一昨日は13日の金曜日。
今年最初の月から「13日の金曜日」というのも少々気になっていたが、大きな事件もなく一安心。
そしてこの日、野田内閣も新しくなったが、くだらない失言等で貴重な時間と金を無駄にしないように、とにかく本気でやってください。
望むのは、ただそれだけです。
さて、この週末、録画しておいた番組をチェックしていて、私は画面に釘づけになった。
私をそれほどまでに驚かせてくれたのは、韓国生まれのパク・キュヒさん。
1985年生まれというから、まだ20代の若い女流ギタリストだけど、とにかく物凄い才能だ。
ブローウェルのソナタやリョベートの変奏曲等の難曲を軽々と弾きこなす技術の高さ、紡ぎだす音色の類まれな美しさ、トレモロの飛びっきりの美しさ等、個別に美質を挙げるだけならいくつでも出てくる。
しかし、彼女の凄さは、それらの美質がすべて音楽の表現のために使われていることだ。
最近のギター界の事情に対して少々疎くなってしまったので、彼女の活躍ぶりをあまり知らなかった。
オンエアされたのは昨年2月に東京で行われたコンサートの模様だったが、最初のスカルラッティから、その豊かで暖かい音楽性に私はすっかり魅了されてしまった。、
妙な言い方で恐縮だけど、「ギターでスカルラッティを上手に弾いてますよ」という感じが全くしないのだ。
楽器の存在を感じさせないというか、スカルラッティの音楽だけが空間に響いていた。
生のコンサートでは、時としてこのような現象が起こり、聴衆に大きな感動を与えてくれるのだけど、画面を通してこのような気持ちにさせてくれることは滅多にない。
その後弾かれたブローウェルのソナタも、実に生き生きと表現で、聴いていて嬉しくなった。
初演者であるジュリアン・ブリームの、骨格のはっきりした確信に満ちた名演とは随分スタイルが異なるが、彼女の自然で大らかな演奏は格別の魅力を感じさせる。
そして、この日の白眉は、バリオスの名作「森に夢見る」、そしてアンコールで弾かれた「アランブラ宮殿の思い出」。
いずれも情感豊かに歌い上げられていて、本当に心に沁みるような演奏だった。
この人の技術的にみた一番の長所は、脱力がほぼ完全に出来ていることだろう。
それが左手と右手のバランスの良さにつながり、右手を自由にコントロールできるからこそ、あの美しいタッチが生まれるのだと思う。
使用していた楽器は、ヘッドの形からおそらくフランスの名工フレドリッシュのものだと思うが、この名器との相性も抜群。
擦弦楽器(ヴァイオリン等)と聴き間違えるような大きなフレージングで、音楽を表情豊かに表現できるパクさん。
これからが本当に楽しみだ。
今度東京でコンサートがあれば、そのときは必ず行きますね。
☆パク・キュヒ ギター・リサイタル
<日時> 2011年2月10日(木)
<会場> 東京・武蔵野市民文化会館
<曲目>
■スカルラッティ(パク・キュヒ編曲)
・ソナタ ニ短調 K.32
・ソナタ イ長調 K.322
■リョベート:ソルの主題による変奏曲
■ブローウェル:ソナタ
■タレガ:椿姫の主題による幻想曲
■バリオス:森に夢みる
(アンコール)
■タレガ:アランブラ宮殿の思い出
今年最初の月から「13日の金曜日」というのも少々気になっていたが、大きな事件もなく一安心。
そしてこの日、野田内閣も新しくなったが、くだらない失言等で貴重な時間と金を無駄にしないように、とにかく本気でやってください。
望むのは、ただそれだけです。
さて、この週末、録画しておいた番組をチェックしていて、私は画面に釘づけになった。
私をそれほどまでに驚かせてくれたのは、韓国生まれのパク・キュヒさん。
1985年生まれというから、まだ20代の若い女流ギタリストだけど、とにかく物凄い才能だ。
ブローウェルのソナタやリョベートの変奏曲等の難曲を軽々と弾きこなす技術の高さ、紡ぎだす音色の類まれな美しさ、トレモロの飛びっきりの美しさ等、個別に美質を挙げるだけならいくつでも出てくる。
しかし、彼女の凄さは、それらの美質がすべて音楽の表現のために使われていることだ。
最近のギター界の事情に対して少々疎くなってしまったので、彼女の活躍ぶりをあまり知らなかった。
オンエアされたのは昨年2月に東京で行われたコンサートの模様だったが、最初のスカルラッティから、その豊かで暖かい音楽性に私はすっかり魅了されてしまった。、
妙な言い方で恐縮だけど、「ギターでスカルラッティを上手に弾いてますよ」という感じが全くしないのだ。
楽器の存在を感じさせないというか、スカルラッティの音楽だけが空間に響いていた。
生のコンサートでは、時としてこのような現象が起こり、聴衆に大きな感動を与えてくれるのだけど、画面を通してこのような気持ちにさせてくれることは滅多にない。
その後弾かれたブローウェルのソナタも、実に生き生きと表現で、聴いていて嬉しくなった。
初演者であるジュリアン・ブリームの、骨格のはっきりした確信に満ちた名演とは随分スタイルが異なるが、彼女の自然で大らかな演奏は格別の魅力を感じさせる。
そして、この日の白眉は、バリオスの名作「森に夢見る」、そしてアンコールで弾かれた「アランブラ宮殿の思い出」。
いずれも情感豊かに歌い上げられていて、本当に心に沁みるような演奏だった。
この人の技術的にみた一番の長所は、脱力がほぼ完全に出来ていることだろう。
それが左手と右手のバランスの良さにつながり、右手を自由にコントロールできるからこそ、あの美しいタッチが生まれるのだと思う。
使用していた楽器は、ヘッドの形からおそらくフランスの名工フレドリッシュのものだと思うが、この名器との相性も抜群。
擦弦楽器(ヴァイオリン等)と聴き間違えるような大きなフレージングで、音楽を表情豊かに表現できるパクさん。
これからが本当に楽しみだ。
今度東京でコンサートがあれば、そのときは必ず行きますね。

<日時> 2011年2月10日(木)
<会場> 東京・武蔵野市民文化会館
<曲目>
■スカルラッティ(パク・キュヒ編曲)
・ソナタ ニ短調 K.32
・ソナタ イ長調 K.322
■リョベート:ソルの主題による変奏曲
■ブローウェル:ソナタ
■タレガ:椿姫の主題による幻想曲
■バリオス:森に夢みる
(アンコール)
■タレガ:アランブラ宮殿の思い出