ焼きをキャッチした!
商店街のオーディエンスからは盛大な拍手が起こり、そのさまはライブでテレビ中継されたのだった。