2月は営業日数が少ないうえに、まったく新しいテーマでの講演の話が舞い込んできたりして、なかなか忙しい。
残業だけでは足りなくて珍しく休日出勤もやりながら何とかこなしているが、お尻に火がつかないと走らない性格も災いして、文字通り自転車操業だ(汗)
この間の週末は、その新しいネタの講演で出張だった。
でも本音を言うと、出張はあまり苦にならない。
「出張が多いと、大変ですね」と同情いただくことも多いが、自分のスタイルで時間をすごせるので、むしろ私的にはウェルカムだ。
行きは、仕事のための時間だと割り切っている。
3時間であろうと4時間であろうと、新幹線・飛行機の中では、ほとんど仕事をしている。
あるいは仕事関係の書物や書類を読んでいる。
(もちろんipodで音楽を聴きながら、仕事をすることはありますが・・・)
一方で、帰りは一切仕事関係のことはしない。
自分の好きな本を読むか、ipodで無心になって音楽を聴いている。
その際、大抵はお気に入りのプレミアムモルツが横に侍っている。
こんなスタイルも、慣れてくると、なかなか良いものです。
さて、そんな長い言い訳をした後、10日遅れになってしまったブリュッヘンのベートーヴェンの感想を。
≪ブリュッヘン ベートーヴェン・プロジェクト≫
<日時>2011年2月16日(水)19:15開演
<会場>すみだトリフォニーホール
<曲目>
ベートーヴェン作曲
■交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」
■交響曲第7番イ長調 作品92
<演奏>
■フランス・ブリュッヘン(指揮)
■新日本フィルハーモニー交響楽団
とくに7番が心に残る名演だった。
第一楽章冒頭のティンパニの音が、一切の迷いを吹っ切ったようにホールいっぱいに響く。
前日のリハーサルでブリュッヘンが入念に指示を与えていた箇所だ。
早くも素晴らしい演奏になる予感がする。
それは続く第2楽章で現実のものとなった。
アーノンクール&ウィーンフィルの来日公演以来の素晴らしさと言ったら言い過ぎだろうか。
この音楽は、弱音の表現力がカギを握ると信じているが、この日の演奏はその点でも秀逸だった。
アーノンクールの時はウィーンフィルと言う特別の「楽器」だったこともあって、ちょっと言葉にならないくらい深遠な世界に連れて行ってくれたが、ブリュッヘンたちの演奏はそこまで異次元な世界ではない。
もっと現実的な世界だ。
しかし、ピアニッシモの表現力(密やかな音のひとつひとつが訴えかける強さ)は、まったくひけを取らない。
誤解を恐れずにいうと、戦の中(たとえば夜襲)で、じっと息をひそめて合図をまっている「武士(もののふ)」のように感じた。
この見事に統率されたピアニッシモは、文字通り私を震撼させた。
アーノンクールの異次元の世界、ブリュッヘンの「もののふ」の息遣い、いずれも決して忘れないだろう。
また、終楽章の後半ではブリュッヘンが珍しくコントラバスに煽るような指示を出し、それにオケが必死に応えて音楽は大変な高揚感をみせた。
こんなやりとりの一部始終を奏者たちと一緒に体験できることも、ライブのよさだと思う。
前半の「田園」もよかったが、7番に比べると私の印象はやや薄い。
ブラヴォーの声も多くかかっていたので、ファンの方にはお叱りを受けるかもしれないが、私にはやや箱庭的な音楽のように感じた。
前日のリハで何度も繰り返していた第2楽章のカッコウの部分はバッチリ決まっていたし、終楽章などは本当に瑞々しく美しい演奏だったのだけど。
でもこの日の演奏を聴いて、私もブリュッヘンの「魔法」に見事にかかってしまったようだ。
その点では、ヴァイオリニストの若松夏美さんの意見に無条件に賛同する。
その魔法を、今日もう一度目の当たりにできる。
演目は、バッハの「ロ短調ミサ」だ。
さあ、そろそろ支度をしてトリフォニーホールに出かけよう。
大変な名演になる予感がする。
残業だけでは足りなくて珍しく休日出勤もやりながら何とかこなしているが、お尻に火がつかないと走らない性格も災いして、文字通り自転車操業だ(汗)
この間の週末は、その新しいネタの講演で出張だった。
でも本音を言うと、出張はあまり苦にならない。
「出張が多いと、大変ですね」と同情いただくことも多いが、自分のスタイルで時間をすごせるので、むしろ私的にはウェルカムだ。
行きは、仕事のための時間だと割り切っている。
3時間であろうと4時間であろうと、新幹線・飛行機の中では、ほとんど仕事をしている。
あるいは仕事関係の書物や書類を読んでいる。
(もちろんipodで音楽を聴きながら、仕事をすることはありますが・・・)
一方で、帰りは一切仕事関係のことはしない。
自分の好きな本を読むか、ipodで無心になって音楽を聴いている。
その際、大抵はお気に入りのプレミアムモルツが横に侍っている。
こんなスタイルも、慣れてくると、なかなか良いものです。
さて、そんな長い言い訳をした後、10日遅れになってしまったブリュッヘンのベートーヴェンの感想を。

<日時>2011年2月16日(水)19:15開演
<会場>すみだトリフォニーホール
<曲目>
ベートーヴェン作曲
■交響曲第6番ヘ長調 作品68「田園」
■交響曲第7番イ長調 作品92
<演奏>
■フランス・ブリュッヘン(指揮)
■新日本フィルハーモニー交響楽団
とくに7番が心に残る名演だった。
第一楽章冒頭のティンパニの音が、一切の迷いを吹っ切ったようにホールいっぱいに響く。
前日のリハーサルでブリュッヘンが入念に指示を与えていた箇所だ。
早くも素晴らしい演奏になる予感がする。
それは続く第2楽章で現実のものとなった。
アーノンクール&ウィーンフィルの来日公演以来の素晴らしさと言ったら言い過ぎだろうか。
この音楽は、弱音の表現力がカギを握ると信じているが、この日の演奏はその点でも秀逸だった。
アーノンクールの時はウィーンフィルと言う特別の「楽器」だったこともあって、ちょっと言葉にならないくらい深遠な世界に連れて行ってくれたが、ブリュッヘンたちの演奏はそこまで異次元な世界ではない。
もっと現実的な世界だ。
しかし、ピアニッシモの表現力(密やかな音のひとつひとつが訴えかける強さ)は、まったくひけを取らない。
誤解を恐れずにいうと、戦の中(たとえば夜襲)で、じっと息をひそめて合図をまっている「武士(もののふ)」のように感じた。
この見事に統率されたピアニッシモは、文字通り私を震撼させた。
アーノンクールの異次元の世界、ブリュッヘンの「もののふ」の息遣い、いずれも決して忘れないだろう。
また、終楽章の後半ではブリュッヘンが珍しくコントラバスに煽るような指示を出し、それにオケが必死に応えて音楽は大変な高揚感をみせた。
こんなやりとりの一部始終を奏者たちと一緒に体験できることも、ライブのよさだと思う。
前半の「田園」もよかったが、7番に比べると私の印象はやや薄い。
ブラヴォーの声も多くかかっていたので、ファンの方にはお叱りを受けるかもしれないが、私にはやや箱庭的な音楽のように感じた。
前日のリハで何度も繰り返していた第2楽章のカッコウの部分はバッチリ決まっていたし、終楽章などは本当に瑞々しく美しい演奏だったのだけど。
でもこの日の演奏を聴いて、私もブリュッヘンの「魔法」に見事にかかってしまったようだ。
その点では、ヴァイオリニストの若松夏美さんの意見に無条件に賛同する。
その魔法を、今日もう一度目の当たりにできる。
演目は、バッハの「ロ短調ミサ」だ。
さあ、そろそろ支度をしてトリフォニーホールに出かけよう。
大変な名演になる予感がする。