ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

gooブログがiphone対応になった(^-^)/

2012-07-25 | その他
gooブログがついにiphone対応になった。「やっと」という感じは否めないが、まずは良かったということにしておきましょう。
だからといって、生来怠け者の私が、急に真面目にブログを更新するとは思えないけど、そのあたりは大目に見てやってください💦

今日は関東も本当に暑かった。
でも、いよいよ一部の競技でオリンピックが始まる。こっちは熱い戦いになるだろうなぁ。
今夜は、先陣をきって、なでしこが登場する。
誰がつけたのかよく知らないけど、本当に素敵なニックネームだと思う。
初戦はカナダ。
決して楽な相手ではないけど、思い切り暴れまわってほしい。
頑張れ、なでしこ!
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ベートーヴェン:ピアノソナタ第29番「ハンマークラヴィーア」 by ポリーニ(p) 

2012-07-22 | CDの試聴記
今日は一日中、年金の問題集の改訂作業をしていた。
どうすれば実戦的な問題になるか、どうすれば一目で理解できる解説になるかを真剣に考えると、なかなか前に進まない。
でも、この問題集を頼りに学習する人がいると思うと、頑張ってやるしかないよなぁ。
しかし、さすがに疲れた・・・
予想外に涼しかったことが、せめてもの救いだったけど。

先週は、秋に待望の来日が決定したポリーニのチケットを幸いにもゲットすることができた。
今回は何種類もプロがあったのでは迷いに迷ったが、結局ハンマークラヴィーアをメインに据えたプログラムに決めた。
一番安い席だが、P席最前列の真ん中付近だから贅沢は言えない。
ピアノを聴く場合には、どうしても上蓋(反響板)の存在があるので、舞台後方にあたるP席は良くないと言われている。
まさにその通りだと思う。
しかし、真に感動的な演奏の場合は、そのようなハンディキャップはまったく問題にならないはずだ。
ポリーニなら、きっと奇跡を起こしてくれると信じている。

ポリーニの演奏は、いままで生で2回聴いたが、いずれもクラウディオ・アバド率いるルツェルン祝祭管弦楽団の来日公演に合わせたコンサートだった。
1回目はブラッハーやブルネロたちと組んだブラームスのピアノ五重奏曲、2回目はブラームスのピアノ協奏曲第2番。
それぞれ素晴らしい演奏であったことは間違いないが、震えるような感動とまでは至らなかったのも事実。
今回のコンサートは3回目になるので、まさに3度目の正直だと信じたい。
今後彼のピアノをく機会が何回も訪れるとは思えないので、初めて聴くソロコンサートということもあるし、心から楽しみにしている。
今年も体調不良が伝えられていたので、何とか元気な姿を見せてほしいと願っている。

そんなことを思いながら、30年以上前に録音された「ハンマークラヴィーア」を久しぶりに聴いてみた。
改めてポリーニの凄さを実感させられる。
彼が強靭で透徹された音を積み重ねて描いて見せたのは、圧倒的な存在感を誇る白亜の宮殿のようだ。
やわな箇所、曖昧な箇所はどこにも見当たらない。すべての音が、すべてのフレーズが、確信に満ちた表情で語られている。
第一楽章冒頭のファンファーレのようなフレーズも、比類ないくらい輝かしく豪快。
第三楽章を「軽い感じが残っている」とコメントした評論家もいたが、私はまったくそうは思わない。
確かに表面温度は低いので冷たく響くが、その硬質な響きの中から垣間見える敬虔な情感に私は深く感動した。
この楽章の途中で、ブラームスの交響曲第4番の第一楽章冒頭のモティーフに似た箇所が登場するが、ポリーニはひときわ格調高く表現している。
そして、やはりこの演奏の白眉はフィナーレ。
あの巨大なフガートを、料理の名人が目の前で魚をさばくような見事さで、鮮やかに弾ききっている。

私は聴きながら、ふとジョージ・セルのことを思い浮かべていた。
セルは私の敬愛する指揮者のひとりだが、誤解を恐れずに言えば、セルは本来ロマンティックな感覚を持った音楽家だったと思う。
しかし、自分の感情のおもむくままにロマンティックな表現をすることを、他ならぬ彼自身が許さなかった。
そんなセルだが、ときに熱い情感を抑えきれなくなることがあった。
たとえば、1970年の来日公演のライブ盤で聴けるモーツァルトの40番。
あの厳格なセルが、第一楽章から強烈なルバートをかけている。その部分を聴くたびに、私は涙が出そうになる。
これが間違いなくセルの心の叫びであり、パッションの発露だと思うから・・・。
こんな演奏を生で聴けた人を、本当に羨ましいと思う。

話をポリーニに戻す。
30年前に、既にあれだけ完成されたハンマークラヴィーアを聴かせてくれたポリーニは、果たして今回どんな演奏を聴かせてくれるのだろう。
あくまで勝手な予感だが、セルの来日公演の時のようなサプライズが聴けるのではないだろうか。
ほんのワンフレーズでもいいから、ポリーニの心の叫びが聴けたら、私はきっと涙で顔が上げられなくなるだろう。
今からポリーニの演奏を聴く日が待ち遠しい。

☆ベートーヴェン:
・ピアノ・ソナタ第28番イ長調Op.101
・ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調Op.106『ハンマークラヴィーア』
・ピアノ・ソナタ第30番ホ長調Op.109
・ピアノ・ソナタ第31番変イ長調Op.110
・ピアノ・ソナタ第32番ハ短調Op.111
<演奏>マウリツィオ・ポリーニ(ピアノ)
<録音>1975-77年
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ベートーベン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調op.37 by ソロモン(p)&メンゲス/フィルハーモニア管弦楽団

2012-07-13 | CDの試聴記
今日は13日の金曜日。
おまけに仏滅。
これだけ条件が重なる日は少ないと思うが、私の周りでは、幸いなことに今日一日何事も起こらなかった。
でも、九州では記録的な大雨が続いているし、昨今の異常気象は日本だけのことでもなさそうだ。
考えすぎかもしれないが、やはり地球が怒っているのかもしれない。
前に進むことだけを考えずに、周りのことにも目を配りなさいというシグナルだと、謙虚に受け止めたいと思う。

さて、最近何度も聴いて、その度に凄い演奏だと感動したのが、ソロモンの弾くベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番。
ソロモンはこの曲で少なくとも3種類の録音を遺してくれたが、このメンゲスと組んだ演奏は最後の演奏(1956年)にあたる。
(あとの二つは、44年のボールトと組んだ盤、52年のベイヌムと組んだライブ盤)
あるとき集中的にこのコンチェルトを聴いたことがあったが、そのときは第一楽章はグールド盤、第二楽章は内田光子盤、第三楽章はグルダ盤が良いと思った。
そして全曲通した印象としては、ハスキル&ミュンシュのライブ盤がベストだった。
しかし、このソロモン盤は、ハスキル盤と比べてもまったく遜色がない。
オーケストラの迫力がもう少しあればという気もするが、完成度という点では、ハスキル&ミュンシュ盤のさらに上を行っているのではないだろうか。

ソロモンのピアノが、とにかく高貴な香りに満ちている。
音の一つ一つが真珠のように美しいが、それがフレーズ単位にみたときに、絶妙のアーティキュレーションと相まってさらに艶やかな光を放つ。
吉田秀和さんがソロモンの「月光」を評したときの、「油を引いたような・・・」という表現がまさにぴったりだ。
とくに、この人の弱音の美しさは尋常ではない。
それでいて、力強さにもまったく不足しない。
本当に優れたピアニストだったと思い知らされる。
第一楽章の豊かさ、第二楽章の荘厳な響きと静謐感、フィナーレの躍動感、そして全体を貫く格調高さ、
そのいずれをとっても、私にはこれ以上の演奏は望めないという気がしてくる。

それと忘れてはならないのが、この演奏では、第一楽章でクララ・シューマン作のカデンツァが使われていること。
普段聴きなれたカデンツァとは随分印象が違うが、ソロモンが弾くと厳めしいベートーヴェンではなく、未来に目線を向け優しい眼差しをもったベートーヴェン像が浮かび上がってくる。
このカデンツァを聴くだけでも一聴の価値があると思う。

しかし残念なことに、この希代の名ピアニスト・ソロモンは、この年(ひょっとしたら、このコンチェルトの録音が行われた直後あたり?)に脳梗塞を発症しピアノが弾けなくなってしまう。
その意味でも、この録音はきわめて貴重なものだ。
ちなみに、ソロモンは幼いころから神童として有名だったが、デビュー間もない10歳の時にコンサートで弾いた演目は、このベートーヴェンの3番の協奏曲だったという。
やはり、ソロモンとこのコンチェルトは浅からぬ縁があったのかもしれない。
私は、ふとモーツァルトの最後のシンフォニーであるジュピターの終楽章の音型が、幼いころに書かれた第1番のシンフォニーで用いられていたことを思い出した。

☆ベートーベン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調op.37
<演奏>
■ソロモン(p)
■メンゲス指揮
■フィルハーモニア管弦楽団
<録音>1956年8月
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グラナドス:「嘆きにくれるマハ」 by ロス・アンヘレス&ソリアーノ

2012-07-08 | CDの試聴記
昨日からの雨も、ようやく上がったようだ。
湿度は高いが、窓を開けていると比較的凌ぎやすい。
そういえば、今夏まだエアコンをつけていないなぁ。
おっと、昨年大騒ぎして買った扇風機も出していないぞ。
この時期に一度もエアコン等をつけていないで過ごしているというのは、我が家としては新記録かもしれない。
どこまで我慢できるか分からないが、節電にもつながるし、できるだけ団扇と扇子で頑張ってみよう。

さて、例によって今朝も珈琲を淹れて飲んだ。
豆は、コスタリカのロス・アンヘルス。
定期購入しているショップから送られてきた珈琲豆で、初めて飲んだが、香りがとても素晴らしい。
全体に柔らかな味で、いかにも私好み。
これは楽しみだ。
 

この農園の名前をみた瞬間に、音楽好きの方なら、きっとあのスペインの名花ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレスのことを思い浮かべるだろう。
私もすぐに彼女の歌が聴きたくなって、久しぶりに取りだしたのがこのディスク。
どの曲も魅力的なんだけど、とくに私が気に入っているのが、このグラナドスの「嘆きにくれるマハ」という歌曲。
マハという名前は巨匠ゴヤの絵で有名だが、本来スペインの下町に生きる小粋な娘のことで、その相手の伊達男のことをマホと呼んでいたらしい。
グラナドスは、連作歌曲集「トナディーリャス」の中で、愛するマホの死を悲しんだ若いマハの心情を3篇の歌曲にして表現した。
いずれも珠玉のような作品でグラナドスの魅力に溢れているが、私はとりわけ第1曲が好きだ。
「おお無慈悲な死よ、おまえはなぜ卑怯なやり口で、恋に燃えるあたしからあたしのマホを奪っていったの?
かれなしには生きていたくもない。だってこうして生きるのは死んでいることと同じですもの・・・(以下略)訳:濱田滋郎氏」

こんなストレートなマハの心情を、切々と歌いあげるロス・アンヘレス。
彼女の最大の特徴である優しさに溢れているとともに、スペインの女性らしい熱い情熱を内に秘めた、文字通りの名唱だと思う。
そして、ピアノのソリアーノが最高の伴奏で彼女をサポートしている。
それからライナーノートにもクレジットにも何も表記されていないが、この曲だけ木管(イングリッシュホルン?)が加わっている。
これがまた素晴らしい効果をあげている。

今日は新しい珈琲のお陰で、久しぶりにこの名盤を聴くことができて本当に良かった。

☆20世紀のスペイン歌曲集
<曲目>
1. 7つのスペイン民謡(ファリャ)
2. 嘆きにくれるマハ(グラナドス)
3. 君の上にはただ花ばかり(モンポウ)
4. 見習い水夫の歌(トルドラ)
5. えにしだの花(トルドラ)
6. 黒人の子守歌(モンサルバーチェ)
7. ファルーカ(トュリーナ)
8. 聖なる羊飼い(ロドリーゴ)
9. ポプラの林に行ってきた(民謡~ロドリーゴ編)
<演奏>
■ヴィクトリア・デ・ロス・アンヘレス(ソプラノ)
■ゴンサロ・ソリアーノ(ピアノ)
<録音>1960年12月、1961年12月
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ベートーヴェン:「エロイカ」 by クレンペラー&フィルハーモニア管弦楽団 (1960年 Live)

2012-07-07 | CDの試聴記
昨日飛び込んできたパーヴォ・ヤルヴィのN響首席指揮者就任のニュースには、心底驚いた。
でもN響は、最高のマエストロを得たと思う。
何度か実演を聴いてみて、ヤルヴィは運さえ味方につければ天下取りもできる指揮者だと確信していたので、N響とのコンビで今後どんな名演奏を聴かせてくれるのか、本当に楽しみだ。

さて、昨日はクレンペラーの命日だった。
そんなこともあって、一日遅れだけど、1960年のウィーン音楽週間のベートーヴェンチクルスのライヴを聴いてみる。
彼は前年に寝たばこで大やけどを負ったはずだけど、少なくともこの録音を聴く限り、その影響は微塵も感じられない。
雄渾でこれだけスケールの大きいエロイカは、滅多に聴けないだろう。
クレンペラーが遺したエロイカは、そのすべてが名演だけど、このウィーン音楽週間のライヴはその中でも別格だと思う。
とくに第2楽章と終楽章が素晴らしい。
いずれも対位法的に書かれた部分が、神がかり的に見事だ。
弦楽器の重厚な響きと、木管のどこまでも澄んだ音色が絶妙に溶け合っている。
悠然としていてテンポは遅いが、一瞬たりとも緩んだり鈍くなったりすることはない。
そこにクレンペラーのオーラが投影されて、もう比類ないベートーヴェンになっている。

それから忘れてはならないのが、このディスクの音質。
ほかに数種類同じ演奏のCDを持っているが、このメモリーズ盤が最も素晴らしい音質だ。
「コンサートホール最前列で聴くような臨場感」というキャッチフレーズに偽りはなかった。

私生活では奇行でも知られたクレンペラーだけど、その音楽は神々しいまでの威厳に満ちている。
クレンペラーの偉大を、今さらながら思い知らされた。

ベートーヴェン
交響曲第3番変ホ長調 作品55「英雄」
<演奏>
■クレンペラー指揮
■フィルハーモニア管弦楽団
<録音>1960年5月29日 ウィーン楽友協会 ライヴ
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