ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
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テミルカーノフ&読響 エルガー:エニグマ変奏曲ほか(5/21) @東京芸術劇場

2010-05-22 | コンサートの感想
すっかりblogの更新をさぼってしまった。(汗)
体調の問題や、仕事に忙殺されていたことも事実だけど、やはり生来の怠け癖が大きな原因だと強く反省。
初心に帰って、blogも少しずつ書いていこうと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

昨日は、ラ・フォル・ジュルネ以来、久しぶりにオーケストラのコンサートを聴いた。
聴いたのは、今シーズンから新たにメンバーになった読売日響の芸劇名曲シリーズ。
開演前に、客席に座ってぱらぱらパンフレットを見ていると、ショッキングな記事を発見。
来年3月14日の読響定期演奏会で、ソプラノのエヴァ・メイが出演できなくなったらしい。
なんでも、チューリッヒ歌劇場の「ドン=ジョヴァンニ」のプレミエに出演することが決まったためだとか。
ペレイラ総裁と前シェフのウェルザー=メストから強いラブコールがあったみたいなので、やっぱり仕方がないのかもしれないけど、彼女の歌を楽しみにしていた人もきっと多かったのではないだろうか。
幸い直前の3月7日に予定されている芸劇名曲コンサート(オペラアリアの夕べと題して、前後半ともエヴァ・メイが歌う!)には出演できるとの由。
実のところ、来年3月7日の公演を聴きたくてマチネー会員から名曲会員に切り替えたクチだったので、正直ほっとしている。

さて、話を本題に戻して、5月の名曲コンサート。
演目は、テミルカーノフの指揮でプロコフィエフとエルガーだった。
<日時>2010年5月21日(金) 19:00開演
<会場>東京芸術劇場
<曲目>
■プロコフィエフ:交響曲第5番
■エルガー:創作主題による変奏曲〈エニグマ〉
<演奏>
■ユーリ・テミルカーノフ(指揮)
■読売日本交響楽団

テミルカーノフは、例によって指揮棒を持たないスタイル。
手で振る指揮者の場合、温かで大きな包容力を感じさせてくれる反面、ときに不器用さやリズム感の不足が気になることもある。
しかし、彼の場合、その指揮姿と切れ味鋭く内面に熱いマグマをもった音楽が、不思議なくらい良く似合う。
そこがテミルカーノフたるゆえんだろう。
プロコフィエフでは、とくに2楽章以降が良かった。
引き締まった造形の中に、大きな起伏と豊かな感性が感じられて、まさに伸びのある直球といった印象。

後半のエルガーは、一転してしっとりとした情感に溢れた佳演だった。
冒頭のテーマが、いじらしいまでに美しい。
弦楽器と管楽器が微妙に絡み合いながら、愛情いっぱいに音楽を奏でる。
主題から変奏を順に聴きすすむうちに、一週間溜まった疲れが、どんどん体から抜けていくような気がした。
そして第9変奏「ニムロッド」までくると、もう涙なしには聴けない。
第12変奏「BGN」の嶺田さんのチェロも、控え目ながら心に沁みる絶妙の表現。
大満足のエニグマだった。
また、このエニグマ変奏曲そのものについては、「この変奏曲の系譜としてはシューマンのピアノ曲に連なるといえるかもしれない。変奏というより連想が作曲原理となっている点で<交響的練習曲>を思い起こさせるし、楽章の背景に人物が想定されているという点で<謝肉祭>にそっくりだ」と書いた解説の舩木篤也さんの説にまったく賛同する。

やっぱり、音楽は素晴らしい。
「癒し」ということばでは表しきれない、もっと強い何かを感じたこの日のコンサートだった。
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