イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

山本セニョール三郎

2009-01-13 20:41:33 | 昼ドラマ

『サギ師リリ子』を月~金録画始めて思い出したんですが、アナログ専科のビデオデッキって、自動時刻合わせ機能が、正午のNHK教育テレビチャンネルに合わされているんですね。よって、正午を跨ぐLドラ枠を予約録画続けると、週5日、1回も時刻補正がなされることなく過ぎてしまう。

ウチのビデオの場合、5日間スルーすると、金曜午後にはざっと7秒は進んでいる模様。教育テレビが春夏の高校野球中継で正午の時報をすっ飛ばす期間と、同じ現象が起きてくるわけです。

居間の地デジレコーダーを使えばもちろんマニュアル時刻合わせは不要、番組単位で録画でき高画質、CM編集もできるんですが、家中寝静まってから自室でゆっくりのんびり再生する楽しみには代えられません。地デジ録画したら、都度、深夜DVDにダビってPCで再生しなければなりませんから、最短でも放送・録画日より1日視聴が遅れます。週1ならともかく、週5オビの昼ドラでこれはきつい。画質は劣っても、右肩に“アナログ”ってお邪魔虫なテロップが入ってもやはりビデオがいちばん手軽でコンビニエント。

今日はジャンプ、ジャンプの雪だるま借金のカタはめられて温泉宿に沈められたママ友こず枝(吉田真希子さん)のアンラッキー半生を振り返る、仰天女学生コスを含むフラッシュが最笑かな。『相棒』のミスついてない女・月本幸子(鈴木杏樹さん)が「お友達になりたい」って寄ってきそう。あと、『デカレンジャー』のホージーも真っ青(デカブルーだけに)な英文科英語ね。“勉強ができる”という一点で人生必ずなんとかなる幻想を、子供にまるっと託しちゃってる悲劇の見本。アンラッキー頓挫続きでなく、志望通りの一流校→一流企業→ブランド結婚のストレートコースを歩んで来ていたら、逆に幻想のむなしさを思い知る機会もあったでしょうに。叶えられなかった夢は、往々にして幻想と妄想の母となる。

リリ子(雛形あきこさん)がもうやらない、やらないと言いながら詐欺に手を染めていく動機が、中途半端に人道的で義憤まじりで、いまいちキレがないかな。

一方、『だんだん』は高齢家族もう脱落した頃かと思ったらまだ視聴続いてました。双子姉妹のCDデビューに『恋のバカンス』、第二弾に『あの素晴しい愛をもう一度』とスタンダード曲を使ったことで、劇中、石橋(山口翔悟さん)らが絶賛している彼女たちの歌唱力が、現実には微妙なのを念押ししちゃった感。特にザ・ピーナッツはまずいでしょう。あのハーモニーを想起して比べられたら、どうしたって素人芸に聞こえてしまう。

歌に限らず、器楽でも絵画でも、芸術や芸能の“天賦の素質のひいでた人”を採り上げると、ドラマでは往々にしてこうなるのですが、リアルには微妙であっても、“ものすごく光るものを秘めている”ということを演出や演技で了解とりつけられればそれでいいのです。

レコ大歌手やミリオン歌手の前座で、無名の双子が会場をかっさらい、ミリオン真っ青とか、初見の新曲の楽譜を出されて、ひとりでは難儀して歌えないのに、双子でハモるとスムーズに歌い上げたとか、いっそ初見の歌詞だけ渡され、「この詞を歌で読みあげてごらん」と言われたらひとりが素晴らしいオリジナルメロディーを披露し始め、もうひとりが即興コーラスをつけ出して、居合わせた関係者が争って録音回し始めるとか。

しかもその歌詞がスワヒリ語のカタカナ表記で、歌う双子ともども意味わからないのに、聴衆が感涙にむせぶとか。

要するに、ドラマとして、双子のハーモニーのとてつもなさを、とてつもないものとして扱って見せられさえすれば、現実の役者さんの歌がさほどのものではなくても全然構わない。

計画的にか不用意にか、このドラマはそこの見せ方の嵩上げが不足している。ここは思いっきり、遠慮会釈なく、ぶっちぎってゲタはかせなければ、絶賛も喝采も商業的ヒットも、観て楽しい虚構として成立しない。

やはり、このドラマは、“三倉茉奈・佳奈さんが好きで好きで、彼女たちのやることならぜんぶ好感、オッケー”な製作スタッフチームが、同じくそういう人たちのために作ったドラマなんだろうなという気がします。

コメント
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