激動の1週間が終わりました。
新しいネタでセミナーを開催することになり、その準備や初回講演、そしてとびきりデリケートな官庁折衝が続き、まさにブルーウィークでした。
しかし、幸いすべて無事に終了し、疲労感は隠せないものの週末はちょっとした解放感を味わっておりました。
そして、土曜日には、日頃お世話になっている大阪の有力理事たちとT女史邸で「赤ワインと音楽を語る集い」に参加。
今年のウィーンフィルニューイヤーコンサートをメインの肴に、時間を経つのも忘れて楽しませていただきました。
美味しいワインをご提供いただいたT女史をはじめ理事の皆様には、ひたすら感謝・感謝でございます。
そんな激動の一週間を精神的に支えてくれたのが、このケフェレックのディスク。
編曲物を含めてオールバッハプロで、「CONTEMPLATION (瞑想)」というサブタイトルがついています。
ケフェレックのバッハと言えば、1975年の来日公演時のディスクがそれは素晴らしい名演でした。
さて、30年の時を経て録音された今回の新盤は?
一聴して、旧盤と随分コンセプトが違うように感じます。
選曲の傾向が180度異なるので当然と言えば当然ですが、人に聴かせるというよりも、まるでケフェレック自身のために弾いているかのような演奏。
しかし、独特の透明感が全体を支配しながらも、音の響きにはいささかの冷たさも感じさせないところは、紛れもないケフェレックの刻印。
どんなフレーズも仏頂面をせずに常にフレンドリーなのに、サウンドは常にピュア。
こんな素敵なアルバムを前に、この曲がどうのこうのなんて、まるでナンセンスな気もしますが、冒頭のコラールBWV639やシロティ編曲のプレリュード、ラストのカンタータ第106番の第1曲(この曲だけ連弾です)はとくに深い感銘を与えてくれました。
最後の連弾で弾かれた106番では、耳ではピアノの音を聴きながら、心ではずっと原曲のリコーダーの響きを聴いていたような気がします。
この曲を聴き終えた後、心の中がすっかり浄化されたような気持ちになるのは私だけでしょうか。
しかし、彼女の真価は、より実演で発揮されます。
この5月には、幸いなことに、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで再びケフェレックのバッハを聴くことができます。
今回のディスクに収められた曲が中心になるようですが、忘れ難い伝説の名演奏になると、私は今から確信しています。
<曲目>
バッハ作曲
■ブゾーニ編:コラール『主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる』BWV639
■カプリッチョ『最愛の兄の旅立ちにあたって』変ロBWV992
■平均律クラヴィーア曲集 第1巻よりプレリュード第4番 嬰ハ短調BWV849
■平均律クラヴィーア曲集 第1巻よりプレリュード第22番 変ロ長調BWV867
■コーエン編:カンタータ 第22番『イエスは十二使徒をひき寄せたまえり』BWV22
■平均律クラヴィーア曲集 第1巻よりプレリュード第8番 変ホ短調BWV853
■ブゾーニ編:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BWV564
■イギリス組曲 第2番 イ短調よりサラバンドBWV807
■ヴィヴァルディ:オルガン協奏曲 ニ短調BWV596
■フランス組曲 第1番 ニ短調よりサラバンドBWV812
■イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971
■マルチェッロ:オーボエ協奏曲 アダージョ ニ短調
■平均律クラヴィーア曲集 第2巻よりプレリュード第14番 嬰ヘ短調BWV883
■シロティ編:プレリュード ロ短調 BWV855a
■シロティ編:プレリュード ホ短調
■ゴルトベルク変奏曲よりアリア BWV988
■ヘス編:『主よ人の望みの喜びよ』BWV147
■イギリス組曲 第3番 ト短調よりサラバンドBWV808
■ケンプ編:シチリアーノ~フルート・ソナタ第2番 変ホ長調BWV1031
■ブゾーニ編:『来たれ、異教徒の救い主よ』BWV659a
■クルターク編(連弾):『神の時は最上の時なり』(哀悼行事のソナティナ)BWV106※
<演奏>
■アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
■ガスパール・デヘヌ(※ピアノ)
<録音>2008年9月
、
新しいネタでセミナーを開催することになり、その準備や初回講演、そしてとびきりデリケートな官庁折衝が続き、まさにブルーウィークでした。
しかし、幸いすべて無事に終了し、疲労感は隠せないものの週末はちょっとした解放感を味わっておりました。
そして、土曜日には、日頃お世話になっている大阪の有力理事たちとT女史邸で「赤ワインと音楽を語る集い」に参加。
今年のウィーンフィルニューイヤーコンサートをメインの肴に、時間を経つのも忘れて楽しませていただきました。
美味しいワインをご提供いただいたT女史をはじめ理事の皆様には、ひたすら感謝・感謝でございます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/83/c6462437777e2f10fe33a98427d1bb75.jpg)
編曲物を含めてオールバッハプロで、「CONTEMPLATION (瞑想)」というサブタイトルがついています。
ケフェレックのバッハと言えば、1975年の来日公演時のディスクがそれは素晴らしい名演でした。
さて、30年の時を経て録音された今回の新盤は?
一聴して、旧盤と随分コンセプトが違うように感じます。
選曲の傾向が180度異なるので当然と言えば当然ですが、人に聴かせるというよりも、まるでケフェレック自身のために弾いているかのような演奏。
しかし、独特の透明感が全体を支配しながらも、音の響きにはいささかの冷たさも感じさせないところは、紛れもないケフェレックの刻印。
どんなフレーズも仏頂面をせずに常にフレンドリーなのに、サウンドは常にピュア。
こんな素敵なアルバムを前に、この曲がどうのこうのなんて、まるでナンセンスな気もしますが、冒頭のコラールBWV639やシロティ編曲のプレリュード、ラストのカンタータ第106番の第1曲(この曲だけ連弾です)はとくに深い感銘を与えてくれました。
最後の連弾で弾かれた106番では、耳ではピアノの音を聴きながら、心ではずっと原曲のリコーダーの響きを聴いていたような気がします。
この曲を聴き終えた後、心の中がすっかり浄化されたような気持ちになるのは私だけでしょうか。
しかし、彼女の真価は、より実演で発揮されます。
この5月には、幸いなことに、ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンで再びケフェレックのバッハを聴くことができます。
今回のディスクに収められた曲が中心になるようですが、忘れ難い伝説の名演奏になると、私は今から確信しています。
<曲目>
バッハ作曲
■ブゾーニ編:コラール『主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる』BWV639
■カプリッチョ『最愛の兄の旅立ちにあたって』変ロBWV992
■平均律クラヴィーア曲集 第1巻よりプレリュード第4番 嬰ハ短調BWV849
■平均律クラヴィーア曲集 第1巻よりプレリュード第22番 変ロ長調BWV867
■コーエン編:カンタータ 第22番『イエスは十二使徒をひき寄せたまえり』BWV22
■平均律クラヴィーア曲集 第1巻よりプレリュード第8番 変ホ短調BWV853
■ブゾーニ編:トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調BWV564
■イギリス組曲 第2番 イ短調よりサラバンドBWV807
■ヴィヴァルディ:オルガン協奏曲 ニ短調BWV596
■フランス組曲 第1番 ニ短調よりサラバンドBWV812
■イタリア協奏曲 ヘ長調 BWV971
■マルチェッロ:オーボエ協奏曲 アダージョ ニ短調
■平均律クラヴィーア曲集 第2巻よりプレリュード第14番 嬰ヘ短調BWV883
■シロティ編:プレリュード ロ短調 BWV855a
■シロティ編:プレリュード ホ短調
■ゴルトベルク変奏曲よりアリア BWV988
■ヘス編:『主よ人の望みの喜びよ』BWV147
■イギリス組曲 第3番 ト短調よりサラバンドBWV808
■ケンプ編:シチリアーノ~フルート・ソナタ第2番 変ホ長調BWV1031
■ブゾーニ編:『来たれ、異教徒の救い主よ』BWV659a
■クルターク編(連弾):『神の時は最上の時なり』(哀悼行事のソナティナ)BWV106※
<演奏>
■アンヌ・ケフェレック(ピアノ)
■ガスパール・デヘヌ(※ピアノ)
<録音>2008年9月
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