ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414 by ブレンデル&アルバンベルクSQ

2011-09-19 | CDの試聴記
震災で自宅のあちこちが傷んでしまったことと、今のマンションに入居して20年が経っていることもあり、意を決して全面リフォームすることにした。
リフォームの範囲が広いこともあって、作業の効率性を考えて、いったん仮住まいのために転居することに決定。
一時転居したのが先週の日曜日なので、かれこれ一週間になる。
9割以上のものを持ち出したので、正真正銘の引越しになってしまった。
「こんなにモノが多かったのか・・・」とため息をつきながら大引越作業を終えて、ようやく仮住まいのマンションにも慣れてきたところだ。
荷物はクローゼットだけではとても収納しきれないので、洋間の一室をつぶして大量の段ボール(もちろん大半は未開梱のもの)を積み上げることに・・・。
10月の中旬にはリフォームが完了するので、この選択はやむをえないのだけど、果たしてリフォームした自宅に戻ったときに所定の場所に戻せるだろうか。
戻せるわけがないですよねぇ(笑)
家族全員が典型的なO型人間なので、きっと向こう一年くらいは相変わらず未開梱の段ボールが多数あることでしょう。
でも、まあ何とかなるさ。

ところで、先週引越の荷作りの時は、なぜかシフのバッハが聴きたくなって、ずっと彼のフランス組曲をかけていた。
そして、ようやく荷づくりが終わった深夜に、ボリュームを絞って聴いたのがダウランドの歌曲集。
リビングの窓越しに星を眺めながら、スピーカーから静かに流れだしてくる名カウンターテナーのレーヌの歌に、心が震えるくらい感動した。アンサンブル・オルランド・ギボンズの典雅で格調高い演奏も最高だった。

現在はというと、仮住まいということもあり、ごく限られたディスクしか部屋に出していないので、聴ける音楽も限られている。
そんな中で、今朝聴いたのが、モーツァルトのピアノ協奏曲第12番イ長調。
残念ながら引退してしまったブレンデルがアルバンベルク四重奏団と協演しているライブ盤だ。


モーツァルト作曲
■ピアノ協奏曲第12番イ長調 K.414[室内楽編曲版]
■ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調 K.493
<演奏>
■アルフレート・ブレンデル(p)
■アルバン・ベルク四重奏団
<録音>1999年3月 ウィーンコンツェルトハウス(モーツァルトザール) ライブ録音

何と艶やかで生気に溢れた演奏だろう。
オーボエとホルンを加えたオーケストラ伴奏による通常のコンチェルトスタイルの演奏も勿論いいけど、弦楽四重奏と合わせる場合は、より優しく自然に音楽を語りかけてくれるような風情が出てくる。
そして、このブレンデルとアルバンベルクの演奏を聴くと、変に崩したところは皆無で清潔感に満ちた楷書のモーツァルトでありながら、尊敬し合える友人と語り合ったときに生まれるような上質の喜びが伝わってくる。
この曲の最高の名演のひとつではないかしら。

ところで、この曲を聴こうと思ったのは、もうひとつ理由があります。
それは、この協奏曲がK.414だったから。
だって、今の仮住まいのマンションの部屋番号が414号室なんです。
コメント (6)
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