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しかも、その奇跡の場面に実際に立ち会えるとは。
ビジネスバッグの中に、外見とはおよそ不似合いなユニフォームやカンフーバットといった応援グッズをぱんぱんに詰め込み、仕事も早々に切り上げて行った甲斐があったというもの。
奇跡の立役者であり敗色濃厚の我がタイガースを救ったのは、鳥谷の一撃。
どちらかというとじっくりタイプで、積極性のなさを指摘される鳥谷だが、この最終回の打席は違った。
打席に入る前から何か吹っ切れたような雰囲気が伝わってきたし、何かやってくれそうな予感はあったが、まさかホームランになるとは。
ジャイアンツの新守護神越智の初球に対して鳥谷がバットを一閃させると、重苦しいドームの空気を切り裂いてライトスタンドに一直線に打球が飛び込んで行った。
この打席のように「無心にバットを振る」ということに鳥谷が目覚めてくれたら、真弓監督がシーズン前から期待していた3番も十分こなせるだろう。
しかも、昨夜はこれで終わらなかった。
けがに苦しみ、また決して適任とは思えない代打として登場した林が2ラン。
そして、7回の絶好期に最悪のバッティングをして大きなチャンスをつぶしてしまった葛城にも、早速リベンジの機会が与えられた。
そして、ホームランという最高の結果を出した。
最近読んだ日経新聞で、プロ野球解説者の豊田泰光さんが「ミスはだれにでもあるけど、すぐに挽回のチャンスが与えられる人とそうでない人がいる。その差はミスの後でも腐らずに前向きに行動できるかどうかにかかっている」というような記事を書かれていて、なるほどと思ったものだが、その意味でも葛城はアクティブに自分を奮い立たせしっかり結果を出せたのだから、彼自身も本当に嬉しかっただろう。
あと、江草、アッチソンといった中継ぎ陣、守護神藤川もセーブのつかない状況でありながら、それぞれ最高のピッチングをした。
でも、私があえて殊勲甲に上げたいのは、強力打線をソロホームラン1本に押さえた先発金村の粘り強いピッチング。
かつて日本ハムのエースと言われた男が、今シーズンはずっとファーム暮らしを強いられたにもかかわらず、決して腐ることなく自分のベストを出し続けてきた。
そして、その不断の努力こそが、ようやく一軍に呼ばれた最初の試合で好投できた最大の原因だろう。
金村のみせてくれた「逃げずに攻めて常に自分に有利なカウントで勝負する」、これは投球術の基本だし、我々の仕事においてもまったく同じだと思う。
勝ち星こそつかなかったけど、この日の金村のピッチングは、タイガースナイン・タイガースファンにどれだけ熱いメッセージを与えてくれたことか。
「ダメ虎」「情けない!」「関西の恥」等、昨年までとはうってかわった罵声を浴びているタイガース。
結果ではなく、そう言われてもしかたがないような不甲斐ない戦い方をしてきたと私も思う。
昨日の試合も結果的にはホームランでしか点が入っていないのだから、決して楽観なんてできないのだけれど、選手一人一人の生きざまのようなものを少しだけ感じることができた。
とにかく、勝ち負けではなく、絶対諦めないファイティング・スピリッツを見せてくれ!
ファンは、それを楽しみにしているのだから。
P.S
この日の席は、C指定ながら貴賓席の少し上というロケーション。
全体がよく見渡せるし、グランドも決して遠く感じない。
ひとつひとつの席もゆったりしていて、おまけに値段は2,300円という破格の安さ。
こんな素晴らしい席で、シーズンに一度あるかどうかの試合を見れたのだから、もうラッキーとしかいいようがない。
神様に感謝しなきゃ・・・。