カリンニコフは、わずか34歳の若さで貧困の中この世を去ったロシア生まれの作曲家です。
この交響曲第1番は彼の代表作とされていますが、最近にわかに「隠れた名曲」として脚光をあび一大ブームを巻き起こしましたので、一度は耳にされた方も多いかと思います。
私はNAXOSのクチャル盤で初めてこの曲に出会いましたが、その後ヤルヴィ盤を聴き、今回のスベトラーノフ盤で3枚目になります。
<曲目>
カリンニコフ:交響曲第1番
<演奏>
スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト交響楽団
(1975年録音)
スベトラーノフ指揮の演奏では、N響とのライブ録音がCD化されていますが、このソヴィエト交響楽団とのコンビによる演奏は以前から名盤といわれながら入手困難な状況が続いていました。
私も是非入手したいと中古CD屋を漁ったこともありましたが、先日山野楽器に行ってみると棚にさりげなく置かれているではありませんか。もちろん即ゲットです。
早速全曲とおして聴いたのですが、期待が大きすぎたのか、めりはりのついた演奏ではあるのですが、どこか「こけおどし」的な匂いを感じ楽しめませんでした。
しかしもう一度聴いてみようと思い、本日再チャレンジ。
印象はまったく異なりました。すばらしい演奏です。この手の曲はチャイコフスキーもそうなのですが、ある程度劇場的な仕掛けを施したほうが感動するんです。
この部分を「こけおどし」と感じたんでしょうね。しかし、前回いったい何を聴いてたんでしょうか・・・。以下感想を。
第1楽章は、弦楽合奏による第1主題に続き、チェロによって奏でられるあの魅力的な第2主題が最初の聴きどころ。上手い。聴かせ上手やなぁ。中間部のフーガの扱いも見事ですが、私がこの楽章で最も感銘を受けたのは、その後再現される第2主題です。ハープに伴われた主題が本当に美しくかつ懐かしく響きます。
第2楽章冒頭のハープ・弦楽器で奏される静謐な雰囲気は、何と例えたらいいんだろう。イメージとしては「雪」でしょうか。この静けさの中、オーボエ、フルートなどの木管楽器が哀愁を帯びた旋律を奏でます。単に「お国ものだから」とかたずけられない素晴らしい演奏です。とにかく最美の曲の最美の演奏で感動しました。
第3楽章は、一転して明るいスケルツォです。表情の若々しさが印象的。
第4楽章が、最も他の2組の演奏と異なるところかもしれません。
とにかく早く熱い。名手ぞろいのこのオケも、さすがについていけてないところもありますが、それは全体から見れば些細なこと。このエネルギーの噴出こそ、何より音楽が要求しているじゃないですか。これを聴いてしまうと、他の2枚は生ぬるいと感じてしまいます。各楽章の主題がロンドに乗せて展開されるとき、それぞれの楽章の感動が改めて甦り、最後は圧倒的なエンディングで締めくくります。このあたりの曲の設計の匠さは、スベトラーノフの偉大さの証しだと思います。
改めて、すごい演奏です。
なお、久しぶりに他の2枚の演奏も続けて聴いてみましたが、私にとってのセカンドチョイスは、真摯さが心をうつクチャル盤です。
この交響曲第1番は彼の代表作とされていますが、最近にわかに「隠れた名曲」として脚光をあび一大ブームを巻き起こしましたので、一度は耳にされた方も多いかと思います。
私はNAXOSのクチャル盤で初めてこの曲に出会いましたが、その後ヤルヴィ盤を聴き、今回のスベトラーノフ盤で3枚目になります。
<曲目>
カリンニコフ:交響曲第1番
<演奏>
スヴェトラーノフ指揮ソヴィエト交響楽団
(1975年録音)
スベトラーノフ指揮の演奏では、N響とのライブ録音がCD化されていますが、このソヴィエト交響楽団とのコンビによる演奏は以前から名盤といわれながら入手困難な状況が続いていました。
私も是非入手したいと中古CD屋を漁ったこともありましたが、先日山野楽器に行ってみると棚にさりげなく置かれているではありませんか。もちろん即ゲットです。
早速全曲とおして聴いたのですが、期待が大きすぎたのか、めりはりのついた演奏ではあるのですが、どこか「こけおどし」的な匂いを感じ楽しめませんでした。
しかしもう一度聴いてみようと思い、本日再チャレンジ。
印象はまったく異なりました。すばらしい演奏です。この手の曲はチャイコフスキーもそうなのですが、ある程度劇場的な仕掛けを施したほうが感動するんです。
この部分を「こけおどし」と感じたんでしょうね。しかし、前回いったい何を聴いてたんでしょうか・・・。以下感想を。
第1楽章は、弦楽合奏による第1主題に続き、チェロによって奏でられるあの魅力的な第2主題が最初の聴きどころ。上手い。聴かせ上手やなぁ。中間部のフーガの扱いも見事ですが、私がこの楽章で最も感銘を受けたのは、その後再現される第2主題です。ハープに伴われた主題が本当に美しくかつ懐かしく響きます。
第2楽章冒頭のハープ・弦楽器で奏される静謐な雰囲気は、何と例えたらいいんだろう。イメージとしては「雪」でしょうか。この静けさの中、オーボエ、フルートなどの木管楽器が哀愁を帯びた旋律を奏でます。単に「お国ものだから」とかたずけられない素晴らしい演奏です。とにかく最美の曲の最美の演奏で感動しました。
第3楽章は、一転して明るいスケルツォです。表情の若々しさが印象的。
第4楽章が、最も他の2組の演奏と異なるところかもしれません。
とにかく早く熱い。名手ぞろいのこのオケも、さすがについていけてないところもありますが、それは全体から見れば些細なこと。このエネルギーの噴出こそ、何より音楽が要求しているじゃないですか。これを聴いてしまうと、他の2枚は生ぬるいと感じてしまいます。各楽章の主題がロンドに乗せて展開されるとき、それぞれの楽章の感動が改めて甦り、最後は圧倒的なエンディングで締めくくります。このあたりの曲の設計の匠さは、スベトラーノフの偉大さの証しだと思います。
改めて、すごい演奏です。
なお、久しぶりに他の2枚の演奏も続けて聴いてみましたが、私にとってのセカンドチョイスは、真摯さが心をうつクチャル盤です。
スヴェトラーノフ盤、未聴です。探してみようと思います。
いつも、ありがとうございます。私の中のベストチョイスもずっとクチャル盤でした。新しく聴いたスベトラーノフ盤の特徴はブログに書かせていただいたとおりですが、ある意味でクチャル盤と対照的です。一言でいってしまうと劇場的な演奏です。クチャル盤は、楷書のもつ真実味、真摯さがいいですね。世評の高いヤルビィ盤は綺麗なんだけど、私にはもう一つしっくりきません。
カリンニコフを聴きました。佳品ですね。この旋律だけで、彼は永遠です。1番も2番もホンマに綺麗。
聴いていると、自分の若い頃が思い出されるような、そんな曲です。
クチャル盤でTBさせてください。よろしくお願いします。
こんばんは。
>この旋律だけで、彼は永遠です。1番も2番もホンマに綺麗。
全くもって、同感です。
いつ聴いても、いい曲ですよね。でも生前は、ほんとに生活していくのもままならなかったようで、分からないものですね。
クチャル盤、私も最初に出会った想い出のディスクです。変に小細工していないから、この曲の魅力が生で滲み出てきているような気がします。
ありがとうございます。
カリンニコフで検索していたら、こちらへたどりつきました。私はまだ、この名作に出会って、一ヶ月なんでうが、すっかりはまってしまって、考えるだけでも泣けてきます。もうほとんど中毒のようになっています。
ほんとうに素晴らしい曲ですよね。
私も違う演奏を聞いて聞き比べしたいと思います。
はじめまして。
ようこそおいでくださいました。
>すっかりはまってしまって、考えるだけでも泣けてきます・・
よーくよーく分かります。こんな魅力的なメロディ、こんな素敵な音楽、なんで数年前まで大きな話題にならなかったのかほんと不思議ですよね。
機会があれば是非このスベトラーノフ盤もお聴きになってください。
きっと気に入っていただけると思います。
先日もコメントさせてもらいましたhimeです。
スベトラーノフのN響バージョンを聞いたのですが、クチャルと比べると・・・いまいち?なかんじでした。がっかり。いや・・けっしてやない!っていうほどの演奏じゃなかったんですが。ソビエト交響楽団のCD聞いてみたいですねーー。しかーーし。。入手できない状態みたいです。
手に入らないとなると、俄然燃えます。がんばって探してみます^^
書きなぐりの感想ですが、トラバさせてもらいました。すみません。。
TBいただきありがとうございました。
スベトラーノフ&N響盤をお聴きになったのですね。
私自身未聴なので具体的には言えないのですが、やっぱり遠慮があるのかもしれませんね。
是非是非、ソビエト交響楽団のCDも聴いてみてくださいね。(先日池袋のHMVで1300円くらいで出ていましたヨ)
ところで、昨日久しぶりにクチャル盤を聴きました。
私が最初に出会ったディスクなんですが、やっぱり素敵な演奏でした。これだけ真摯にカリンニコフと対峙してくれると、ジーンときますね。ほろっとしてしまいました。
管弦楽部に在籍していた私は高3の定期演奏会でカリンニコフの交響曲第1番を演奏したのです!
感動しました…演奏者なのに…
たまにビデオを見返したりしますけど、懐かしい思い出です。
ようこそ、おいでくださいました。
この素晴らしい曲を実際に弾かれたのですね。
それも高校生の時に・・・。
なんとうらやましい。
>感動しました…演奏者なのに…
ほんとよく分かります。この感動がまた聴き手にまわったときに活きてくるんですよね。
今後ともよろしくお願い致します。