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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

春は窓辺からやってくる。

2009-03-16 01:10:14 | よしなしごと
 先週、花を愛でに山野へ行く機会があったのですが、アクシデントのため潰れてしまいました。
 しかし、予定した当日はひどい雨降りでしたから別に惜しくはありません。
 むしろ、結果的に私の足をとどめてくれた母に感謝したいくらいです。

 その代わりといってはなんですが、手身近なところで春を見ています。
 いずれも、窓辺というのがキーワードです。
 箱の中にいる人間にとって、窓辺は外界との通路そのものです。
 光や闇はむろん、風も、寒暖も、匂いも、音も、いろいろなものが窓を経由してやってきます。

 だから窓辺は、季節がいち早く訪れるところでもあります。
 窓から眺める外界、そして窓辺のものたちへも、そこに季節はまず訪れるようです。

 
 
 最初は病院の窓辺です。
 飾られているのは桃と水仙の一種です。
 ここはこの間まで、手作りのお雛様が飾られていたところです。

 少し春めいてきた外界と、この窓辺の花がとてもマッチします。
 この花を含めた窓全体が何か劇場のように華やいでいます。

 

 もうひとつは我が家の台所の窓辺です。
 外側の休耕田に少しずつ緑が戻ってきているのですが、その内側でも緑の競演があるのです。

 
 
 写真の右側は、水耕栽培の芹を買ってきて白和えなどにして食べてしまったのですが、その根っこの部分を豆腐のケースに水と一緒に入れておいたら、こんなに新しい葉が出てきました。
 もう一度白和えやおひたしにするにはやや分量が少ないようですが、味噌汁や山菜と一緒に結び目をつくって天ぷらなどにするには充分ですね。 
 
 左側は大根の葉です。やや小振りのものですが、どんどん育っています。
 これも、1センチ強ぐらいに切ってサッと湯がき、それをしょう油やお好みの調味料に絡めて炒め煮風にしておかかでもまぶせば立派な一品の出来上がりです。
 
 まあ、威張るほどでもないのですが、貧しき者の食生活の知恵でしょうね。
 でも植物の生命力って凄いですね。
 ほとんどなんにもないとこで、まるで無から有が生じるように、結構なボリュームのものが生えてくるのですから・・。
 光合成(=炭酸同化作用)というのでしょうか。それでもって酸素を出してくれるのですから、植物はえらいッ!

    
            逆光で捉えた葉も美しい

 それに比べて、この欠陥生物の人間はということになるのですが、基本的には箱をねぐらに生きています。そして窓を介して外界と繋がっています。
 でも、横穴や竪穴住居に比べて、この窓の発見は建築上の大進歩だったのではないでしょうか。
 本能を退化させ、自然ともはやダイレクトに繋がれなくなった人間が、自然の様子をうかがうために穿った穴としての窓。
 すべての窓を開け放って、大声で叫んでみたくなるのは私だけでしょうか。







コメント
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