バイオの故里から

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悪玉菌の増殖を抑え、腸内細菌をIgA抗体で制御

2016年07月06日 | 腸内細菌 プロバイオティクス
腸内の悪玉菌抑える物質発見 治療法開発に期待

 腸の中で炎症などを引き起こすいわゆる「悪玉菌」の増殖を抑える物質を発見したと、奈良先端科学技術大学院大学などのグループが発表しました。国内でも患者が増えている潰瘍性大腸炎やクローン病などの新たな治療法の開発につながると注目されます。NHKニュース.,2016年7月6日


悪玉菌の増殖を抑え、腸内細菌をIgA抗体で制御
~腸内細菌叢改善薬の開発に道~

平成28年7月5日

奈良先端科学技術大学院大学
科学技術振興機構(JST)

奈良先端科学技術大学院大学(学長:小笠原 直毅、奈良県生駒市)のバイオサイエンス研究科応用免疫学研究室 新藏 礼子(しんくら れいこ)教授らの研究グループは、炎症性腸疾患などで免疫系が過剰刺激を受けて炎症を起こす原因が腸内細菌叢注1)の変化であると考えた。研究グループはマウスの腸から多くのIgA(イムノグロブリンA)抗体を分離し、その中で多くの種類の腸内細菌に一番強く結合するW27IgA抗体(W27抗体)注2)を選択した。腸炎を起こすモデルマウスに、W27抗体を経口投与すると、腸内細菌叢が変化し、腸炎を抑制する効果があることを突き止めた。W27抗体は細菌のある特定のアミノ酸配列を持つ代謝酵素を識別して結合することにより、増殖を抑制すべき細菌を見分けていることも明らかにした。興味深いのは、W27抗体が攻撃するのは大腸菌など悪玉菌の仲間で、W27抗体が認識しないのは乳酸菌やビフィズス菌といったいわゆる善玉菌ということである。悪い菌の増殖を抑制して、良い菌の増殖を妨げないので、全体として良い菌が優位になる腸内環境へと変化する効果が見られた。
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20160705/

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