ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

やったで・・・

2009-07-18 | その他
昨夜、東京ドームで奇跡が起こった。
しかも、その奇跡の場面に実際に立ち会えるとは。
ビジネスバッグの中に、外見とはおよそ不似合いなユニフォームやカンフーバットといった応援グッズをぱんぱんに詰め込み、仕事も早々に切り上げて行った甲斐があったというもの。

奇跡の立役者であり敗色濃厚の我がタイガースを救ったのは、鳥谷の一撃。
どちらかというとじっくりタイプで、積極性のなさを指摘される鳥谷だが、この最終回の打席は違った。
打席に入る前から何か吹っ切れたような雰囲気が伝わってきたし、何かやってくれそうな予感はあったが、まさかホームランになるとは。
ジャイアンツの新守護神越智の初球に対して鳥谷がバットを一閃させると、重苦しいドームの空気を切り裂いてライトスタンドに一直線に打球が飛び込んで行った。
この打席のように「無心にバットを振る」ということに鳥谷が目覚めてくれたら、真弓監督がシーズン前から期待していた3番も十分こなせるだろう。

しかも、昨夜はこれで終わらなかった。
けがに苦しみ、また決して適任とは思えない代打として登場した林が2ラン。
そして、7回の絶好期に最悪のバッティングをして大きなチャンスをつぶしてしまった葛城にも、早速リベンジの機会が与えられた。
そして、ホームランという最高の結果を出した。
最近読んだ日経新聞で、プロ野球解説者の豊田泰光さんが「ミスはだれにでもあるけど、すぐに挽回のチャンスが与えられる人とそうでない人がいる。その差はミスの後でも腐らずに前向きに行動できるかどうかにかかっている」というような記事を書かれていて、なるほどと思ったものだが、その意味でも葛城はアクティブに自分を奮い立たせしっかり結果を出せたのだから、彼自身も本当に嬉しかっただろう。
あと、江草、アッチソンといった中継ぎ陣、守護神藤川もセーブのつかない状況でありながら、それぞれ最高のピッチングをした。
でも、私があえて殊勲甲に上げたいのは、強力打線をソロホームラン1本に押さえた先発金村の粘り強いピッチング。
かつて日本ハムのエースと言われた男が、今シーズンはずっとファーム暮らしを強いられたにもかかわらず、決して腐ることなく自分のベストを出し続けてきた。
そして、その不断の努力こそが、ようやく一軍に呼ばれた最初の試合で好投できた最大の原因だろう。
金村のみせてくれた「逃げずに攻めて常に自分に有利なカウントで勝負する」、これは投球術の基本だし、我々の仕事においてもまったく同じだと思う。
勝ち星こそつかなかったけど、この日の金村のピッチングは、タイガースナイン・タイガースファンにどれだけ熱いメッセージを与えてくれたことか。
「ダメ虎」「情けない!」「関西の恥」等、昨年までとはうってかわった罵声を浴びているタイガース。
結果ではなく、そう言われてもしかたがないような不甲斐ない戦い方をしてきたと私も思う。
昨日の試合も結果的にはホームランでしか点が入っていないのだから、決して楽観なんてできないのだけれど、選手一人一人の生きざまのようなものを少しだけ感じることができた。
とにかく、勝ち負けではなく、絶対諦めないファイティング・スピリッツを見せてくれ!
ファンは、それを楽しみにしているのだから。

P.S
この日の席は、C指定ながら貴賓席の少し上というロケーション。
全体がよく見渡せるし、グランドも決して遠く感じない。
ひとつひとつの席もゆったりしていて、おまけに値段は2,300円という破格の安さ。
こんな素晴らしい席で、シーズンに一度あるかどうかの試合を見れたのだから、もうラッキーとしかいいようがない。
神様に感謝しなきゃ・・・。
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カリニャーニ&読響 レスピーギ:ローマ3部作

2009-07-12 | コンサートの感想
昨日、読響マチネーを聴いてきた。
タクトをとったのは、パオロ・カリニャーニ。
日本での知名度はいま一つだが、3年前に読響マチネーで聴いたときの印象が大変鮮烈で、シーズンプログラムをみたときから心待ちにしていたコンサートだった。

<日時>2009年7月11日(土) 14:00開演
<会場>東京芸術劇場
<曲目>
《レスピーギ生誕130年》
レスピーギ:ローマ三部作
■交響詩〈ローマの祭り〉
(休憩)
■交響詩〈ローマの噴水〉
■交響詩〈ローマの松〉
(アンコール)
■レスピーギ:リュートの為の古代舞曲とアリア第3組曲から「シチリアーノ」
<演奏>
■指 揮:パオロ・カリニャーニ
■管弦楽:読売日本交響楽団

どちらかというとスロースターターの読響だが、この日は前半からエンジン全開。
「祭り」の冒頭から、実に色彩豊かなサウンドで聴衆を魅了してくれた。
カリニャーニの手にかかると、何というか読響の音に生気が感じられる。
音楽に最も重要な呼吸感、リズムの弾力性という点でも申し分ない。
読響の猛者たちが、終始気持ち良さそうにそして必死で弾いている姿が嬉しかった。
当初「噴水」の後で休憩の予定だったようだが、この日は「祭り」で休憩に入り、後半に「噴水」「松」を並べるプロになった。
「噴水」のラストの鐘の響きの残像を残した形で、「松」が開始されたのはとても効果的だったと思う。
クライマックスの設定も見事の一言。
レスピーギの3部作では、フェードアウトしてからフェードインという形をとらずに、前のシーンの最後と新しいシーンの始まりが重なるような箇所が散見されるが、このあたりの処理も実に上手い。
色の数の多さ、巧みな歌わせ方、ダイナミクス、やはり経験豊かなオペラ指揮者としての面目躍如といったところか。

今度は是非一度彼の指揮するオペラを観てみたい。
それから、もうひとつ。
何としてもマーラーのシンフォニーを聴きたい。
きっと、どきどきするような素晴らしいマーラーになるはずだ。
一日も早く実現してほしい。
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アレクサンダー・ガヴリリュク @東京オペラシティ

2009-07-11 | コンサートの感想
今週は、三重~岐阜~京都~大阪と、ほとんど毎日出張だった。
齢のせいか、一日二日遅れて疲れが出てくるのが情けない。(泣)
そんな中、唯一東京勤務だった水曜日の夜は、来日中のガブリリュクを東京オペラシティで聴くことができた。

<日時>2009年7月8日(水) 19時開演
<会場> 東京オペラシティ コンサートホール
<曲目>
■ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第8番「悲愴」
■ショパン:軍隊ポロネーズOp. 40
■ショパン:即興曲第1番
■ショパン:夜想曲第8番
■リスト:メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」
■ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章
■ラフマニノフ:10の前奏曲 作品23より 第1,2,5,6,7番
■ビゼー~ホロヴィッツ: カルメン変奏曲
(アンコール)
■モーツァルト:ロンドK.485
■モーツァルト(ヴォロドフ編曲):トルコ行進曲
■ラフマニノフ:楽興の時 第3番
■メンデルスゾーン(ホロヴィッツ):結婚行進曲
<演奏>アレクサンダー・ガヴリリュク

ガブリリュクのことは過去何度かブログで書いてきたが、小菅優さんとともに、私が最も大きな期待を寄せる若手ピアニストだ。
2年前の来日時も圧倒的な名演を聴かせてくれたガブリリュクだが、残念なことに聴衆の入りはもうひとつだった。 それに比べて、この日は前回に比べて聴衆も多く、それがまず嬉しい。ようやく実力が広く認知されてきたということだろうか。
さて、肝心の演奏だけど、やっぱり凄い!
桁違いの才能! あどけなさの残る童顔のガブリリュクが聴かせた音楽は、やはり天賦の才としか形容できないものだった。 キラ星のごとく並ぶ才能に溢れた若いピアニストの中でも、とびぬけた存在だろう。アピール上手でスポットライトを浴びているピアニストたちとは、明らかに一線を画している。

ベートーヴェンは、冒頭のフェルマータ気味に延ばされた強烈な一撃で始まった。そしてその悲劇的な雰囲気を保ちながら悠然と歩みを進める様は、もうすでに巨匠の技。主部への移行も小憎らしいほど自然。彼の持ち味はレガートの美しさだと書いたことがあるが、ますます磨きがかかってきたようだ。 一つ一つの音の美しさもさることながら、フレーズとして、いやもっと長いかたまりとして音楽をとらえたときに、ガブリリュクの作り出す音楽は比類ない出来栄えを示す。
第2楽章のアダージョカンタービレは、その意味でも、彼の美質が最高に発揮されていたと思う。
ときに音符の多さが気になってしまうショパンの即興曲も、彼の手にかかるとまるで優雅にそして自由に舞う蝶のようだ。
前半のラストを飾るメフィストワルツでは、一転してデモーニッシュな雰囲気を十全に描き切っており、これが聴衆を熱狂させた後半へと繋がった。

私がこの日の白眉だと感じたのは、後半最初に弾かれたペトルーシュカ。
これは聴きものだった。十分なスピード感と圧倒的な高揚感をもちながらも、決して勢いに任せたり上滑りするようなことはない。
それどころか、ペトルーシュカの運命的な悲哀のようなものまで、そこはかとなく感じさせてくれるのだ。
こんなペトルーシュカは滅多に聴けない。
ブラーヴォ! ブラーヴォ!
続くラフマニノフを大きな共感をもって歌いあげた後、ラストはホロヴィッツ編のカルメン変奏曲。
ヴィルトュオーソという言葉は、こんな演奏のために使うのだろう。
聴衆を尋常ではない興奮の坩堝に巻き込んでコンサートは終わった。
アンコールは4曲。オリジナル2曲とアレンジもの2曲というこれまたバランスのとれた選曲だった。

ガブリリュクのピアノは、たとえ時速200キロ・250キロで走った場合であっても、車内は極めて静寂で安定した乗り心地を誇る車に似ている。
そして、その車は逆にどんな低速で走っていても快適さはまったく変わらないで、ただ周りの風景がよりくっきりみえてくる。
こんな車なら、私だって何としても乗ってみたい。
それにしても、ピアノとは思えないような滑らかな曲線を使って描く知的な表現力と、堂々たるヴィルトュオーソとしての感覚、いったいどちらが本当のガブリリュクなんだろう。
しかし、よく考えてみると、どちらも紛れもなくガブリリュクの音楽なのだ。
つまり、彼は自分を前面に出すタイプの演奏家ではなく、「まず音楽に語らせる。そして、その音楽に最もふさわしい語法を使って表現する」ことに徹したアーティストだということ。
そういえば、音色そのものも、1部と2部で微妙に変化をつけていた。

自分の確固たるスタイルを身につけ始めたこの恐るべき25歳は、これからどんな風に進化をとげるのだろう。
皆様、ガブリリュクから決して目を離しては、いけませんぞ。
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悪魔のひとこと

2009-07-04 | その他
昨日は部下の送別会だった。
実に誠実な男で、私が顧客なら絶対離さないような好人物なんだけど、唯一の欠点は優しすぎる性格。
それが災いして、仕事においても、どうしても優柔不断なところが顔を覗かせてしまう。
そんな彼に、私が最後に贈ったアドバイスは、「悪魔のひとことを、今後は極力しまいこめ。」

その悪魔のひとこととは、「持ち帰って検討します」という言葉。
このフレーズを頻繁に使う人間を、私は信用しない。
たとえばお客さんと緊張感をもってせめぎ合いをする中で、相手のエネルギーをかわす特効薬がこの一言。
しかし、この悪魔のひとことは、あくまでも時効の中断であって、根本的には何も解決していない。
それどころか、時間の経過とともに、顧客は自分の希望通りの回答をしてくれるという思い込みがどんどん強くなってくる。
そして最終的にネガティブな回答をしようものなら、間違いなくクレームに・・・。
そうならないためには、可能な限り入念に準備をした上で商談の場に臨み、ひとたび相手を前にしたら、たとえどんなに状況が苦しくなっても逃げずにその場で必死に考え、自らベストと信ずる回答をすることだと思う。
これは、なにも、「えいや!」という思いきりだけで、いい加減な回答をしろと言っているわけではない。
専門知識の修得、情報の収集・分析、顧客にとっての最高のスキームは何かを必死で考える姿勢、そんな日々の地道な努力の積み重ねがあって、はじめて逃げずに回答することができる。
そして最後の最後にものをいうのは、やはり人間力。
それらが有機的に結びついてこそ顧客からの信頼につながると、私は信じている。

こういった考え方・感覚・呼吸を理解してくれれば、彼はきっと大きく開花するだろう。
人間性は私が太鼓判をおすくらいだから。
またいつの日か、一緒に仕事をしよう。
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