オリジナル・ジャケット・コレクション
ワルターのマーラー&ブルックナー:交響曲集(13CD)から、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を聴きました。
<曲目>
ブルックナー:交響曲第4番『ロマンティック』
<演奏>
ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団
(1960年2月録音)
ワルターのブルックナーといえば、学生時代にワルター狂の友人から9番のLPを借りて、何度も聴いてみたのですが、どうもしっくりこなかった。
特に第二楽章が、「巨人の歩み」みたいに聴こえて、私の感性と全く合わなかったのです。
この部分はさすがにシューリヒトとジュリーニの旧盤が最高です。
そんな体験があるものですから、ワルターのブルックナーは1枚もLPもCDも買わずじまいで今まで来ました。でも、いつの日か、もう一度じっくり聴いてみないといけないとも思っていました。そんな折、このアルバムが最新のリマスタリングで音質も向上しているとの評判を聴き、前回ご紹介したセルのベートーベン全集と併せて購入したものです。
この「ロマンティック」は初めて聴きましたが、予想以上に音はいいです。
また、60年以降のワルターといえば微温的でどちらかというと女性的な印象を持っていたのですが、いい意味で裏切られました。むしろ雄弁なブルックナーだと思います。
第1楽章冒頭、例のブルックナー開始のトレモロに合わせてホルンがテーマを吹くんですが、この弦楽器のトレモロが雄弁なんです。下降しながらこれだけ大胆にクレッシェンドさせる演奏は他に聴いたことがありません。そのため、非常に彫りの深い表現になっています。そのあとも、ブラスは常に力強く咆哮し、最後のコーダも大きなクライマックスを築いて終わります。
第2楽章は、ワルターの「歌」が大いに活かされた演奏で、まさに森の中を散策しているような気持ちにさせられます。
第3楽章は、一転して力強い狩りの歌が聴けます。ただ、ブラスが少し粗いのが残念。(強奏させすぎか?)
第4楽章は、力強さと優しさを兼ね備えた見事な演奏だと思います。特に2分50秒くらいから現れる主題の扱い、および8分30秒くらいから転調しつつ各楽章のテーマが出てくるところの表現は、本当に美しいです。
というわけで、まだトラウマの9番は聴いていないですが、ワルターのブルックナーに対するアレルギーは消えそうです。ただ、今回の「ロマンティック」にも残念な点があります。
それは、音質が予想外によかったせいもあるのですが、弦楽器の音の薄さと金管楽器の粗さが露呈してしまっていることです。録音専用のオーケストラの宿命かもしれませんね。
この曲の私のベストは、今もってクーベリック&バイエルン放送交響楽団の演奏です。
この演奏については、また日を改めて述べたいと思います。
ワルターのマーラー&ブルックナー:交響曲集(13CD)から、ブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」を聴きました。
<曲目>
ブルックナー:交響曲第4番『ロマンティック』
<演奏>
ブルーノ・ワルター指揮 コロンビア交響楽団
(1960年2月録音)
ワルターのブルックナーといえば、学生時代にワルター狂の友人から9番のLPを借りて、何度も聴いてみたのですが、どうもしっくりこなかった。
特に第二楽章が、「巨人の歩み」みたいに聴こえて、私の感性と全く合わなかったのです。
この部分はさすがにシューリヒトとジュリーニの旧盤が最高です。
そんな体験があるものですから、ワルターのブルックナーは1枚もLPもCDも買わずじまいで今まで来ました。でも、いつの日か、もう一度じっくり聴いてみないといけないとも思っていました。そんな折、このアルバムが最新のリマスタリングで音質も向上しているとの評判を聴き、前回ご紹介したセルのベートーベン全集と併せて購入したものです。
この「ロマンティック」は初めて聴きましたが、予想以上に音はいいです。
また、60年以降のワルターといえば微温的でどちらかというと女性的な印象を持っていたのですが、いい意味で裏切られました。むしろ雄弁なブルックナーだと思います。
第1楽章冒頭、例のブルックナー開始のトレモロに合わせてホルンがテーマを吹くんですが、この弦楽器のトレモロが雄弁なんです。下降しながらこれだけ大胆にクレッシェンドさせる演奏は他に聴いたことがありません。そのため、非常に彫りの深い表現になっています。そのあとも、ブラスは常に力強く咆哮し、最後のコーダも大きなクライマックスを築いて終わります。
第2楽章は、ワルターの「歌」が大いに活かされた演奏で、まさに森の中を散策しているような気持ちにさせられます。
第3楽章は、一転して力強い狩りの歌が聴けます。ただ、ブラスが少し粗いのが残念。(強奏させすぎか?)
第4楽章は、力強さと優しさを兼ね備えた見事な演奏だと思います。特に2分50秒くらいから現れる主題の扱い、および8分30秒くらいから転調しつつ各楽章のテーマが出てくるところの表現は、本当に美しいです。
というわけで、まだトラウマの9番は聴いていないですが、ワルターのブルックナーに対するアレルギーは消えそうです。ただ、今回の「ロマンティック」にも残念な点があります。
それは、音質が予想外によかったせいもあるのですが、弦楽器の音の薄さと金管楽器の粗さが露呈してしまっていることです。録音専用のオーケストラの宿命かもしれませんね。
この曲の私のベストは、今もってクーベリック&バイエルン放送交響楽団の演奏です。
この演奏については、また日を改めて述べたいと思います。