イエローフローライトを探して

何度も言うけど、
本当にブログなんかはじめるつもりじゃなかった。

針の穴の青空に糸を通す

2009-01-15 21:39:52 | 健康・病気

高齢家族その2は温泉好きですが、寒冷地の冬場の泊まりがけ遠出は身支度が大仰になりがち。往復の途上、特に帰路風邪を引くリスクも高いので、月河の職場の近くにあるスーパー銭湯に誘ってみました。

好評でしたがこっちが若干のぼせ気味。

先日、札幌市の大型リゾート浴場で5歳の男児が、母親の目を離した隙に溺死する事故もありましたし、やんちゃ盛りのお子さんを連れて、世話焼き監督しつつ浴場に入ってるお母さんの気の休まらなさがしのばれましたな。

おまけに、プール&浴場用の耳栓を、片方、何かの拍子に奥に押し込み過ぎて耳管にダメージ与えたようで、一夜明けても頭が周期的に痛む。

それとも、浴後帰宅してくぁ~~飲んだビールが多めだったかな。いやそんなことはないだろう、うん。

つね日頃、喉と鼻が良くないのは自覚しているので、マスクや加湿機など気をつかっているほうですが、耳はあまり大事にしてなかった。

昨年も、入浴後、綿棒でスリスリし過ぎて流血したり(オロナインH軟膏で自力治癒)。もう何年も前になりますが、出張先で片耳に異常をきたし、携帯の着信音もこもって聞こえにくくなってしまい、突発性難聴か!脳梗塞の前駆症状か!と慌てて保険証なしで現地の耳鼻科に飛び込んだら耳垢塞栓だった、なんてこともあったっけ。あの時も、前の晩シャワー後綿棒でスリンコスリンコして、耳鼻科の先生曰く「(耳垢のカッタマリを)奥に押し込んでしまった」のが原因。

いつ時代のどこの国か忘れたけど、古代は横向きに寝かせて寝台に縛りつけて、耳の穴に天井から水滴を垂らす拷問もあったそうですよ。脳に直結してますしね。あなどってはいけないですね。

さて、もう、タイトル変更して『片棒』にしたら、なんて提案も一部に出ている(いないか)『相棒 Season714日放送“越境捜査”を録画視聴。

やはり賛否両論あるでしょうが、よかったですよ。筋立てと語り口のスマートさ、目が離せない牽引力なら今Season一番かも。

角田課長(山西惇さん)率いる組織犯罪対策5課が、“ヒマな”右京さん(水谷豊さん)を応援に借り出しての簡単なガサ入れだったはずが容疑者確保に失敗して拳銃所持男に逃亡され、民間人を人質に住宅立てこもり事件に発展、一方、都県境を挟んだ近隣では不動産会社社長の小学生の娘誘拐、5億円の身代金要求電話…と、2つの無関係な事件が、どこで絡むんだろう?と思わせて、接点は持つものの最後まで同根ではなく、ひょっとして金に困った父親の自作自演?とも思わせて、でもやっぱり本当に心配している様子だし…など、所謂“ミスリード”の織り込み方がさりげなくうまい。

娘を縛り上げた一室でヴォイスチェンジャー使って指示電話する実行犯がいかにも愛人タイプな濃い化粧の女性なのも、身代金受け渡し現場で父親(ノコギリ蛮機の声五代高之さん)が犯人からの携帯への電話を報告すると、県警早川(益岡徹さん)が「男の声?」とことさら反応するのも、ぜんぶミスリード。

TBS系の水谷さん主演人気シリーズ『探偵 左文字進』で一時期名コンビだった益岡さんが、誘拐事件担当の県警役で出演することを、元日SP後などの次回予告で繰り返し見せておいたのもナイスミスリードになったのではないでしょうか。亀山くん(寺脇康文さん)が特命を去ったあと、「誰が次の“相棒”役になるのだろう」とこのシリーズのファンは皆いま興味津々ですし、益岡さんのお顔を見て「あるいは次は?」「でも寺脇さんより先輩感があるし」「アクも強めだし」といろいろ考えた人も多かったりして(月河は考えました)。

……この先、ネタばれになるので詳しく書きませんが、ひとつの事件解決してホッとしてから、角田5課と別れて単独行動になった右京さんの思考と行動に逐一意味があり、それはそれぞれこんな意味でしたと、スパーッスパーッと幕をめくっていくような絵解きもかなりスマート。ふたつめの事件も、よっしゃこれで万事めでたしめでたし、撤収、となったところからの怒涛の逆転は、Season7限定でなくシリーズ屈指と言っても褒め過ぎではないと思います。

犯人の動機や、そこへ至る情状、境遇などに描写を割くことの多いシリーズですが、今回は犯人のこだわり、自負以外には、共犯たちをどこからどう集め組織したかなども含め申し開きの余地をほとんど与えず、しかも右京さん静かに一刀両断全否定。これもさわやか。

単独行動ながら右京さんがしっかり“お隣さん”と言うか“母屋”の角田5課と、コーヒーつながりだけではなく信頼して連携しているということ、いつどこでも鑑識米沢さん(六角精児さん)の絶妙サポートもあるということがしっかりストーリーに組み入れられていた。冒頭のガサ入れ失敗で県警の応援仰ぐのに肩身狭そうだった角田課長も、右京さんのナイスパスで見事埋め合わせのお手柄だったでしょう。「僕は(5課の車に同乗せず)電車で帰りますので」なんて言われたら、いくら相手が警部殿でもなんだコイツってカチンきそうなものなのに、右京さんの良き変人性を百も承知な課長だから「あっそなの?ありがとね」と受け入れてくれる。ここらが相棒ワールドのクォリティですな。

リアル世界では不祥事が目立った神奈川県警にも、右京さんから台詞で「優秀」の御墨付きとはなかなか高度に皮肉。

事件は解決したけれど、経済問題その他で難問山積のこの一家この先どうなるんだろう…という含みを持たせて、親子3人の家族写真のアップで終わるラストカットも、『相棒』らしい皮肉感に満ちていました。

54分を短く感じさせる(劇中時間は早朝650から正午過ぎまでの数時間)語り口の密度でしたが、「やっぱり亀ちゃんがいないとね」と不自然感があったのは、家政婦さんから社長一家の財政事情や社内派閥事情を問わず語りに聴取する台所の場面でしたかね。裏口覗きキャーッで驚かせちゃった右京さんに、警視庁警部と名乗って丁寧に詫びたからといって、ご年配の家政婦さんがあんなに気を許すとは思えない。やはりああいうときは、庶民派の亀山くんがお茶片付けの手伝いでもしながら「そうですか、10年以上もねぇ、じゃあアリサちゃん自分の子みたいなもんでしょう」「あらまぁ刑事さん、アタシじゃ孫ですよぉ」なんて調子で聞き出すほうが信憑性があったか。

 大小コンビの小・大木(志水正義さん)に発砲して(これも予告でドッキリ。左胸に被弾したにもかかわらず防弾着で無傷)逃走した銃器犯が、オマエ戦隊レッドか!ぐらいの、逃亡してなくても目立ってしょうがないだろう真っ赤っ赤の、背中に白抜きロゴ入りジャージ上下で、立てこもった民家に電話かかってくると声が裏返っちゃうのが貴重な笑いどころ。発砲しちゃった行きがかり上、逃げてはみたけど、ビビリもいいとこ。

 県警が繰り出してくれた機動隊が犯人を包囲した後ろで、人質にされた体格のいい女性が、「早く!ホラ!何やってんの!」と自分で上着脱いでハッパかけてるのもね。

 角田5課の面々を先に帰庁させた後、ローラー中は留守だったはずの社長邸を携帯で撮影する右京さん「細かいことが気になってしまう」と、独り言なのが妙にしんみりしました。シリーズの前のほうでも右京さんの誰にともなし独り言、無いではなかったけど、いまはそれこそ「咳をしてもひとり」だもんなぁ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする