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今日はなにいろ?

映画のプレゼン「アマデウス」

2007-04-22 09:05:05 | 映画
あんたがプレゼンしなくても、とうに観てますって声が聞こえそうだけど。
最近DVDを買って、観たらこれがやっぱり面白い。観終わった後にまた観たくなるくらい面白い。
「アマデウス」はそんな映画です。


1985年 米

監督 ミロス・フォアマン

出演者
F・マーレイ・エブラハム
トム・ハルス



映画ってストーリー・俳優・音楽で成り立っていると思うんですよね。
あと、美術とか映像の技術とかそういうものも付随してくるとは思うけど、基本はその三つだと思ってます。
この映画、その三本柱がしっかりしている。
だから何回観ても飽きがこないし、楽しめる。長い映画なのに退屈しない。

まずは音楽。
これがいいのは当たり前。なんせモーツアルトの調べですから。悪いわけがない。これが効果的に使われている。

それから俳優さんたち。
モーツアルトを妬むサリエリを演じたF・マーレイ・エイブラハム。
サリエリは卑怯な男なんですけど、これがなぜか憎めない。
人間が誰しも持つ「嫉妬」を上手に表現しているから。
一方モーツアルトを演じたトム・ハルスは演奏シーンを自身が演じると言うピアノの名手、ということだけじゃなく、演技も素晴らしいんです。
無邪気なんですよね。無邪気だからこそ、残酷なことをしてしまう。
サリエリが必死で作った「モーツアルトを迎える曲」を一回聞いただけで覚えてしまうだけじゃなく、即座にアレンジしちゃう。
そう言う神経ってやっぱり天才だから、なんでしょうか。
でも、サリエリにしたらたまったものじゃない。
頭に来るどころじゃなかったでしょう。
しかも、相手が天才だって認めているところに彼の苦悩がある。

さてストーリー。
もちろん、これは実話じゃない。
いまだにモーツアルトの死は多くの謎が残されている。
サリエリが生存中に2度「自分はモーツアルトを殺した」と言っているのは史実としても。
それを基にこれを作り上げた。これ以上の内容は出来ないのでは?というくらい完成されたストーリーになっていると思います。
老衰したサリエリが精神病院で神父を前に回顧すると言うスタイルもいいですね。

最後にサリエリが車椅子を押してもらいながら、患者達に「お前達の罪を許そう」と言うことを言いながら進むわけですが、これが印象的。
サリエリはモーツアルトを憎むと同時に神をも憎んでいた。
モーツアルトを自分の前に差し向けたのは神だと思い込んでいたから。
まるで自分が神になったかのように、患者たちに慈愛の笑みを浮かべているラストシーンに、唸りました。名作です。

<メモ>
アマデウスを演じたトム・ハリスのピアノの腕前。
素晴らしいですね。
このように、俳優さんが自ら演奏する、と言うのは他にもいますね。
「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディも自らピアノを演奏していました。
俳優さんは、役柄のために極端に痩せたり、太ったり、あるいはプロ並のピアノ演奏をしたり…。
さすがですねー。