ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

ベルリン・フィル木管ゾリステン演奏会

2004-11-27 | コンサートの感想
少し遅くなりましたが、11月24日の演奏会の感想を。

●ベルリン・フィル木管ゾリステン演奏会
<日時>平成16年11月24日
<場所>東京オペラシティコンサートホール
<曲目>
 モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より
 ダンツィ:木管五重奏曲 変ロ長調Op.56-1
 ラヴェル:クープランの墓
 ~休憩~
 ロッシーニ:歌劇「シンデレラ」より
 クルークハルト:木管五重奏曲 Op.79
 ピアソラ:タンゴの歴史
<演奏者(メンバー)>
 ブラウ、マイヤー、フックス、バボラク、シュヴァイゲルト

「室内楽の楽しさ、ここに極まれり」という大変素敵なコンサートでした。
ホールのよさもあるとは思いますが、名人たちのふくよかな音の響きを堪能しました。
私の一番のひいきであるアルブレヒト・マイヤーは期待通りのすばらしさでしたし、
堅実なフルートのブラウ、ファゴットで超絶技巧を披露してくれたシュヴァイゲルト、
クラリネットでここまで歌えるかという妙技をみせてくれたフックス、
柔らかな音色で観衆を魅了したホルンのバボラク、
いずれのメンバーもすばらしい演奏を聴かせてくれました。

個々の曲に対する感想は省略しますが、このメンバーに共通するのは、いずれも大変なテクニックを持っていながら、それを前面にださず、いついかなる場合も音楽の息使いが聴こえてくることです。
だからこそ、その奏でる音楽は、たったいま生まれたかのような新鮮さと楽しさに満ちているのでしょう。
フレージングの巧みさと、適切なアクセントがやはりベースにあるように思いますが、何よりも
「音楽ってこんなに楽しいんだよ。皆さんも一緒に楽しんでください」という精神が、私達を幸せにしてくれたのだと思います。

アンコールは、マイヤーの流暢な(?)日本語による紹介で3曲演奏してくれましたが、これもとびっきり楽しい演奏でした。
ティコティコ、オレ・ガッパ、ラ・クンパルシータの3曲です。
最後までこんなに息の合ったすばらしい演奏を聴かせてくれたのに、お辞儀だけはいつもばらばらで一度もぴったり合わなかったのも、またご愛嬌ですね。

なお、この日は妻の誕生日(怖いから何回目とは書けません)でもあり、ジャパンアーツの招待券とその隣席のチケットを1枚買って、一緒に聴きにいきました。
妻も、とても満足してくれたようです。
いい誕生日プレゼントになったかな?



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モーツァルト ピアノ協奏曲第21番

2004-11-19 | CDの試聴記
モーツァルト ピアノ協奏曲第21番
<演奏者>
アシュケナージ(ピアノ&指揮)
フィルハーモニア管弦楽団

随分昔の演奏ですが、大阪出張の新幹線の車中で久し振りに聴き(今はやりのipodに愛用のB&Oのイヤフォンのコンビで聴いています)、いたく感動しましたので書いてみました。

このハ長調の21番のコンチェルトは第2楽章が有名ですが、アシュケナージ盤はまず第1楽章が素晴らしい。アシュケナージの透明感のあるくっきりとしたタッチが、モーツァルトにぴったりです。インテンポでありながら、愉悦感にあふれた表情の第2主題なんて最高ですね。
続く第2楽章は、映画の主題にもなった美しい部分ですが、抑制された清潔な抒情が印象的です。粘らない分かえって心にしみます。
フィナーレは一転して快速なテンポで一気に聴かせてくれます。
ロココ風と言っても大袈裟ではないグルダの旧盤と並んで、私にとって大切な演奏です。

今申し上げたグルダの演奏は、アシュケナージの演奏とはある部分で正反対に、オーケストラのトュッティでさらりと登場してみたり、フレーズに大胆な装飾を入れてみたり、本当にやりたい放題の演奏でした。でも、出来上がった音楽のなんと生き生きとしていることか。あの帽子をちょこんとかぶって子供のような表情で演奏するグルダの姿が思い出されます。文字通りの音楽家(音を楽しむ人)でした。






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アルブレヒト&読響 ヤナーチェク「シンフォニエッタ」他

2004-11-13 | コンサートの感想
11月7日の芸劇マチネーを聴いてきました。
少し遅くなりましたが、感想記を。

《ヤナーチェク生誕150年記念フェスティバル》

<曲目>
ヤナーチェク/組曲 Op.3
ヤナーチェク/狂詩曲〈タラス・ブーリバ〉
ヒンデミット/ホルン協奏曲
ヤナーチェク/シンフォニエッタ

<演奏者>
指揮 ゲルト・アルブレヒト
読売日本交響楽団
ホルン 山岸 博


私にとって「ヤナーチェク再発見」となった、前回の記念すべき芸劇マチネに続く第2弾です。

いつもの読響はどちらかというと後半型なのですが、この日は第1部がすばらしい出来でした。
最初の組曲op.3は初めて聴きましたが、「ビター味」の入らないモーツァルト風のスウィートな曲で、演奏もふさわしいものでした。
2曲目のタラス・ブーリバはすばらしい演奏で、この日のベストです。
特に第3部「タラス・ブーリバの予言と死」は、言葉にならないくらい感動しました。
終わりのほうでオルガンも加わったクライマックスの中、ハープとソロバイオリンが奏でるアルペッジョの美しかったこと。1週間経った今でも鮮明に想いだすことができます。

名手デニスブレインにささげられたというヒンデミットのホルン協奏曲も、初めて聴く曲でした。
印象的なメロディがあるわけでも、聴き栄えのするような名人芸を披露する部分があるわけでもない(でも多分大変難しいのだろうなあと感じさせるフレーズは多い!)はっきり言って渋い曲ですが、さすがに山岸さんの演奏は素晴らしかった。
過去読響マチネーできいた読響ソロ奏者のコンチェルトでは、蠣崎さんのモーツアルトのオーボエ協奏曲、川久保賜紀さんのピンチヒッターで登場した藤原さんのハチャトリアンのバイオリン協奏曲がいまだに印象に残っていますが、この日の山岸さんの演奏もきっと忘れないと思います。
第2部のシンフォニエッタも良かったけど、肝心のファンファーレ隊が少し硬かったかなあ。
アルブレヒトのテンポが、奏者のイメージよりほんの少し速かったようにも感じました。

芸劇マチネーで2回連続してヤナーチェクを聴いてみて、すっかりその魅力にはまりました。特に、前回の声楽曲、今回のタラス・ブーリバは、実演で聴いて初めて良さが分かったのだと思います。
来月のマチネーは、25日に今注目の指揮者下野竜也が振る第9です。素晴らしいクリスマスになりますように・・・。
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バッハ:カンタータ140番「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」

2004-11-06 | CDの試聴記
●バッハ カンタータ140番「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」BWV140

<演奏者>
ヘルムート・リリング(指揮)バッハ・コレギウム・シュトゥットガルト
オージェ、バルディン、他


リリングのバッハ全集から、有名なカンタータ「目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声」BWV140を聴きました。
クリスマス前の11月に聴くには、時期的にも大変ふさわしいカンタータです。
1983年の録音ですが、全体的にテンポの速いきびきびした演奏です。
リズムの歯切れよさと、古楽器風の表情が印象に残りますが、
もう少し伸びやかさとしっとり感が欲しいと思いました。
標題になっている第4曲のコラールも、アーティキュレーションの関係もあり、ややぶつ切りになった感じがします。
第3曲のアリアはとても美しい演奏。(どこかマタイ受難曲の名アリアである「神よ、憐れみたまえ」に似ていますね)
その他、晴れやかで明るい第6曲のアリアで、オーボエソロが歌と絡み合って本当に見事に音楽に溶け込んでいるので、誰が演奏しているのかとメンバー表を見たら、名手ギュンター・パッシンでした。
その横をみると、オーボエ・ダ・カッチャのところにN響の首席奏者茂木大輔氏の名前も見えます。
そういえば、茂木氏の著書「オーケストラは素敵だ」でこのリリングのバッハのカンタータ演奏へ参加したことが触れられていましたが、そのときの録音がこれなんですね。同時に師匠のパッシンのこと、(鬼の2番?)ヘダ女史のエピソードを思い出してしまいました。
それから、この第6曲では、2小節目の装飾音符のリズムが他の演奏と異なっているのが印象に残りました。

このカンタータの他の演奏では、リヒター盤(アルヒーフ)が落ち着いたテンポと密度の濃さで感動を与えてくれます。
リヒターの演奏が少し重いと感じられる方にはアーノンクール盤(テルデック)がお勧めですね。
私のベストチョイスは、実は上記リリング盤とほぼ同時期に録音されたこのアーノンクール盤なのです。
テンポはリリングよりゆったりしていますが、決して重くなることなく大変しなやかです。
ボーイソプラノの起用も当たっており、聴き進むにつれて感動が湧いてきます。
その他、ガーディナー盤(アルヒーフ)、ヴェルナー盤(新・旧)(エラート)も改めて聴きましたが、それぞれ良さを感じつつも私はアーノンクール、リヒター盤の方が好きです。

全く余談ですが、このカンタータには私にとって想い出があります。
20数年前に大阪のある教会で結婚式をあげ、教会のすぐ隣の小さな会館で本当に手作りの披露宴を行ったのですが、その際バックで流した音楽がこのカンタータでした。
そのときの演奏は誰のものかって?
リヒター盤です。その時点ではアーノンクール盤は未聴だったので・・・。

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メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」

2004-11-02 | CDの試聴記
室内楽はもともと好きなジャンルなんですが、その中でも最も大切にしているCDをご紹介したいと思います。

●メンデルスゾーン「弦楽八重奏曲」
<演奏>ゲヴァントハウス弦楽四重奏団+ベルリン弦楽四重奏団 (ドイツシャルプラッテン盤)

この曲はメンデルスゾーン弱冠16歳の作品で、弦楽四重奏×2というとても変わった楽器編成になっていますが、そのため室内楽とは思えないようなシンフォニックな響きが楽しめます。
音楽の深みというよりは、一筆書きのようなシンプルさ・勢い・生命力というものが、この曲の最大の魅力かと思います。
さて、大好きな曲なので、今まで数多くの演奏を聴いてきましたが、やはりこのズスケをリーダーとするアンサンブルの演奏がベストです。少年(青年)メンデルスゾーンの伝えたかった生命力をこれほどストレートに実現している例は他にありません。
第一楽章にその魅力は凝縮されていますが、特に後半(10分過ぎ)からの緊張感と一気に突き進んでいくエネルギーは、それは素晴らしいものです。他の楽章もそれぞれ魅力的ですが、特にフィナーレは第一楽章と同様、エネルギーの迸りが見事です。
曲そのものが生命力に満ちているので、他の演奏でも同様の感銘を受けるかというと、必ずしもそうではありません。このあたりが音楽の難しいところですね。
例えば、かつて名演と言われていたウィーン八重奏団(デッカ)の演奏は、何度聴いても私の心に一直線に向かってこないのです。あの魅力的な第一楽章ですらそんな調子で、その都度がっかりしておりました。

ゲヴァントハウス盤以外で、私の推薦盤は次の3枚です。
①ラルキブデッリ盤(ソニー)
⇒ガット弦を張った楽器による演奏のようですが、すっきりした中にみずみずしさを感じさせる佳演。
②ディベルティメンティ盤(ヘリオス)
⇒イギリスの若手奏者で構成されたメンバーによる演奏。隠れた名演。
③スメタナSQ+ヤナーチェクSQ(スプラフォン)
⇒LP時代に良く聴いていました。

ゲヴァントハウス盤によるこの第一楽章の演奏はまさに「血湧き肉踊る」という感じで、精神的に落ち込んだときの私の最良の友でした。
今までに、何度励ましてもらったことか・・・。
でも、気力だけではなく、体力も極端に落ち込んでしまったような状態のときは、この曲を聴いても疲れるだけでかえって具合が悪いのです。きっと、わずかに残った体のエネルギーを、一度に燃焼させるような状態になるのでしょうね。

では、不幸にもそのような最悪の状況になってしまったときは、どうしたのかって?
そのときに、最良の友にして薬になってくれたのは、モーツァルトのクラリネット協奏曲の第二楽章、およびクラリネット五重奏曲でした。
この2曲はまさに「癒しの音楽」で、つかれきった体と脳が徐々に回復していくのです。
(この「徐々に」が重要なのですね。きっと・・・)
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