五十肩の激痛に襲われてクリニックに駆け込んでから、一週間が経ちました。
お陰さまで、痛みは随分とれてきました。
ただ、腕を動かすと一瞬「うっ!」となります。
とくに肩を横へ回すような動きをすると、正直きついですね。
そろそろリハビリを始めないといけない時期かもしれませんが、まだまだ怖いです。
もう少しだけ、大人しくしていようっと・・・。
さて、前回に続いて東京カルテットのディスクをご紹介します。
このディスクは、前回採りあげた1973年の東京公演から6年後に行なわれたライブ録音です。
セカンドヴァイオリンが、名倉淑子さんから池田菊衛さんに替わっています。
本当は、ヤナーチェクやこの日のメインであるベートーヴェンについて書くべきかもしれませんが、とにかく私を惹きつけたのはハイドンでした。
その中でも、ずばり第2楽章アダージョ。
これは素晴らしい。東京カルテットの素晴らしさが凝縮されているといっても過言ではありません。
冒頭、大きな跳躍を伴って奏でられるハ短調のユニゾンが悲劇的な雰囲気を予感させます。
そして、そのユニゾンに導かれるように、16分音符の刻みの中をチェロが静かに歌う旋律が実に魅力的です。涙を隠そうとはせず、まっすぐ前を見つめているような音楽。2分20秒くらいに、5度上で再びチェロが同じ旋律を歌いだすと、もうその美しさに心洗われる思いがします。
一方、中間部のカンタービレで長調に転じると、既にそこには涙の痕跡はみえません。
明るく伸びやかな歌がまことに美しく、その変化があまりに鮮烈なので、少々戸惑いを覚えるほどです。
あまりにも見事な6分間でした。
切れ目なしに続くメヌエットの愛らしさや、トリオのチャーミングなチェロの語り口もたまらなく魅力的だし、終曲フーガは、すべてのパートがソット・ヴォーチェ(ささやくように)と指示された珍しいスタイルだけど、その弱音の中でもきらりと光る構成力の確かさは、さすが東京カルテットと言いたくなります。
ハイドンの作品20の6曲からなる弦楽四重奏曲は、出版された楽譜の真ん中に太陽のような絵が描かれていたことから「太陽四重奏曲」とも呼ばれています。
私はハーゲンカルテットの演奏が好きで、これまでよく聴いてきましたが、この東京カルテットの演奏はさらにその上を行きますね。
「透明感があって温かい」という私の理想の演奏スタイルなのです。
この日、彼らの演奏をホールで聴けた人が本当に羨ましい!
そう思わせてくれる素敵なハイドンです。
<曲目>
■ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調op.20-2「太陽四重奏曲第2番」
■ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」
■ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第8番 ホ短調 op.59-2「ラズモフスキー第2番」
<演奏>
■東京クヮルテット
原田 幸一郎(第1ヴァイオリン)、池田 菊衛(第2ヴァイオリン)
磯村 和英(ヴィオラ)、原田 禎夫(チェロ)
<録音>
■1979年12月13日 石橋メモリアルホールにおけるライヴ
お陰さまで、痛みは随分とれてきました。
ただ、腕を動かすと一瞬「うっ!」となります。
とくに肩を横へ回すような動きをすると、正直きついですね。
そろそろリハビリを始めないといけない時期かもしれませんが、まだまだ怖いです。
もう少しだけ、大人しくしていようっと・・・。
さて、前回に続いて東京カルテットのディスクをご紹介します。
このディスクは、前回採りあげた1973年の東京公演から6年後に行なわれたライブ録音です。
セカンドヴァイオリンが、名倉淑子さんから池田菊衛さんに替わっています。
本当は、ヤナーチェクやこの日のメインであるベートーヴェンについて書くべきかもしれませんが、とにかく私を惹きつけたのはハイドンでした。
その中でも、ずばり第2楽章アダージョ。
これは素晴らしい。東京カルテットの素晴らしさが凝縮されているといっても過言ではありません。
冒頭、大きな跳躍を伴って奏でられるハ短調のユニゾンが悲劇的な雰囲気を予感させます。
そして、そのユニゾンに導かれるように、16分音符の刻みの中をチェロが静かに歌う旋律が実に魅力的です。涙を隠そうとはせず、まっすぐ前を見つめているような音楽。2分20秒くらいに、5度上で再びチェロが同じ旋律を歌いだすと、もうその美しさに心洗われる思いがします。
一方、中間部のカンタービレで長調に転じると、既にそこには涙の痕跡はみえません。
明るく伸びやかな歌がまことに美しく、その変化があまりに鮮烈なので、少々戸惑いを覚えるほどです。
あまりにも見事な6分間でした。
切れ目なしに続くメヌエットの愛らしさや、トリオのチャーミングなチェロの語り口もたまらなく魅力的だし、終曲フーガは、すべてのパートがソット・ヴォーチェ(ささやくように)と指示された珍しいスタイルだけど、その弱音の中でもきらりと光る構成力の確かさは、さすが東京カルテットと言いたくなります。
ハイドンの作品20の6曲からなる弦楽四重奏曲は、出版された楽譜の真ん中に太陽のような絵が描かれていたことから「太陽四重奏曲」とも呼ばれています。
私はハーゲンカルテットの演奏が好きで、これまでよく聴いてきましたが、この東京カルテットの演奏はさらにその上を行きますね。
「透明感があって温かい」という私の理想の演奏スタイルなのです。
この日、彼らの演奏をホールで聴けた人が本当に羨ましい!
そう思わせてくれる素敵なハイドンです。
<曲目>
■ハイドン:弦楽四重奏曲 ハ長調op.20-2「太陽四重奏曲第2番」
■ヤナーチェク:弦楽四重奏曲 第1番「クロイツェル・ソナタ」
■ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第8番 ホ短調 op.59-2「ラズモフスキー第2番」
<演奏>
■東京クヮルテット
原田 幸一郎(第1ヴァイオリン)、池田 菊衛(第2ヴァイオリン)
磯村 和英(ヴィオラ)、原田 禎夫(チェロ)
<録音>
■1979年12月13日 石橋メモリアルホールにおけるライヴ