がん組織の血管は正常組織の血管と比べて構造が未熟で、透過性の高い「静的な穴(static pore、図1)」がたくさんあります。東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・聴覚音声外科の松本有助教、山岨達也教授、東京大学大学院工学系研究科・医学系研究科の片岡一則教授(ナノ医療イノベーションセンター・センター長兼任)らの研究チームは、生きたマウスに腫瘍を生着させ、薬がどのようにがん細胞に到達するのかを詳細に観察しました。がん血管のところどころでstatic poreより大きい「動的な隙間(dynamic vent、図1)」が短時間だけ開き、そこから薬が血管の外へ勢い良く「噴出(eruption)」するという現象を発見しました。今後の研究によって、特に治療が難しいがんの治療効率を高める新しい薬剤送達法の開発に繋がるものと期待されます。日本の研究 2016年2月16日の記事 > プレスリリース
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