昨夜、NHKハイビジョンで「にせの花作り女」を観ました。
私が初めてこのオペラを知ったのは、LP時代に聴いたイッセルシュテットのドイツ語版。
たしかそのLPでは、「恋の花作り」というタイトルだったと思います。
なかなか魅力的な曲だとは思ったのですが、その後ほとんど聴く機会がありませんでした。
このオペラは、やはり音だけではなく映像付がいいですね。
非常に楽しめました。
アーノンクールを迎えたときのチューリヒオペラは、本当に水準が高いです。
実力をもつ歌手がそれぞれのアリアを素晴らしく歌うだけではなく、常に理想的なアンサンブルを披露してくれることが、何より素晴らしい。
そして、オケの響きも古楽器風の響きを感じさせつつ、決して「颯爽と速いテンポで・・・」という印象に終わらないところが、さすがにアーノンクール。
音楽が強く訴えかける箇所は、ことごとく見事にえぐってみせてくれます。
絶対単調な表現にはなりません。
一見シンプルにみえる箇所でも、「あー、こんな表現があったんだ」と感じさせてくれるのは、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでもお馴染みですよね。
今回の「にせの花作り女」は、私があまり好まない所謂現代的な演出でしたが、あまり違和感はありませんでした。
歌手たちがみんな自分の役柄を活き活きと演じていたことが最も大きいとは思いますが、このオペラは、比較的そういったタイプの演出も受け入れてくれる作品なのかもしれません。
また第2幕で、セルペッタが歌っている最中、サンドリーナが誘拐されるシーンを映像を使って見せるあたりは、非常に効果的な演出だと思いました。
歌手で目立っていたのは、エヴァ・メイとイザベル・レイ。
ともに美人で舞台栄えすることに加え歌唱が立派で、演技もとても上手です。
ほとんど同じメンバーで演奏した「フィガロの結婚」の躍動感に溢れた名演を彷彿させます。
とくにエヴァ・メイは、私のお気に入りのソプラノのひとりなんですが、ヴィブラートの少ない美しくコントロールされた声は、いつ聴いても魅力的です。
彼女の歌を聴いていると、どこか器楽を聴いているような気持ちになります。
それも弦楽器ではなく管楽器のイメージ。
そういえば、エヴァ・メイは来月ローマ歌劇場の来日公演でジルダを歌うんですよね。
きっと繊細で心やさしい素敵なジルダなんだろうな・・・。
<配役>
■市長 ドン・アンキーゼ : ルドルフ・シャシング
■サンドリーナ (花作り女) : エヴァ・メイ
■ベルフィオーレ伯爵 : クリストフ・シュトレール
■アルミンダ (市長のめい) : イザベル・レイ
■騎士ラミーロ : リリアーナ・ニキテアヌ
■セルペッタ : ユリア・クライター
■ナルド : ガブリエル・ベルムデス
<演奏>
■管弦楽 : チューリヒ歌劇場・シンティルラ管弦楽団
■指 揮 : ニコラウス・アーノンクール
■美 術 : ロルフ・グリッテンベルク
■演 出 : トビアス・モレッティ
<録音>
■ 2006年2月23/25日, チューリヒ歌劇場 (スイス)
《あらすじ》
伯爵令嬢ヴィオランテは、かつて恋人だったベルフィオーレ伯爵と仲違いし、彼に刺されてしまった。
伯爵からは死んだものと思われているが、実は生きていて、今はラゴネーロの市長の家に雇われ、 サンドリーナと名乗って女庭師の仕事をしている。
そこにベルフィオーレ伯爵が許婚者としてアルミンダを伴ってやってくる。 再会した二人はやがて再び愛し合うようになるが、サンドリーナを恋する市長や ベルフィオーレ伯爵をあきらめきれないアルミンダたちとの間で混乱と争いが起きる。
しかし最後には二人は結ばれ大団円を迎える。
(「NHKハイビジョン クラシック館」の解説記事より)
私が初めてこのオペラを知ったのは、LP時代に聴いたイッセルシュテットのドイツ語版。
たしかそのLPでは、「恋の花作り」というタイトルだったと思います。
なかなか魅力的な曲だとは思ったのですが、その後ほとんど聴く機会がありませんでした。
このオペラは、やはり音だけではなく映像付がいいですね。
非常に楽しめました。
アーノンクールを迎えたときのチューリヒオペラは、本当に水準が高いです。
実力をもつ歌手がそれぞれのアリアを素晴らしく歌うだけではなく、常に理想的なアンサンブルを披露してくれることが、何より素晴らしい。
そして、オケの響きも古楽器風の響きを感じさせつつ、決して「颯爽と速いテンポで・・・」という印象に終わらないところが、さすがにアーノンクール。
音楽が強く訴えかける箇所は、ことごとく見事にえぐってみせてくれます。
絶対単調な表現にはなりません。
一見シンプルにみえる箇所でも、「あー、こんな表現があったんだ」と感じさせてくれるのは、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでもお馴染みですよね。
今回の「にせの花作り女」は、私があまり好まない所謂現代的な演出でしたが、あまり違和感はありませんでした。
歌手たちがみんな自分の役柄を活き活きと演じていたことが最も大きいとは思いますが、このオペラは、比較的そういったタイプの演出も受け入れてくれる作品なのかもしれません。
また第2幕で、セルペッタが歌っている最中、サンドリーナが誘拐されるシーンを映像を使って見せるあたりは、非常に効果的な演出だと思いました。
歌手で目立っていたのは、エヴァ・メイとイザベル・レイ。
ともに美人で舞台栄えすることに加え歌唱が立派で、演技もとても上手です。
ほとんど同じメンバーで演奏した「フィガロの結婚」の躍動感に溢れた名演を彷彿させます。
とくにエヴァ・メイは、私のお気に入りのソプラノのひとりなんですが、ヴィブラートの少ない美しくコントロールされた声は、いつ聴いても魅力的です。
彼女の歌を聴いていると、どこか器楽を聴いているような気持ちになります。
それも弦楽器ではなく管楽器のイメージ。
そういえば、エヴァ・メイは来月ローマ歌劇場の来日公演でジルダを歌うんですよね。
きっと繊細で心やさしい素敵なジルダなんだろうな・・・。
<配役>
■市長 ドン・アンキーゼ : ルドルフ・シャシング
■サンドリーナ (花作り女) : エヴァ・メイ
■ベルフィオーレ伯爵 : クリストフ・シュトレール
■アルミンダ (市長のめい) : イザベル・レイ
■騎士ラミーロ : リリアーナ・ニキテアヌ
■セルペッタ : ユリア・クライター
■ナルド : ガブリエル・ベルムデス
<演奏>
■管弦楽 : チューリヒ歌劇場・シンティルラ管弦楽団
■指 揮 : ニコラウス・アーノンクール
■美 術 : ロルフ・グリッテンベルク
■演 出 : トビアス・モレッティ
<録音>
■ 2006年2月23/25日, チューリヒ歌劇場 (スイス)
《あらすじ》
伯爵令嬢ヴィオランテは、かつて恋人だったベルフィオーレ伯爵と仲違いし、彼に刺されてしまった。
伯爵からは死んだものと思われているが、実は生きていて、今はラゴネーロの市長の家に雇われ、 サンドリーナと名乗って女庭師の仕事をしている。
そこにベルフィオーレ伯爵が許婚者としてアルミンダを伴ってやってくる。 再会した二人はやがて再び愛し合うようになるが、サンドリーナを恋する市長や ベルフィオーレ伯爵をあきらめきれないアルミンダたちとの間で混乱と争いが起きる。
しかし最後には二人は結ばれ大団円を迎える。
(「NHKハイビジョン クラシック館」の解説記事より)
私も彼女大好きです!といいたくて(笑)
昨年アーノンクールの演奏会で生で聴いて更に大感動した覚えがあります。
たしか今秋、オペラで日本に来ますよね?
もしかして行かれたりするんでしょうか。
しかしこんなにステキな演奏会の放映ばかりならBSを早く導入しなくては!と思います。
早速コメントいただいて、とても嬉しいです。Zauber-tonさまもエヴァ・メイのファンでしたか。
なんだか、とても嬉しいなあ。
実演で聴いたことはないのですが、彼女はアーノンクールの大のお気に入りのようですね。
また、9月にローマ歌劇場の来日公演でジルダを歌うようです。
直前に、もし安い席がゲットできたら、是非行きたいと思っております・・・。
(ちょっと行きすぎかなあ・・・。柄にもなく少し気にしているのです(笑))
「恋の花作り」は、確かドイツ語版の題名だったと思います。このオペラ、イタリア語版とドイツ語版とそれぞれ書かれていて、イタリア語版が La finta giardiniella とかなんとか言うのに対して、ドイツ語版だと Die Gaertnerin aus Liebe とかなんとか。 finta は「ニセ」という意味で、Liebe は「愛」、ですね。だからどちらも原題に正確なわけで.....ああ、ややこしい(笑)
個人的にはイタリア語版の方が聞いてて響きが好きなのですが、ドイツ語版の題名の方が洒落てていいですよね。
ではでは、今後とも宜しく御願いします。
ようこそおいでくださいました。
このオペラのタイトルについて、分かり易く教示いただき、本当にありがとうございます。
でも日本語の響きで言うと、「恋の花作り」の方が、ロマンがあっていいような・・・。
タイトルはさておき、この作品、美しいアリアがとても多いんですよね。
アンサンブルもよく出来ているし・・・。
唯一の不満は、エンディングがあまりに簡単すぎることでしょうか。
でも、もっと上演されていいオペラだと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。