バイオの故里から

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寒天を分解する微生物酵素

2005年09月08日 | 菌類 細菌
 寒天の主成分<アガロース>を寒天分解酵素であるβ-アガラーゼにより加水分解することによりネオアガロオリゴ糖が得られるが、このものは、デンプン老化防止作用が強く、加熱処理により静菌作用を生じることや、低カロリー性等の面から食品分野で高機能性食品の原料として有用である。また、海藻成分をβ-アガラーゼにより加水分解して得られるオリゴ糖には免疫機能活性化機能、肌への美白、保湿効果が認められている。


深海の遺伝子源としての可能性--深海底泥サンプルからの新規有用微生物(寒天分解酵素生産菌)の発見
  秦田勇二・大田ゆかり
  電気評論 89(11 477),43-46,2004/11(電気評論社)

<学位論文>海藻および海藻多糖類の腸内菌への影響に関する研究
  久田 孝
  石川県農業短期大学研究報告 28,7-60,19981215



出願番号 : 特許出願2004-2777 出願日 : 2004年1月8日
公開番号 : 特許公開2005-192492 公開日 : 2005年7月21日
出願人 : 独立行政法人海洋研究開発機構 発明者 : 大田 ゆかり 外3名

発明の名称 : 寒天分解酵素およびその利用
  
【課題】重合度6以上の寒天由来オリゴ糖を効率良く生産でき、高温でのオリゴ糖生成と比較的低温での失活の両立が可能で、大量生産可能な寒天分解酵素遺伝子を提供する。
【解決手段】次の性質を有する遺伝子組換え技術による寒天分解酵素の製造方法。作用:アガロースのβ-1,4結合を加水分解し、ネオアガロヘキサオースを主成分とする重合度の異なるネオアガロオリゴ糖を生成する。基質特異性:少なくとも寒天、アガロース等の多糖類ならびに同骨格を有するオリゴ糖に作用し、寒天由来オリゴ糖を生成するが、重合度6以下の寒天由来オリゴ糖はほとんど分解しない。金属塩の酵素に対するの安定性:金属塩の濃度が高い場合には熱に対する安定性が高まり、金属塩の濃度が低い場合には熱に対する安定性が低下する。


出願番号 : 特許出願2000-320032 出願日 : 2000年9月14日
公開番号 : 特許公開2002-85055 公開日 : 2002年3月26日
出願人 : 株式会社カナガワファニチュア 外1名 発明者 : 村山 肇子 外1名

発明の名称 : 寒天分解能を有する新規微生物およびその用途

【課題】有害物質を生ずる事なく温和な条件下で寒天を完全に分解する事の出来る微生物培養物またはそれより得られるアガラーゼを用いた、難分解性寒天含有廃棄物や海草(藻)塵の処理、堆肥化技術ならびに海藻中の有用成分の簡便な精製方法とこれらに好適な微生物を提供する。
【解決手段】本発明は、寒天を唯一の炭素源として生育出来、高いアガラーゼ活性を持つ新規微生物アマリノバクター、アガロリテイカスSp.Novo K-5菌株(FERMP-17995)を栃木県の士壌中より得て上記課題の解決に至ったものである。即ち、同菌株K-5の生菌含有培養物またはそれより公知の方法で得られた粗または精製アガラーゼ酵素溶液を接触せしめる事に依り、寒天製造工場、菓子工場、病院、生物系研究所等より排出される難分解性寒天を含む廃棄物より、温和な条件下に有害物質の生成を伴わずに効果的に寒天成分を分解消滅させることが出来る一方、海草塵のより良質な堆肥化、特定海藻中の貴重な微量有効成分の抽出精製工程の簡便化をはかる事が出来る。


出願番号 : 特許出願平7-125610 出願日 : 1995年4月27日
公開番号 : 特許公開平8-294389 公開日 : 1996年11月12日
出願人 : 株式会社ヤクルト本社 発明者 : 荒木 利芳

発明の名称 : 新規なβ-アガラーゼ,その産生微生物,その製造方法及びその用途

【目的】 活性が優れた、特にアガロテトラオースやポルフィランの分解活性を有する新規なβ-アガラーゼを得る。
【構成】 アガロースを分解し、主にネオアガロテトラオース(4糖類)又はネオアガロヘキサオース(6糖類)にまで低分子化する反応を触媒するβ-アガラーゼA。アガロースを分解し、主としてネオアガロビオース(2糖類)にまで低分子化する反応を触媒するβ-アガラーゼB。これら2種類のβ-アガラーゼは、ビブリオsp.PO-303から産生される。


出願番号 : 特許出願平6-316057 出願日 : 1994年11月28日
公開番号 : 特許公開平8-149979 公開日 : 1996年6月11日
出願人 : 株式会社コーセー 発明者 : 宇佐美 昭次 外2名

発明の名称 : 新規な寒天分解酵素及びそれを用いるネオアガロビオースの製造法

【構成】 アガロースを分解し、選択的にネオアガロビオースを産生する寒天分解酵素およびこれを利用するネオアガロビオースの製造法。
【効果】 本発明の寒天分解酵素は、寒天を選択的にネオアガロビオースに分解する。 従って、糖の単離・精製工程なしに、デンプン老化防止作用、非消化、静菌作用などの機能が認められる寒天オリゴ糖であるネオアガロビオースを得ることができ、単一の寒天オリゴ糖を有利に大量生産することができる。


出願番号 : 特許出願平6-179244 出願日 : 1994年7月29日
公開番号 : 特許公開平8-38172 公開日 : 1996年2月13日
出願人 : 日本たばこ産業株式会社 発明者 : 永江 英樹

発明の名称 : 新規β-アガラーゼ及びその製造方法

【構成】 ビブリオ属微生物により産生される、比較的低温かつ弱アルカリ性で最大活性を生じる新規なβ-アガラーゼ、及びビブリオ属微生物を用いた該酵素の製法。
【効果】 本酵素を利用することにより、これまで得ることができなかった、熱や酸に弱い海藻中の生理活性物質の抽出が可能となる。

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