イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

ママは誰だ

2009-01-19 00:09:38 | スポーツ

昨日(17日)夕方、ターミナル駅のコンコースで待ち合わせのため何分間か、壁面の大画面TVを漠然と見上げていたら大相撲初場所7日目の取組中で、いやぁすごいですね。琴欧洲vs.把瑠都。身長202㌢対198㌢。パブリックの大画面で見ると、ナチュラルにSFX超大作みたい。

しかも、ブルガリア人対エストニア人。考えてみれば不思議ですよ。バルト沿海北端の国とバルカン半島東南端の国から、わざわざ極東の島国に来て、揃ってチョンマゲ結ってフンドシしめて相撲とってるという。

ブルガリアはヨーグルトで有名な伝統農畜産国ですが、ヨーロッパの火薬庫と呼ばれるバルカン半島の一郭で、受験生の皆さんならよくご存じ(だよね?)の通り、南からは小アジアトルコ=イスラム勢力、遅れて北東からロシア帝国と、角突き合わせる強大国に代わる代わる占領され長年苦しんできた国。

一方エストニアは旧ソ連時代には構成共和国のひとつに組み入れられていましたが、ベーシックはフィンランドに近いウゴル語族、次いでロシアに近いスラヴ系とともに、ヴァイキングでおなじみノルマン系民族やデーン族とも親戚関係にあります。把瑠都関もスウェーデン系のエストニア人で、頭髪こそ真っ金金の金髪ではないけれど、長身ペールアイの典型的スカンジナビア系ですね。

中近世にはハンザ同盟の一環を成す海上交易国家として栄えましたが、初めはポーランドとスウェーデン、続いてスウェーデンとロシアの覇権争いの末、結局ロシアに併合され(ニスタット和約)、ロシア革命のどさくさでやっと独立を宣言したものの、第二次大戦突入後には共産主義ソ連の軍門に下り、前後は流血の惨事で多くの国民的英雄を処刑や流罪で失いました。

この国の首都名を聞くと、いろんなものが年中不足しているような感じもしますが、ソ連崩壊前も後も、圏内15構成共和国中いちばん経済・産業が潤沢優等生な国として知られています。

…何だか受験の世界史みたいになってしまった。要するに両関取の母国は、「いっつもロシアと一緒くたにされるけど、でもボクらロシアじゃないもんね」というハングリーな国同士。

その悪玉ロシアから来襲…じゃなくて入門していた露鵬・白露山兄弟がモヤモヤッと角界を去った後、長くロシアの影響下にあった二国“代表”が日本の大相撲の土俵で対戦してるってのも本当に不思議な図。

さらにその頭上の二横綱が、かつての大帝国時はロシア領内を経て一時はバルカンの北まで征西した、モンゴルからやって来ているというのだからさらなるミラクル。さながらまーるい土俵が、ユーラシア世界史の縮図になりました。

外国人に門戸を開いたことで、開かなければ浮上しなかった問題もいろいろ浮上しましたが、世界地図の端っこまで目を皿にして探し回らないと見つからないような国からまで入門志願者が来て、しかもしっかり実績をあげているということは、大相撲という競技、まだまだ捨てたもんじゃない魅力、異国の若者にも通じる“カッコいいオーラ”がじゅうぶんあるということで、相撲協会関係者も国内ファンもちょっとは誇りに思っていいのではないでしょうか。

“悪玉”つながりじゃありませんが、終わりましたなー『仮面ライダーキバ』22年後へと上手投げならぬ丸投げみたいなチカラワザのハッピーエンド。名護さん(加藤慶祐さん)の視力が戻って、恵(柳沢ななさん)と「バーカ」と抱き合ってホッとした視聴者は多かったと思いますが、最後の最後にもうね、やりすぎ過ぎて腹痛くなっちったよ。新婦・恵さんのほうから名護さんに抱きついてキスしたとき、客席で見守る力(滝川英治さん)がつられて次狼(松田賢二さん)に一瞬キスしそうになって押しのけられてるし。

2004年の今頃、555最終話でいきなり、誰この工事現場監督?と思ったら大脚本家・井上敏樹さんだったぐらいのインパクト。

渡(瀬戸康史さん)に「パパー!」って22年後の世界から来た息子のマサオくん(武田航平さん)、カラフル古代人みたいなアレが22年後の日本のボーイズのファッショントレンドというわけではなく、たぶんマサオ個人で浮きまくっているのだろうな。

親の因果が子に報い、その子の因果がそのまた子に…という宿命の連鎖の暗示は、昼ドラでは古典的な終局処理方法でもあり、物語の大河感、連鎖感を保ちつつ次週からの『仮面ライダーディケイド』につなげるのは悪くなかったと思います。

音也から渡への父子ラインがメインの物語だったけれど、最後に真夜(加賀美早紀さん)、ゆり(高橋優さん)と“見守る母親”の存在を再確認して終了したのも、児童番組の原点に沿っていて良かった。

最終話だけの比較なら『龍騎』の余韻含みな解放感、『555』の寂寥を湛えた平安、『剣(ブレイド)』の哀しき達成感などと違って、まだまだ収まりきらないぞという賑やかさを残して終わるのは、文字通り玩具箱を引っくり返したようだったこのシリーズにふさわしい。仮面ライダーは基本孤独なヒーローですが、しんみりまとまったラストシーンが似合わない作品ってのもあるんですよ。

ライダーズもさることながら、ファンガイアたちの造形、彩色は本当に全篇楽しませてくれた、巧緻なトリヴィアリズムと装飾性、人工性の“マニエリスム”平成ライダー。本放送終了まで毎年封印している、大きなお友達向け関連書籍買い集めの旅がいよいよ始まりますが、まだ『ゴーオンジャー』の最終GPも2月8日に待っている。

小さなお友達にはおもちゃ、お菓子、ウェアにグッズ。大きなお友達には書籍にCDDVD。あー仕掛けられた通りに見事に乗せられて嵌められてるなあと思うけれど、贔屓のシリーズは「例年より売り上げがいい」と評価されてほしいし、貧者の一灯じゃないけど微々たる貢献もしたい。本格的な“フトコロ寒中”の季節到来です。

コメント
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