慶応大は16日、脊髄(せきずい)損傷の新しい治療薬の臨床試験(治験)を6月中にも始めると発表した。細胞の再生を促す働きがあるHGF(肝細胞増殖因子)というたんぱく質から作った薬を使う。HGFによる脊髄損傷の治験は国内初という。
同大によると、新たに脊髄損傷になる患者は日本で年間約5千人。交通事故やスポーツ外傷などが原因となる。リハビリ以外に有効な治療法はなく、薬による治療が期待されている。
治験を実施するのは、同大の中村雅也准教授(整形外科)らのグループ。傷を負ったばかりの比較的重い患者が対象。目標人数は20歳以上75歳未満、傷を負ってから60時間以内の患者で、同大以外の二つの医療機関で計48人という。朝日新聞(Web版)2014年6月16日