バイオの故里から

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昆虫の生体防御分子機構とその応用

2007年08月07日 | 環境 自然  生態
研究者 名取 俊二  所属: 理化学研究所

報告概要 昆虫の自己と非自己の識別機構,新規生理活性物質5-S-GADおよび抗菌蛋白ザーペシンB由来の抗菌ペプチドの3項目に焦点を絞って,創薬を意識した基礎研究を実施した。センチニクバエの幼虫と蛹の体液細胞の問で,表面露出蛋白に質的な相違があるかどうかを検討し,蛹の体液細胞表面だけに発現する分子量120kDaの1回膜貫通型蛋白が得られた。この蛋白は蛹の時期だけに出現するスカべンジャーリセプターであると示唆された。5-S-GAD は,試験した38株の癌細胞の中,3株の増殖を顕著に抑制した。ヌードマウスにこれらの癌細胞を接種し,5-S-GADで治療を試みると有意な治療効果が得られ,5-S-GAD中のβ-アラニル基が癌細胞選択性に寄与することが明らかになった。また5-S-GADはマウスの骨髄細胞から破骨細胞が分化する過程を著しく阻害することが分かった。ザーペシンBの活性中心を改変して得られたペプチドL5が好中球を活性化して感染症の発症を抑制する能力があることが明らかになった。 J-Store >> 研究報告コード R013000234

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