ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

「小澤征爾 オペラへの情熱」(BS hi)

2011-01-09 | BS、CS、DVDの視聴記
2011年の最初の週がようやく終わった。
テンションがあまり上がらないのに、やることだけがやたら多くて、結構疲れました。
画像は、7日の金曜日に外勤の合間を見つけて、芝の増上寺にお参りした時のもの。
平日の午前中ということもあって、参拝客もちらほら。
ゆったりとした気持ちで、お参りさせていただくことが出来た。
ふと見上げると、増上寺の隣に、東京タワーが凛々しくそびえたっている。
ビッグツリーもいいけど、東京タワーの上品な佇まいは、やはり捨てがたいなぁ。

さて、12月に沢山録り溜めた番組を、暇を見つけて少しずつ見始めている。
この小澤さんのドキュメンタリー番組は、もともと平成13年にオンエアされたもので、
ラヴェルの「スペインの時」を題材に、若者達を教えながらみんなでオペラを作り上げていく過程を描いたもの。
全編興味深い話ばかりだけど、特に印象に残ったのが次のシーン。

指揮を見ないで演じようとした男子学生に、小澤さんは注意する。
「指揮者を見てないと、オーケストラの音の海の中でおぼれるぞ」
指揮者を見るというのはあまりに当たり前の話だけど、何か別の意味があるのだろうか。
謎はすぐに解けた。

小澤さんがインタビュアーに向かって説明を始める。
「カラオケというのがありますよね。
カラオケは、音がまず鳴ってて、それを聴いて歌いはじめます。
それは、正確に言うと、音より少し遅れて歌っていることになるんです。」
小澤さんは、さらに続ける。
「子音を、オケの音のほんのちょっとだけ前に発音すると、歌詞が明瞭に聴こえるんです。
一流の歌手は、みんなそうやってます。
『声が通る』と言いますが、それは子音がはっきり聴こえるからです。決して声がでかいからじゃないんです。
それを実現するためには、オケの音が出てからでは遅いので、指揮者を利用すること、つまり指揮者を見て歌いだすことが大切なんです。」

この小澤さんのコメントは、私にとって目から鱗だった。
声楽を専門的に学ばれた方にとっては常識かもしれないけど、私は目の前の霧がさっと晴れる思いがした。
聞くところによると、小澤さんは、近々持病の腰の手術に踏み切られるとか。
偉大なマエストロの一日も早い回復を願っています。

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2 コメント

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なるほど~ (おさかな♪)
2011-01-14 16:23:15
ためになりました!
なるほど~♪
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>おさかな♪さま (romani)
2011-01-15 15:24:53
こんにちは。
コメント、ありがとうございます。
本文にも書きましたが、ほんとに目から鱗でした。
人間の声って、子音と母音がほんの一瞬ずれて聴こえるんですね。
でも、小澤さんも仰ってましたが、このズレは本当にちょっとの時間でないといけない。
このあたりが文字通り紙一重なんですね。
うーん、やっぱり音楽って深いです。
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