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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

20年の歳月を超えてMac Performa5430 が蘇った

2013-05-05 17:24:56 | よしなしごと
 ちょっとよろめいた拍子に、机に積んでおいた書類に手をついてしまった。すると突然、どこか懐かしい「ボヨヨンヨ~ン」という音が響いた。
 この書類の下には古いパソコンのキーボードがあって、手をついた折にその起動ボタンに力が加わったようなのである。この古いパソコン、もうとっくに使ってはいないのだが、なんとなく捨て難い思いがして机の一角を占めていた。その寝たきりのパソコンを起こしてしまったのだ。

           
              あ、立ち上がってしまった!

 もう20年ほどになるパソコン生活だが、このMacのPerforma5430というのが初代ではない。初代は1993年に買ったLC 575 というタイプであるが、これはもうない。上の、Performa5430を1996年に買った折、人に譲ってしまった。

 なぜ、Performa5430に買い代えたかというと、この機種には初心者向けのソフトが同梱されていたからである。おおよそ30ほどのソフトがついてきたが、おそらく半分も使わなかっただろう。
 一番良く使ったのは「クラリスワークス」というもので、これはWindowsでいえばMicrosoft Officeに相当するものである。文書作成では、日常的に使用するかたわら、これで本を一冊書き上げた。
 また、当時は飲食店を経営していたので、表計算を使っての現金出納帳や売上台帳、それに給与計算や試算表などにも用いていた。
 そのほか、ドローやペインティングもこのなかには含まれていて、しばしば用いた。
 
 「クラリスメールLite」というソフトで初めてメールのやりとりも行った。
 当時、ロンドンへ留学していた友人の息子とつながった時には感動した。お陰で、友人と息子の連絡係のようになってしまったが、いま振り返ると懐かしい。その息子も帰国して、今や環境庁の役人になっている。専門のエネルギー関係とその語学力をかわれ、閣僚クラスの海外での会議にはしばしば随行するようだ。

        
          残念ながら文字化けが激しくて使いものにならない

 「NIFTY Manager」というのもついていて、当時全盛だったパソコン通信のNiftyに関わるなか、「F・・・・・・・」といった複数のコミュニティにも入り、多くの友人ができた。その友人たちの多くとは、その後、別のSNSに移ったが、いまもそこでの付き合いが続いている。

 特筆すべきは、「Netscape Navigator 2.0」というやはり同梱のソフトを使って初めてネットに接続したことである。なかなか設定ができなくて、わざわざそれ用の本を買い、その本と首っきりで試行錯誤をしながらやっと繋がった時には、もう少しで精根尽き果てるところであった。それが今日へとつながっている。

 エンタメ関係では「AI将棋」というソフトでPCと対戦した。上・中・下とグレードがあって、「下」には常勝、「中」には五分五分(後半にはほぼ勝利)だったが、定跡を知らない喧嘩将棋では「上」にはなかなか歯が立たなかった。そんなことはすっかり忘れていたのだが、昨今のいわゆる「?電王戦?」のニュースを観て、今さらながらに思い出した次第である。

 そういえば、並行してPower Book150 というモノクロ画面の重たいノートパソコンをもっぱら職場の方で使い、フロッピーディスで自宅のディスクトップ型との間でデータをやり取りしていたが、あるとき、棚から落っこちた折に液晶が壊れてしまった。修理を依頼したら購入価格より高くなることがわかり諦めた。

        
               Appleの歴代のロゴマーク

 その後、ディスクトップ型のeMacを購入し(これは古いOSでしか走らないもののために今も時々使用)、さらに今のMacBook Air に至っている。かくしてパソコン歴は20年、使用したPCは5台になるが、自慢じゃないが未だに初心者である。

 ところで冒頭で述べた、はからずも立ち上がったPerforma5430であるが、以前(いつ頃だったろうか)立ち上げてみた時と違って、写真でご覧のようにほとんど文字化けしている。
 可哀想だが、引導を渡す時期に至ったのだろうと思った。
 これでどれだけの文字を打ち込み、いくつの文章を書いたのか、そしてそれらが電脳空間に放出され、消えていったかと思うと、たかがマシン相手なのに、感傷は否定しがたい。

 しかし、このまま昇天させるのも可哀想に思い、もう一度まともな姿にしてやってからと思った。幸い立ち上げの際のCDがとってあったので、それから起動し、再インストールをしようとしたが、ハードディスクが壊れているのでインストール出来ませんととの表示が。もうこれまでと思ったが、ドライブ設定から初期化を選択をしそれを行なってから改めて再インストールをしたら、なんとこれがうまくいったのだ。
 結局のところ、その後これに加えたさまざまなものは消えてしまったが、このPCを買った時のままが再現できたのだ。ということは、性能は古いが新しいパソコンが一台増えたことになる。

           
            HDを初期化して再インストールした

 PCのなかに保存されていたものは消えてしまったが、フロッピー・ディスクに保存したものは開きそうだ。
 文書作成は内臓の「ことえり」でできそうだし、ATOKのインストール用のフロッピー・ディスクがとってあったので、これを再インストールしても良い。
 まあ、しかし性能は新しいものの方がいいに決まっているから実際のところ実用には向かないだろう。
 新しいおもちゃが一つ増えたということか。
 
 そうそう、内臓の将棋ソフトは生きていた。今なら、初級段階にもかなわないかもしれない。
 クラリスのお絵かきソフトは使えそうだ。
 あ、それと、CDプレーヤーとして使える。今これを書きながら、「DAMN YANKEES」(バラード風の「High Enough」や「Come Again」がいい)を聴いている。自分の使っているPCのなかから音が聞こえるのはちょっとうるさいが、少し離れたところならそうでなない。ましてやいま聴いているロックなんかはそうだ。

        
           文字化けも解消し、新しいPCが一台増えた

 いまやスマホやタブレット型端末の全盛であるが、私はたぶんPC止まりだと思う。
 iPod nanoも持ってはいるが、いいジジイが電車の中などでイヤホーンをしているのもなんだか気恥ずかしい。電車の中は読書と決めている。
 
 ただし、今も、名古屋のアップルストアーで新しいMacBook Air などに触ると、その機能や使いごちの良さにいくぶん血が騒ぐ。いつまで、今のままで我慢出来るだろうか。

 
 *古いPCが好きな人のために、以下にPerforma5430のスペックを転載しておく。

◆Mac Performa5430
 *PC分類一体型パソコン *OS分類 Mac
 *メーカー Apple *型番 M5514J/A 型番2
 *JANコード 4930718551418
 *標準価格 オープン価格 *発表日 1996/11/12
 *発売日 1996/11/22
 *製品名 Performa 5430 M5514J/A
 *製品概要 16MB/HD1600/CD/Modem
 *注釈 子供って、遊ぶことで学んでいくんですね。

スペック
 *CPU PowerPC603e 160MHz *CPU搭載数 1
 *バンドルOS 漢字Talk7.5.3
 *メモリ容量 標準24.0MB 最大136.0MB オンボード8.0MB
 *メモリスロット スロット数2 (空き1) 増設単位1
 *ハードディスク 1.6GB IDE *CD-ROM速度 8.0倍速
 *拡張スロット PCI1(1) *ディスプレイ 15.0インチ CRT カラー
 *外形寸法 (W)383mm×(D)406mm×(H)445mm
 *重量 21.2Kg

付属品名  ・AppleキーボードII JIS ・ADBマウスII
付属ソフト ・3Dアトラス ・Adobe PhotoDeluxe 1.0J
 ・AI将棋 ・ANGEL SOFT ・At Ease ・Fetch
 ・Netscape Navigator 2.0 ・News Watcher-J16
 ・NIFTY Manager ・Performaツアー
 ・Quick English ジュニア3 ・VTX for Macintosh
 ・アップルインターネットダイアラ ・キッドピクス スタジオ
 ・キューティマスコット ・クラリスメールLite
 ・クラリスワークス 4.0 ・コーパス毛筆書体集
 ・ティ・ブレイク ・フリーアートおためし版
 ・フレディフィッシュ・ポンキッキーズ もじもじワープロ
 ・マジックハット100ジュニアII ・もぐらたたキー
 ・ランチャー ・宛名職人
 ・岩波国語辞典第五版 ・研究社新英和・和英中辞典
 ・乗換案内 全国版 ・桃源紀行




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