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今日はなにいろ?

24 TWENTY FOUR その5

2016-06-08 11:20:08 | テレビ
ファイナルseason

ソファーでうとうとするジャック。傍らに小さな女の子がいます。
「ジャック~」とかわいい声。
「おじいちゃんだろ」とジャック。
孫と祖父のなごやかな会話。
直後、キムとその夫も登場。平和で和やかな娘夫婦一家とジャックの交流。
が、そんな平和な時はジャックにいつまでも続くわけがありません。

情報屋の男がやって来てジャックに中東のハッサン大統領の暗殺計画があると伝える。
CTUに力を貸すことになるジャック。

え?CTU?
復活したんだ。しかもとてもきれいでオシャレ。最先端のIT企業のオフィスみたい。ガラスには目線を遮断する装置があって一瞬で曇りガラスになります。
その真新しい建物で仕事をしているのはクロエさんではないですかー。
復帰していたんですね。腕利きクロエさん、のはずだったのに手こずっていてきれいなお姉さんに「慣れたら大丈夫よ~」と励まされている。IT業界は日進月歩ですから、ちょっと離れていると取り残されちゃうんでしょうね。
でも、そこはクロエさんのことだから、あっという間に仕事をこなしていきますが。
それはそうと、クロエの夫は一年前にリストラされて~みたいなセリフがあってちょっと悲しくなりました(苦笑)

クロエを指導していたきれいなお姉さん、ディナの周りで不穏な空気が流れ込んできます。
彼女、昔悪いことをしていたみたいで名前や経歴を変えて生きていたらしい。その当時の男がやって来て、脅したりすかしたりしてディナに金目の仕事を要求します。
どんどん、ドツボにはまっていくディナ。
結局その男は死にます。
これはうまく収まるのかと思ったら男を探しているという保護観察官が現れる。この男がしつこくてなかなか帰らない。ついには「君の上司に直接話す」と最後通告を突きつけられ、なーんとその男を殺してしまう。直後目つきが変わるディナ。なーんとディナはスパイでした~と言う展開。
えー、スパイだったの?
腕利きスパイならさっさとまつわりついてきた男を殺したら良かったのに。
なんか、急に目つきがきつくなってスパイでしたー、って展開は納得いかない。
しかもこの女、かなりの者で最後までジャックを手こずらせる。最後には至近距離で射殺されますけどね。

ジャックは前回仕事を一緒にしたFBIの捜査官ルネと潜入捜査をすることになります。
ルネは前回の最終回で鬼気迫る表情で取調室に入っていきましたが、そこで取り調べ中に容疑者を殺しそうになったとかでFBIを辞めていました。
突き詰めた表情は恐ろしいくらい。きっと辛い月日を送っていたんだろうなあと思わせます。
案の定、捜査相手をめった刺しにし、殺してしまいます。

それでもそのあぶり出しのおかげで新たな情報が浮かび上がってきます。
ある程度の捜査をし、ジャックとルネの二人は捜査から抜け、ジャックのアパートへ。
が、二人の幸福もここまで。
狙撃犯に撃たれ、ルネは死亡。

ジャックのスイッチが入ります。
が、このスイッチ、ちょっと変な方向です。
テロの阻止と言うより、ルネの復讐劇。
トニーがミシェルのかたき討ちのために墜ちて行ったのと同じにしか見えません。
うーん、嫌な感じ。

CTUでは支部長がいろいろな責任を取らされる形で辞任。臨時支部長になったのは、なーんとクロエ。
偉くなったものです。
クロエは暴走「していくジャックを何とか止めようと試みます。なんせロシア大統領の命まで狙おうとしているのですから。それはいくら何でもダメでしょう~。
クロエは一人ジャックに近づき、説得します。証拠のカードを公にすることで納得したジャックは、クロエが安全に部屋から出ていけるように「俺を撃て」と命じます。
このシーンは心に残る名シーンでした。

結局苦労して手に入れた証拠は公にする直前で敵の手に落ちます。よくあるんですよねー、このドラマ。やっと手に入れたのに一瞬で消えちゃうとか、奪われるとか。

もうすべてが水の泡。すべて敵の思うとおりになってしまう…。
はずでしたが、証拠の録画を観たアメリカ大統領が心変わりします。
ジャックが、キムに語り掛けているシーンです。
心に響くところがあったんでしょうね。
そのアメリカ大統領。正義の塊のような女性だったのにローガン元大統領の口車に乗せられて、どんどん悪い方に墜ちていきます。

ローガン元大統領の登場には驚きました。元妻に刺されて殺されたんじゃなかったの?
生きていたんですね。しかももっともっと悪い人間になってました。

結局敵の思う通りにはならず。
でもジャックはやり過ぎでしたね。おとがめなしとはいきません。
が、射殺直前で大統領から救いの電話が入り、アメリカから去るように告げられます。
モニターを通じて、涙がにじむ目でそれを見ていたクロエ。
モニターを切るように指示し、やがて画面からジャックが消えます。
なかなかいい最終回でした。

まとめ
「24」をseason1からファイナルseasonまで一気に鑑賞しました。
全盛期の頃、寝不足になったとか、レンタルするためにレンタルショップに並んだと言う噂を耳にしましたがその気持ち、よくわかりました。

こんなところで終わるなよ~と言う終わり方をします。season途中でも、seasonの最終回でもすっきりした終わり方をしません。
これは後を引きます。
Amazonプライムには全作品おいてあったので、次々に観ました。
回が重なるとさすがにマンネリだなと思うことも。
CTUには必ず裏切り者がいて、新しいseasonが始まると裏切り者は誰か探すのが習慣になりました。
CTUだけじゃなく、FBIにもCSIにもいます。
国の重要機関にこうも簡単にスパイが入り込めるものだと変な感心をしてしまいます。

最初の頃は中東のテロ集団が犯人でしたが、回を重ねると中国、ロシアの組織が介入してきました。
それとアメリカ人の裏切り者も出てくるようになりました。大統領すら犯罪を犯す。
あまりに汚い人間が多くてうんざりしてしてしまいます。
日本の時代劇で言えば悪代官と越後屋。
「お前も悪よのう」「わははは」
そこに現れる黄門様ならぬ、ジャックバウワー。
彼は正義のヒーローですが、みんなから称えられるヒーローじゃありません。
中国に狙われロシアに狙われ、最後にはアメリカからもその強引な捜査に裁きを下そうとします。
ヒーローだけど、暗い。
これはアメコミヒーローに共通するところがあると思いました。

ジャックは「正義」に関することになると変なスイッチが入っちゃいます。
それはやり過ぎでしょうと思うことが多々あります。
特にファイナルseasonはちょっと酷いなあと思いました。

ジャック・バウワーを演じたのはキファー・サザーランド。
突っ走り過ぎて、ふと正気に戻った時の表情が印象に残ります。滅多に笑わないけどたまに見せる笑顔がチャーミング。
吹き替え版で見ましたが吹き替えを演じた小山力也さんが良かったですね。
「そこに座れー」
「手を見えるところにおいて、こっちを向けー」とちょっと早口で怒鳴るセリフが耳の残り、まねっこして遊んでます(笑)

シリーズで好きなキャラクターは何といっても、クロエさんです。
最初、登場した時ちょっと驚きました。
可愛いとか、そうじゃないとかではなく、この人、ブスッとしてます。
口を開けば思いやりのない言葉が飛び出します。
悪気はなさそうだけど、一緒に仕事をしたくないタイプです。
ところが彼女、仕事が出来る。
一目置かれている。
ジャックもクロエに仕事を頼みます。危ない仕事も平気で頼みます。
クロエが
「それはムリ」
と言っても、
「いいからやれ!10分でやれ」とメチャぶりをします(笑)
そんなめちゃくちゃな頼みでもクロエさんは渋々ながらもジャックに従う。
ジャックと一緒に仕事をしたり、交際があるとみな死んだりいなくなったりするけど、クロエさんは最後までいました。
機転もきくのでピンチもうまく切り抜ける。
ホテルの酒場のような所で酔客に絡まれ、電気ショックでノックアウトさせるシーンは笑いました。
笑えるシーンの少ない「24」ですがクロエさんのシーンでは笑うところもあって彼女の登場が楽しみでした。

悪人はいっぱい出てきましたが、一番印象に残ったのはなんといっても最初に登場したニーナでしょう。
ニーナが裏切り者だとは最後まで分かりませんでした。
しかも最後の最後であの所業。
24時間ジャックが闘っていたのは何だったんでしょうか。そこでエンディングとは随分酷いドラマだと思いました。
しかもその後もふたseasonに渡って登場。憎々しさ満開、振りまいてました。ジャックに撃たれた時は「ざま~」と心の中で叫びましたよ。ドラマ史上まれにみる悪女でした。
その後も彼女に似たようなスパイ女が登場しますが、ニーナにかなう悪はいなかったですねー。
パーマー大統領の奥さん、シェリーも頭に残ってます。
押しの強い奥さんだなあ、全然旦那さんの言うことを聞かない。そのうち勝手な行動に出て、遂には離縁されてします。こちらも「ざま~」と思ったけど、彼女はその後何かにつけ現れて大統領に付け入ります。こんな女の相手をしなきゃいいのに、口車に乗せられて…。
ニーナとは違ったタイプの悪女でした。

このドラマの面白さは何といっても24時間、リアルタイムに物語が過ぎていくと言うこれまでなかった斬新なストーリーでしょう。
ドラマの途中に入る秒を刻むようなBGMがハラハラドキドキ感を高めます。
斬新な展開の半面、いろいろ突っ込みどころもあるのも確か。
ちょっと前に撃たれたはずなのに、元気いっぱい動き回っているのはどう考えてもおかしい。
タフガイのジャックはともかく、ほかの捜査官も殴られても撃たれても、行動しまくっている。
距離感と時間の経過がピンと来なかったり。

他にもいろいろ突っ込みどころがあったり、seasonを重ねるごとにマンネリ化が進んだりしたけれども、結局、一気にこのドラマ見終えました。
ジャック・バウワー、ご苦労さんでした。