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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

世の中をはらりと見せる観覧車

2008-05-27 03:52:04 | 川柳日記
 いろいろあるからといっていろいろ書けるものではありません。
 そんなときは、つぶやきのように言葉を思い描きます。
 そしてそれは、いつの間にか、日本語のもっているリズムである五七五に添っている場合があります。
 それを私は全く独断的にも川柳といっております。
 以下は、前にご紹介したそれの第二弾です。

 

<川柳もどき・その二>

*存在の仕方・2 
 
 枝豆のくびれ辺りにある悲哀
 まだ割れる 分子はさらに刻まれる
 手をつなげないわたくしは魚です
 ここからと剥がせばわたし反り返る

     

*削る
 
 夜削る鉛筆は鋭く尖れ
 削ったら出てきた赤い不発弾
 これ以上削れぬ嘘が多すぎる

*タンゴ
 
 口籠もるタンゴなどないさようなら
 ピアソラにほだされた夜の恋心

 

*天空 
 
 出てほしくない星も出る地平線
 不整脈あって二つの月が出る
 まあ座れ地球の客が茶を所望

 
 
*追悼 
 
 五月雨で火酒割って飲む山頭火
 ショスタコの五番友へのレクイエム


 

*世の中
 
 世の中をはらりと見せる観覧車
 修羅場への前売り券をもってます
 常識を剥がせば寒い謎ばかり 









コメント (4)
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