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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

「プラトニック納豆腐」普及協会から(レシピ付き)

2010-01-07 01:29:01 | 現代思想
   写真は本文と関係ありません。

 「納豆」と「豆腐」は意味するところが逆だとず~っと思っています。
 どうしてかというと、豆を納めるのは「とうふ」の方であり、豆を腐らすのは「なっとう」の方だと思うからです。
 
 一度、国語審議会に掛け合ってみようかと思うのですが、おそらく相手にされないでしょう。
 そこで、わが家だけでもその名称を逆転させてみようかとも思うのですが、「私的言語はあり得ない」のだそうですから、無駄な抵抗に終わりそうです。

    

            わが家の年越しの紅葉・1 南天

 でもこのままでは腹の虫が治まらないので、それを解消する方法を考えてみました。
 ようするに、この両者を混ぜ合わせてしまって、どちらが納豆でどちらが豆腐かを分からなくしてしまおうというわけです。
 それが意外とうまく行って美味いのです。

 ここまで読んで、納豆と豆腐を混ぜて食べるだけだろう?そんなことならとっくにしているわいと思ったあなた、あなたはいささか早計です。
 その理由は最後まで読んでいただければ分かります。
 以下がそのレシピです。とくにその後半にご注意下さい。

 
            わが家の年越しの紅葉・2 雪柳
              白い小さな花が咲く木


1)少し深みのある鉢に、納豆の小パックを一個分入れる。
  この納豆は小粒のものが好ましい。
2)そこへ、ネギの小口切りやカイワレ、時期によってはミョウガ、木の芽、などなど、香りのするものをお好みによって適度に加える。
3)カラシ、ワサビなどの香辛料もお好みで加える。
4)納豆だけではやや多めかなと思われる醤油を加え、上記をよく混ぜ合わせる。
5)さらに豆腐半丁分ぐらいを1センチ角のさいの目に切りそれを加える。
  この場合、豆腐は少し水切りをした方がいいが、必須条件ではない。
6)それらをひたすら混ぜ合わせる。豆腐が崩れるのはいっこうに構わない。
7)ここまでなら、な~んだで終わるのだが、ここからが肝要。
  がっついてそれをすぐに食べてはいけない。
  最低、一五分から三〇分ほど、そのまま寝かす
8)するとアーラ不思議、納豆プラス豆腐といった単純な加算では得られないクリーミーで不思議なな食感に変るのだ。
9)鉢からじかに食してもいいが、撹拌した跡などが残り視覚的にあまりよくないので、盛り付けにこだわるむきは、大きめの鉢かボウルで作り、改めて別の器に盛り付けるとよい。
10)これを総括するに、実態とは異なる命名をされた両者が、その恩讐を乗り越えてひとつになろうとする意志の力が働くのかと思われる。いってみれば、ふたつに分割された男女が、相手を求めて合体するというプラトン流の愛の力に似たものの作用といっていい。
 敢えて、「プラトニック納豆腐」と名付ける所以。

    
          わが家の年越しの紅葉・3 木通(あけび)

 たかが納豆と豆腐を食すのに、つまらん屁理屈をと思われそうですが、まあ、つまるところ、理屈はともかく美味いのです。
 
 「寝かす」のがポイントです。「寝る子は育つ」のですから。


コメント
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