イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

あかうみがめあおうみがめ

2009-10-17 17:13:56 | 夜ドラマ

あれだな、『相棒 season 8初回SP14日放送)は、帰国した右京さん(水谷豊さん)が成田からの車中“千葉県域なのに警視庁の白バイ?”と見とがめたことがきっかけですべてが事件化し、発展し露見していったわけだから、前原国交相のぶちあげた“羽田国際ハブ空港化”が成っていたら、細かいことが気になる右京さんも偽白バイをスルー、IOC歓迎晩餐会中の迎賓館がドッカーンやられて終了、だったかもしれませんな。

…ところでIOCと言えば、相棒ワールドでも五輪東京招致活動は存在して、進捗して、リアル世界同様「バンザイ、なしよ」になったのだろうか。

NHK『ウェルかめ』はちょっとしんどくなって来ました。劇中の波美も、演じる倉科カナさんも頑張っているんだけど、徳島のゾメキトキメキ出版に入ってからというもの、周りが室井滋さん益岡徹さん坂井真紀さん正名僕蔵さん…とこってり濃く、2時間ドラマなら主犯ないしラスボス級の人で固めているので、波美が相対的にどうしても影が薄くなるし、“経験値がなくKYで身の程を知らないけど、でもこういうことをやらせたら、本人に自覚はなくてもめちゃめちゃ得意!”という“必殺技”のひとつも提示されないので、“ただバカみたくがちゃがちゃスベって迷惑かけてるだけ”に見えてしまう。

『瞳』で朝ドラ視聴始めてから毎作、放送クール中何度か思うのですが、朝ドラヒロインたちがみな“現実社会なら総スカンを食うはずのわがまま、無神経、読みの浅さや、ひとりよがりで傍若無人なお節介などが、なぜか劇中世界では(家族のみならず親戚・友人・勤務先・取引先ですらも)特権のように受け容れられ、ヘタしたら長所や個性として賛美されリスペクトされる”のは不思議でなりません。

特に地方のご近所町内会や、小中学校の同学年とその親たち、近隣近郊に住む親戚なんてのは、都会より体温が高い分もっともっと底意地が悪く、“都会”“学歴”“出世”等への、素朴な笑顔に隠したどす黒いルサンチマンに満ちているものです。「でっかいこと言って東京なんか出て、小奇麗な服着て偉そうにしてたと思ったら失業だとさ」「大して勉強もできなかったくせに、ちっちゃい頃からクチだけ達者だったもんな」「親父の悪いところそっくり似たんだよ」なんてね。

他方、民放昼帯ドラマのヒロインもはた迷惑な困ったちゃんであることが多いのですが、こちらはおおかた巻き込まれ型、受動態で、巻き込まれた事態へのリアクションや対策がズレているためにますます状況を複雑にするというパターンが多く、劇中その応報として迫害・いじめも受け逆境に転落したりもするので、「なんでコイツだけ好き勝手やってこんなにちやほや甘やかされるんだ?」とはあまり思いません(“こんだけ何度も酷い目に遭ったら、対応のしかた少しは学習すれよ”とイラつくことはよくある)。

思うに、NHK朝ドラ”という世界には「夢を持って頑張る若い(かつ、可愛い女の)子は無条件に応援し好感持って見ていくべきである」という、ルール、規定に近いものがあるのでしょう。リアリティも、社会性も必要ない。ファンタジーのようにヒロインを包む、善意“だけ”に満ちた世界。

ここで何度か書いたことのある、“昼帯における、中世暗黒時代並みの‘ビジネスお仕事世界’認識と描写(←国際的セレブがおしのび滞在するリゾートホテルに従業員が数えるほどしかいなかったり、現職厚労相でも医師会長でもないただのリタイアじじいが、或る医師の免許を恣意的に剥奪したり返したりする)と対比しても興味深いものがあります。

昼帯のビジネス描写軽視が“主力の売り(=情念ドロドロからみ合い)のためには、重要度の低いところはばっさり”という、言わば方法論としての絵空事であるのに対し、朝ドラの、不自然きわまるヒロイン好感受容は“そこからすべてが始まる”、大前提としての絵空事。

製作して放送するほうも、視聴するほうも、“愚かなくらい善意のかたまり”であることを要求するのがNHKの朝ドラなのです。

こりゃロケ地や脚本、ヒロイン女優さんの出来不出来に関係なく、視聴率がジリ貧するのも道理ではないでしょうか。

コメント
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