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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

世間の風の冷たさに泣かされる!

2008-05-07 02:53:58 | よしなしごと
 一昨日の日記に、翌日出かけねばならないのに風邪を引いてしまったと書いた。
 そして、その夜のうちにその風邪を退治するのだと大言壮語した。
 であれば、その後のいきさつを書かねばなるまい。

 まずはその夜の私の戦いぶりから。
 基本的な戦略は、前にも書いた今はなき母方の祖母譲りのものを採用することとした。
 まずは就寝前の入浴である。
 石川五右衛門も辞世の歌などおちおち詠んではいられないくらいの熱~い風呂につかる。
 早く出たい誘惑に耐える。
 方法は簡単だ。ひと~つ、ふた~つ、と数えることだ。だんだんテンポが速くなる。
 そんなに早く数えても、今度は予定の数を増やすだけだぞと自分を脅しつける。

 
   冷房から解放されて地下鉄の階段を上がる。今日はいい天気だ。

 皮膚が赤く染まったぐらいでやっと出る。
 そこで、ふ~っと一息入れてせっかくの熱したものを冷ますのは愚行である。
 汗が残るのもかまわず衣服を身につける。
 ここまでが第一段階で、しかもマイ・オバアチャンのそれとほぼ同じ進行内容だ。

 
       この間まで花をつけていた木蓮の新葉

 しかし、ここからはすこしく違う。
 マイ・オバアチャンはここで、ゲンノショウコかセンブリを煎じたものをどんぶりに一杯飲ませたのだが、それは20世紀の話、21世紀には当然違う作法があってしかるべきで、私の場合は舌が火傷しそうなホット・ウィスキーである。
 もちろん、ウィスキーには薬用成分はないからそれを補充しなければならない。
 風邪薬、睡眠薬、胃腸薬、それらをまとめて飲む。そして、ひたすら熱い液体をすすり込む。
 
 引っ込みそうになった汗がまたじんわりと体表を潤し始める。
 しかし、そこで汗を引っ込ませようというような姑息なことを考えてはいけない。
 今度はひたすら寝るのだ。
 目標七時間。
 布団の中は熱い。
 でも寝る。
 何があっても寝る。宇宙が溶けてなくなっても寝る。


     
      近くにあるへちま薬師。たむろしていたおばさんから
       仏を写真に撮ると霊が乗り移ると注意された


 翌朝目覚める。
 快調とまでは行かないが、昨日に比べれば遙かに良い。
 治癒率は六的(つまり私的)基準で63.7%ぐらいか。
 適度の食欲はあるが米の飯は喉を通りにくい。
 冷たい出汁の山かけそばにする。
 山芋が潤滑油になって喉ごしがいい。
 この段階で治癒率67.9%に上昇。
 初夏の陽光の中、自転車で駅まで。
 風もなく心地よい。
 治癒率は70%台に乗る。

 いざ、JRにと乗り込む。
 ここで治癒率を一挙に58.6%に下げる事態が・・。
 そう、冷房なのだ。それもかなり効いている。
 それが必要なほど暑いとは思われない。
 きっと、何度以上は何とかというマニュアル通りの措置なのだろう。
 私は思わず上着をかき合わせる。
 ななめまえのTシャツのアンちゃんはしばらくしてくしゃみをした。

 
      街路樹のアオギリの新葉が五月晴れに輝いていた

 名古屋駅へ降りてほっとした。
 それもつかの間、乗った地下鉄でまたしても冷房の襲来。
 治癒率は50%後半のまま。
 地下鉄を降りてやっと冷房から解放される。
 五月晴れのもと、自然な陽光を浴びて、会場までの道すがら写真などを撮る。
 これで治癒率は一挙に上がる。
 70%台の後半から80%台の前半にまで至る。

 会場に着く。
 ああ、またしても冷房が。
 ただしここのはあまり強くはない。
 しかも、JRや地下鉄のように冷風がまともに吹き付けることもない。
 それに話もおもしろかったから治癒率は72.9%ぐらいを維持か。
 会合が終わって、懇親会。
 目の前にある赤ワインをがぶ飲みしたら治癒率は一挙に上がり、80%台の後半に。
 やはり内燃機関は効率がいい。

 
     近くにあった触れなば落ちんという爛熟気味の薔薇
     「イヤ~ン、そんなに近くから中まで見つめないで」


冗談はともかく、冷房については全く納得できない。
 朝夕のラッシュ時はともかく、終日なぜあんなに冷やさねばならないのか。
 夏熱く、冬寒いのは当たり前のことで、人々は自分の服装でそれなりの対策をしているのだから、過分に冷やしたり、暖めたりする必要があるのだろうか。
 人々がその不快に耐えきれない状況からの冷暖房でいいのではないか。
 





コメント (4)
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