荒川選手の金メダルの余韻は、2日経った今でもしっかり残っています。
24日朝は、ネクタイを締めてコートを着込み、かばんを横に置いて、時計と睨めっこしながらソファでずっと観ていました。
ところで、ふと、手に汗にぎって必死に応援している自分の姿を見て、「ああ、やっぱり日本人なんだ」と強く感じた次第です。
荒川さん、村主さん、安藤さん、本当に感動と勇気を与えてくれてありがとう。
さて、今日は読響マチネコンサートの日です。
指揮は久しぶりのホーネック。
<日時>平成18年2月26日(日) 午後2時開演
<場所>東京芸術劇場
<曲目>
■ショスタコーヴィチ: 「ジャズ組曲第2番」より
マーチ、小ポルカ、ワルツ2、ダンス2、ワルツ2
■モーツァルト: 交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
■ヨハン・シュトラウス2世:「こうもり」序曲
■ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「とんぼ」
■ヨハン・シュトラウス2世:狂乱ポルカ
■ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「酒、女、歌」
■ヨハン・シュトラウス2世:常動曲
■ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「女心」
■ヨハン・シュトラウス2世:エジプト行進曲
■ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ「雷鳴と稲妻」
(アンコール)
■鍛冶屋のポルカ
■ワルツ「美しき青きドナウ」
■ラデツキー行進曲
<演奏>
マンフレッド・ホーネック指揮
読売日本交響楽団
前半は、今年のメモリアルイヤーの主役ふたりの作品です。
まずショスタコーヴィチ。ときに深刻な表情もみせる大作曲家ショスタコーヴィチの全作品のなかで、最も明るく楽しい作品がこのジャズ組曲です。
とくにワルツ2のメロディがいいですねぇ。一度聴いたら忘れられない音楽です。ちなみに、何かの映画のバックで使われていましたが、何の映画だっけ・・・。
(最近歳のせいかこれが多いんですよね。(汗))
ホーネック&読響の演奏も、生き生きとして素晴らしいものでした。
前半2曲目は、モーツァルトのジュピター。
第1楽章は、珍しく管楽器のアンサンブルが少し乱れて心配しましたが、大きな破綻はなく、ほっとしました。
そして、終楽章は、ご存知の通りソナタ形式と対位法が完全に融合したモーツァルトの天才を証明する名品ですが、少し考えさせられることがありました。
曲の途中、ホーネックが濃い目に表情付けをする場面が何箇所かあって、その部分は狙い通りの結果になるのですが、きまってその直後に少し収まりの悪い状態になるのです。
どうしてだろうと、聴きながらずっと考えていたのですが、ハタと気づきました。この楽章は、上記の通り、完璧な形でバランスを保っている稀有な作品であるが故に、少しでも人為的に手を加えてエネルギーバランスが変わると音楽が壊れそうになるんですね。そう考えると恐ろしい音楽です。
私がいままで聴いた中で最も感動したのはセル&クリーブランド管のスタジオ録音で、いまだにこれを凌ぐ演奏にはお目にかかっていません。
ただ、セル盤でも最後のほうでテーマが帰って来るときに、金管がほんの少しうるさくなるのが玉に瑕ですが・・・。
後半は、まさに2ヵ月遅れのニューイヤーコンサートといった雰囲気で、心から楽しませてもらいました。
ホーネックの指揮姿は、どこかカルロス・クライバーをほうふつさせるところがあって、今回の選曲の最初が「こうもり序曲」、最後が「雷鳴と稲妻」というのも何か意味深ですね。
エジプト行進曲は初めて聴く曲でしたが、途中でオケのメンバーが歌う箇所があります。何だか照れくさそうに、でも一生懸命歌っている姿が、何とも微笑ましく感じました。
そして、最後を飾るポルカ「雷鳴と稲妻」では、途中パーカッションのあたりで何と傘がひとつ、そしてまたティンパニの横でも一つひらきました。いったいどうしたのかと観ていると、今度はヴィオラで、そしてチェロで、そしてヴァイオリンでも順に傘がひらいていくではありませんか。それも何とカラフルな色だこと。
傘担当の奏者は、単に開くだけではなく、音楽に合わせてくるくる回していきます。まるで、フィギアスケートのエキスビションをみているような錯覚に捉われました。
でも、この曲になんとフィットしていることか・・・。
演奏終了後はもちろん拍手喝采で迎えられました。
いいですね、こんな演出。私は大好きです。
アンコールの鍛冶屋のポルカでは、実際に指揮台の横に鍛冶屋の道具を持ってきて、鍛冶屋に扮した奏者が「トンカン、トンカン」。
大盛り上がりの後、さらにアンコールが2曲。「美しき青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」です。
こうなると、もう会場の雰囲気はすっかりウィーンです。
雨の中聴きに来た聴衆も、きっとみんな満足したことでしょう。
とても素敵なコンサートでした。
24日朝は、ネクタイを締めてコートを着込み、かばんを横に置いて、時計と睨めっこしながらソファでずっと観ていました。
ところで、ふと、手に汗にぎって必死に応援している自分の姿を見て、「ああ、やっぱり日本人なんだ」と強く感じた次第です。
荒川さん、村主さん、安藤さん、本当に感動と勇気を与えてくれてありがとう。
さて、今日は読響マチネコンサートの日です。
指揮は久しぶりのホーネック。
<日時>平成18年2月26日(日) 午後2時開演
<場所>東京芸術劇場
<曲目>
■ショスタコーヴィチ: 「ジャズ組曲第2番」より
マーチ、小ポルカ、ワルツ2、ダンス2、ワルツ2
■モーツァルト: 交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」
■ヨハン・シュトラウス2世:「こうもり」序曲
■ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「とんぼ」
■ヨハン・シュトラウス2世:狂乱ポルカ
■ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ「酒、女、歌」
■ヨハン・シュトラウス2世:常動曲
■ヨゼフ・シュトラウス:ポルカ「女心」
■ヨハン・シュトラウス2世:エジプト行進曲
■ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ「雷鳴と稲妻」
(アンコール)
■鍛冶屋のポルカ
■ワルツ「美しき青きドナウ」
■ラデツキー行進曲
<演奏>
マンフレッド・ホーネック指揮
読売日本交響楽団
前半は、今年のメモリアルイヤーの主役ふたりの作品です。
まずショスタコーヴィチ。ときに深刻な表情もみせる大作曲家ショスタコーヴィチの全作品のなかで、最も明るく楽しい作品がこのジャズ組曲です。
とくにワルツ2のメロディがいいですねぇ。一度聴いたら忘れられない音楽です。ちなみに、何かの映画のバックで使われていましたが、何の映画だっけ・・・。
(最近歳のせいかこれが多いんですよね。(汗))
ホーネック&読響の演奏も、生き生きとして素晴らしいものでした。
前半2曲目は、モーツァルトのジュピター。
第1楽章は、珍しく管楽器のアンサンブルが少し乱れて心配しましたが、大きな破綻はなく、ほっとしました。
そして、終楽章は、ご存知の通りソナタ形式と対位法が完全に融合したモーツァルトの天才を証明する名品ですが、少し考えさせられることがありました。
曲の途中、ホーネックが濃い目に表情付けをする場面が何箇所かあって、その部分は狙い通りの結果になるのですが、きまってその直後に少し収まりの悪い状態になるのです。
どうしてだろうと、聴きながらずっと考えていたのですが、ハタと気づきました。この楽章は、上記の通り、完璧な形でバランスを保っている稀有な作品であるが故に、少しでも人為的に手を加えてエネルギーバランスが変わると音楽が壊れそうになるんですね。そう考えると恐ろしい音楽です。
私がいままで聴いた中で最も感動したのはセル&クリーブランド管のスタジオ録音で、いまだにこれを凌ぐ演奏にはお目にかかっていません。
ただ、セル盤でも最後のほうでテーマが帰って来るときに、金管がほんの少しうるさくなるのが玉に瑕ですが・・・。
後半は、まさに2ヵ月遅れのニューイヤーコンサートといった雰囲気で、心から楽しませてもらいました。
ホーネックの指揮姿は、どこかカルロス・クライバーをほうふつさせるところがあって、今回の選曲の最初が「こうもり序曲」、最後が「雷鳴と稲妻」というのも何か意味深ですね。
エジプト行進曲は初めて聴く曲でしたが、途中でオケのメンバーが歌う箇所があります。何だか照れくさそうに、でも一生懸命歌っている姿が、何とも微笑ましく感じました。
そして、最後を飾るポルカ「雷鳴と稲妻」では、途中パーカッションのあたりで何と傘がひとつ、そしてまたティンパニの横でも一つひらきました。いったいどうしたのかと観ていると、今度はヴィオラで、そしてチェロで、そしてヴァイオリンでも順に傘がひらいていくではありませんか。それも何とカラフルな色だこと。
傘担当の奏者は、単に開くだけではなく、音楽に合わせてくるくる回していきます。まるで、フィギアスケートのエキスビションをみているような錯覚に捉われました。
でも、この曲になんとフィットしていることか・・・。
演奏終了後はもちろん拍手喝采で迎えられました。
いいですね、こんな演出。私は大好きです。
アンコールの鍛冶屋のポルカでは、実際に指揮台の横に鍛冶屋の道具を持ってきて、鍛冶屋に扮した奏者が「トンカン、トンカン」。
大盛り上がりの後、さらにアンコールが2曲。「美しき青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」です。
こうなると、もう会場の雰囲気はすっかりウィーンです。
雨の中聴きに来た聴衆も、きっとみんな満足したことでしょう。
とても素敵なコンサートでした。