ETUDE

~美味しいお酒、香り高い珈琲、そして何よりも素敵な音楽。
これが、私(romani)の三種の神器です。~

バッハ:カンタータ 第140番 「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」

2013-11-04 | CDの試聴記
一昨日は、娘の結婚式だった。
親バカと言われようと何と言われようと、私にとってはかけがえのない最愛の娘。
そんな娘が素敵な青年と出会い、この日嫁いでいった。
父親として一抹の寂しさを感じながらも、これほど嬉しいことはない。
結婚式に来てくださった方々からの祝福に最高の笑顔で応えていた新郎新婦を見て、「この二人なら、きっと幸せになってくれる」と一安心。
そして結婚式の最後の挨拶で、新郎が「必ず幸せにします」と力強く宣言してくれたことが、私には何よりも嬉しかった。
この日の感動を大切にして、いつまでもお幸せにね。

今、聴いているのは、バッハの140番のカンタータ。
カール・リヒターの名盤だ。
何度聴いても心洗われる名演奏だと思う。
実はこのリヒターの演奏は、私たちの結婚式(もう30年以上前の話ですが・・・)のときにもメインで使った思い出の音楽だ。
娘とバージンロードを歩きながら、このカンタータの第1曲がずっと私の中で流れていた。
「おめでとう。幸せになるんだよ」と心の中で娘に語りかけながら・・・。

また、新郎新婦は、私たち両親に、手作りのワイングラスを贈ってくれた。
イニシャル入りのお洒落なグラスで、とても素敵。
まさに、グラツィオーソ。
せっかくプレゼントしてもらったのだから、昨日早速使わせてもらった。
シャンパンにしようかと迷ったが、華やかな雰囲気もほしかったので、イタリアの微発泡赤ワインであるランブルスコにした。
美味しい!
ワインもさることながら、このグラスの存在がものを言ってる。
心のこもった贈り物、本当にありがとう。
ずっと大切に使わせてもらいます。


バッハ作曲 カンタータ第140番『目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声』
■指揮:カール・リヒター
■ミュンヘン・バッハ管弦楽団、合唱団
■ソプラノ: エディット・マティス
■テノール: ペーター・シュライアー
■バリトン: ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
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ジョン・ウィリアムス ラストコンサート (10/28) @白寿ホール

2013-11-01 | コンサートの感想
23日のトリフォニーホールに続いて、28日にも白寿ホールで2回目のコンサートを聴くことができた。

<日時>2013年10月28日(月)
<会場>白寿ホール
<曲目>
■バッハ:リュート組曲 第4番 ホ長調 BWV1006a
■フレデリック・ハンド:祈り
■グレイム・ケーン:ア・クローズド・ワールド
■スティーブン・ゴス:マリルボーン・エレジー
■ジョン・ウィリアムス:マリンケ・ギターズ
■アルベニス:アストゥリアス
■タルレガ:アルハンブラ宮殿の思い出
■ジョン・ウィリアムス:
 ・ステッピング・ストーンズ 第1番
 ・オッド・ナンバーズ
 ・フロム・ア・バード第3番
 ・ハロー・フランシス
■マイヤーズ:カヴァティーナ
■バリオス:ワルツ 第3番
■フィゲレード:ロス・カウハリートス
■カリージョ:星の涙
■カノニコ:エル・トトュモ
(アンコール)
■バリオス:フリア・フロリダ

この白寿ホールのコンサートは、二つの意味でメモリアルな演奏会だった。
まず一つ目は、今年いっぱいで演奏活動を引退するジョン・ウィリアムスの日本における最後のコンサートであったこと。
二つ目は、白寿ホールという音響の素晴らしい小ホールで開催されたこともあり、PA装置を使用せずに、生音でジョンの美しい音色を味わえたこと。

チケット料金は上記の背景もあり通常のコンサートより割高ではあったが、ジョンの最後のコンサートを前から2列目のセンターで、しかもPAなしで聴けたことは、もう神様からの贈り物としかいいようがない。
あまりに期待しすぎると、往々にして勝手に作り上げたイメージ(偶像)と現実とのギャップに失望することもあるものだが、この日限って、そのような話は全くの杞憂だった。

ツアーの疲れもあっただろうし、この日の体調は決して万全の状態ではなかったはずだ。現に曲の合間に何度か咳き込む場面もあった。また連日のサイン会で右手を酷使した影響も、少なからずあったと思う。
そのせいかどうか分からないが、とくに前半、ミスタッチや思いがけない音の外し方をした場面も散見された。
しかし、ジョン・ウィリアムスは、やはり神様だ。
ジョンが表現したいと考えていることは、たとえミスタッチがあったとしても、何の障壁もなく私たちの心にダイレクトに飛び込んできた。
器楽の奏者は、70歳を超えると「枯れた味」なんて言い回しをされることもあるが、ジョンには全く当たらない。
高貴な佇まいを崩さずに生命力と躍動感に満ち溢れた演奏スタイルは、若い頃の天才ジョン・ウィリアムスと何ひとつ変わっていなかった。

今回、至近距離で聴かせてもらって強く感じたのは、左手と右手のモーションが際立って小さいこと。
ギターで最も難しいはずのポジションの跳躍においても、絶対にバタバタしない。
また右手のタッチは強いが、絶対に荒っぽくならない。透徹した豊かな音色はイメージ通りであったが、近くで聴くとやや硬めだった。
でも、これが音を減衰させずにホールに響かせるコンサートギタリストの刻印なんだと思う。
そして、彼のサウンドの最大の秘密は右手の親指にあった。
低音は言うに及ばず、高音(1弦や2弦)でもジョンは親指を多用していたが、その音の美しさ、表現力の凄さは、ちょっと類をみない。
それらの圧倒的な技術が高次元で融合し、見事に音楽に奉仕していた。

この日のプログラムは、前半のメインにリュート組曲第4番を据えたAプロ。
初期のLPで聴かせてくれた瑞々しさはさすがに薄れていたが、その代わり舞曲の性格はより鮮明になり、遊び心に満ちた佳演だった。
後半は、すみだトリフォニーホールで聴いたBプロと全く同じ。
前回よりもさらに闊達な演奏だった。
とくにジョン・ウィリアムス自作の作品が、とても魅力的。
ハロー・フランシスやオッド・ナンバーズあたりは、今後ギタリストの好個のレパートリーとなることだろう。
そして、アンコールは、この日もフリア・フロリダ。
ひたすら美しい音楽、そして美しい演奏だった。

この美しいバルカローレで、ジョン・ウィリアムスは日本のファンに別れを告げた。
私は聴きながら涙が滲んできて、とても恥ずかしい思いをしたが、涙を流しながらも心の中は不思議に爽やかだった。
ジョン・ウィリアムス様、本当にありがとう。
あなたの聴かせてくれた音楽は、ずっといつまでも私の心の中で生き続けます。

右の画像は、プレミアム席の特典でいただいた、生写真とジョン直筆のサイン。
また家宝がひとつ増えました。
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